60 / 256
〃
「だ、大丈夫ですか!? すいませんいきなり……!」
「ゲホッゲホッ……いや、いいんだけど、ゲホッ、なんでいきなりそんなこと聞くんだァ!?」
「だって……オレはあの日朝比奈先輩に助けてもらって、ほぼヒトメボレってやつですけど、逆にオレが朝比奈先輩に好かれる理由って無いから気になってて……」
それは未だに分からない疑問だった。
どうして朝比奈先輩はオレに好かれていると気付いて、そのまま付き合うという選択をしてくれたのか――。
「俺、ノンタンの顔が超好みって言ったよな?」
「つまり、顔が好きだから付き合ってくれたってことですか?」
オレの言葉に何故か朝比奈先輩は怯んだというか、言葉を濁した。
「そ、そーだけど、改めて聞かれると答えづれェな……普通好みのタイプに好かれてるって分かったら、舞い上がってそのまま付き合おうってならね?」
「すいません。オレはそんな経験したことないのでちょっとわかんないです。普通はそうなんですね……」
『好みの子』とやらに好かれたことなどない。
女の子は昔からオレを苛めてくるから怖くて苦手だったし、だから誰かをこんなにも好きだなぁって思ったのは、朝比奈先輩が初めてだから。
「あ、そうか」
「ん?」
「オレ、朝比奈先輩が初恋なんだ」
「え、マジで?」
コクンと頷いた。
高校生で初恋なんて引くかな……。
朝比奈先輩がいまどんな顔してるのか怖くて見れない。
きっと朝比奈先輩は、オレと違って今までメチャクチャモテて色んなひとと付き合ったことがあるのだろう。
だってこんなにかっこいいんだから。
オレと会ったときにフリーだったのが奇跡だっただけで……。
「俺がノンタンを好きになったキッカケは顔だけど、肝が据わってるところとか、意外と小悪魔なところとかも好きだぜ? だからその、あーなんて言ったらいいかな……」
「いきなり変なこと聞いてごめんなさい。初恋とか引きますよね……オレ、こういうことにホント疎くて」
自分のどこを好きになったのかなんて、普通相手に聞いたらいけないことなのかもしれない。
こんなに困らせるんだから。
恋愛初心者すぎて恋愛のルールが分からない。
引きこもってる間にもっと少女漫画等を読み込んでおけばよかった。
「いやいやノンタン、俺はビックリしただけで引いてねェぞ、むしろめちゃくちゃ嬉しいし! ビッチは嫌いだけどビッチにしかモテてこなかったからそんなこと聞かれるの初めてでよ、だからなんて言っていいかわかんねェっつーか……」
「も、もういいんです。本当、困らせてすみません」
「いやよくねェって! あーくそッ、俺の恋愛スキル自分で思ってた以上に低かったァ!!」
「いえいえ、朝比奈先輩の恋愛スキルが低かったらオレなんてゴミですし……いや、カスかな……?」
「そうじゃねェッ、ノンタン、そうじゃねェんだよォ……!!」
なんかもう何の話かよく分からなくなってきたな。
朝比奈先輩も同じみたいで、コロッと話題を変えてきた。
「そ、そういやノンタン、こけしっちに聞いたんだけどRhineのアプリ入れてねェのか?」
「入れてないです。入れたほうがいいですか?」
「そりゃあな。今どきメールとかそんな使わねェしなぁ。あと執行部やら生徒会の連絡手段にグループRhine使ってるから、よっぽどの理由がねェなら入れといたほうがいいぜ。つーか入れてくれ」
「わ、わかりました」
Rhineとか陽キャのひとたち御用達のアプリだと思ってたけど、もうそんな時代じゃないってことか。
ヒキコモリだから家族間で使うことも無かったもんなー……。
「あの、使い方があまり……」
「おお、そこで俺様の出番なワケよ。とりあえずアプリをダウンロードして、IDとか決めようぜ!」
オレはホントに現代を生きる高校生かってくらい機械に疎いけど、分からないところは朝比奈先輩がその都度教えてくれたので、なんとか使い方をマスターした。
「執行部と生徒会のグループRhineも俺から招待するからよ」
「グループRhineとか入るの初めてです……」
なんて陽キャな響きなんだ……!
