好きです、朝比奈先パイ。~元引きこもりの美少年、陽キャヤンキー先輩に溺愛される~

すずなりたま

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「いいね。じゃあ本番もそんな感じでね。――次は東雲君」
「しっ、竹刀を構えてもいいですか? すごく下のほうで持ちますから……。俺はあがり症のうえに赤面症なので、竹刀がないとまともに喋るのすら無理なんです」
「そうなの? じゃあ本番は竹刀がカメラに映らないよう気をつけてね、一般の生徒がびっくりしちゃうから」
「ハイ」

  やはり竹刀はマストアイテムなのか。
  ハル、緊張して震えまくってるけど大丈夫かなぁ……?
  ハルは下のほうで両手で竹刀を構えると、すうっと息を吸った。
  すると体の震えがピタッと止まり、下がっていた眉と目がきりっと上がって別人のように顔つきが変わった。

「星影中出身、1年A組の東雲千春です! 小学生の頃から剣道を嗜んでおります。自分も生徒会役員は初めてですが、できる限り皆さまのお役に立ちたいと思っていますのでどうか一つ、よろしくお願い申し上げます」

 おお……なんか固いけど、簡潔でいいな……!

「ちょっと固いけどキャラが立ってていいね。本番もよろしく頼むよ。じゃあこの勢いで次、斉賀君どうぞ」
「え、オレですか!?」
「リハーサルだから。斉賀君の次は朝比奈君、つばめくん、二小山君、藤堂、そして僕が最後に締めるよ!」

 そんなこんなでリハーサルを終えて、放送部の方々の協力のもと、本番が始まった。
 なんと声だけでなく、映像付きの生放送だった。
 すずとハルはさっきとほぼ同じだったので割愛。

「は、初めまして。1年C組の斉賀希です。このたび生徒会執行部、執行係に任命されました。と、藤堂学院高校の平和を守るために精一杯頑張りますので、どうぞよろしくお願いします……!」

 オレの挨拶は二小山先輩が講評してくれた。
 なぜか毎年別の役員にそれぞれ感想を言ってもらうらしい。

「1年