「これで朝比奈先輩ともいつでも連絡取れますね」
「おう。つーかノンタン、Rhineやらずにどーやって俺と連絡とるつもりだったんだよ?」
「それはまあ、普通に電話じゃないですか……? 携帯電話ですし」
「ンなるほどォ……でもRhineも楽しいから使おうな~」
「分かりました」
色々と話していたら、昼休みもそろそろ終わる時間だった。
まだ離れたくないけど、引き留めるわけにはいかないし……。
「じゃあ俺そろそろ戻るな、今夜はバイトだから、また明日!」
「はい、また明日。あの、朝比奈先輩……」
「ん?」
「もういっかい、キスしたいです……」
このまま別れたくなくて、勇気を出してそう言うと。
朝比奈先輩は何も言わずにそっとオレを抱き締めて、優しいキスをしてくれた。
「……なんかまた熱くなってきたから、俺が行ったらまた寝てろよ?」
「ハイ」
「じゃあなァ」
朝比奈先輩は最後にチュっとオレの額にキスをして、部屋を後にした。
オレはキスされた額を抑えながら、熱が上がってきたのは朝比奈先輩のせいだ、と思った。
「ゲホッゲホッ……いや、いいんだけど、ゲホッ、なんでいきなりそんなこと聞くんだァ!?」
「だって……オレはあの日朝比奈先輩に助けてもらって、ほぼヒトメボレってやつですけど、逆にオレが朝比奈先輩に好かれる理由って無いから気になってて……」
それは未だに分からない疑問だった。
どうして朝比奈先輩はオレに好かれていると気付いて、そのまま付き合うという選択をしてくれたのか――。
「俺、ノンタンの顔が超好みって言ったよな?」
「つまり、顔が好きだから付き合ってくれたってことですか?」
オレの言葉に何故か朝比奈先輩は怯んだというか、言葉を濁した。
「そ、そーだけど、改めて聞かれると答えづれェな……普通好みのタイプに好かれてるって分かったら、舞い上がってそのまま付き合おうってならね?」
「すいません。オレはそんな経験したことないのでちょっとわかんないです。普通はそうなんですね……」
『好みの子』とやらに好かれたことなどない。
女の子は昔からオレを苛めてくるから怖くて苦手だったし、だから誰かをこんなにも好きだなぁって思ったのは、朝比奈先輩が初めてだから。
「あ、そうか」
「ん?」
「オレ、朝比奈先輩が初恋なんだ」
「え、マジで?」
コクンと頷いた。
高校生で初恋なんて引くかな……。
朝比奈先輩がいまどんな顔してるのか怖くて見れない。
きっと朝比奈先輩は、オレと違って今までメチャクチャモテて色んなひとと付き合ったことがあるのだろう。
だってこんなにかっこいいんだから。
オレと会ったときにフリーだったのが奇跡だっただけで……。
「俺がノンタンを好きになったキッカケは顔だけど、肝が据わってるところとか、意外と小悪魔なところとかも好きだぜ? だからその、あーなんて言ったらいいかな……」
「いきなり変なこと聞いてごめんなさい。初恋とか引きますよね……オレ、こういうことにホント疎くて」
自分のどこを好きになったのかなんて、普通相手に聞いたらいけないことなのかもしれない。
こんなに困らせるんだから。
恋愛初心者すぎて恋愛のルールが分からない。
引きこもってる間にもっと少女漫画等を読み込んでおけばよかった。
「いやいやノンタン、俺はビックリしただけで引いてねェぞ、むしろめちゃくちゃ嬉しいし! ビッチは嫌いだけどビッチにしかモテてこなかったからそんなこと聞かれるの初めてでよ、だからなんて言っていいかわかんねェっつーか……」
「も、もういいんです。本当、困らせてすみません」
「いやよくねェって! あーくそッ、俺の恋愛スキル自分で思ってた以上に低かったァ!!」
「いえいえ、朝比奈先輩の恋愛スキルが低かったらオレなんてゴミですし……いや、カスかな……?」
「そうじゃねェッ、ノンタン、そうじゃねェんだよォ……!!」
なんかもう何の話かよく分からなくなってきたな。
朝比奈先輩も同じみたいで、コロッと話題を変えてきた。
「そ、そういやノンタン、こけしっちに聞いたんだけどRhineのアプリ入れてねェのか?」
「入れてないです。入れたほうがいいですか?」
「そりゃあな。今どきメールとかそんな使わねェしなぁ。あと執行部やら生徒会の連絡手段にグループRhine使ってるから、よっぽどの理由がねェなら入れといたほうがいいぜ。つーか入れてくれ」
「わ、わかりました」
Rhineとか陽キャのひとたち御用達のアプリだと思ってたけど、もうそんな時代じゃないってことか。
ヒキコモリだから家族間で使うことも無かったもんなー……。
「あの、使い方があまり……」
「おお、そこで俺様の出番なワケよ。とりあえずアプリをダウンロードして、IDとか決めようぜ!」
オレはホントに現代を生きる高校生かってくらい機械に疎いけど、分からないところは朝比奈先輩がその都度教えてくれたので、なんとか使い方をマスターした。
「執行部と生徒会のグループRhineも俺から招待するからよ」
「グループRhineとか入るの初めてです……」
なんて陽キャな響きなんだ……!
「これで朝比奈先輩ともいつでも連絡取れますね」
「おう。つーかノンタン、Rhineやらずにどーやって俺と連絡とるつもりだったんだよ?」
「それはまあ、普通に電話じゃないですか……? 携帯電話ですし」
「ンなるほどォ……でもRhineも楽しいから使おうな~」
「分かりました」
色々と話していたら、昼休みもそろそろ終わる時間だった。
まだ離れたくないけど、引き留めるわけにはいかないし……。
「じゃあ俺そろそろ戻るな、今夜はバイトだから、また明日!」
「はい、また明日。あの、朝比奈先輩……」
「ん?」
「もういっかい、キスしたいです……」
このまま別れたくなくて、勇気を出してそう言うと。
朝比奈先輩は何も言わずにそっとオレを抱き締めて、優しいキスをしてくれた。
「……なんかまた熱くなってきたから、俺が行ったらまた寝てろよ?」
「ハイ」
「じゃあなァ」
朝比奈先輩は最後にチュっとオレの額にキスをして、部屋を後にした。
オレはキスされた額を抑えながら、熱が上がってきたのは朝比奈先輩のせいだ、と思った。
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?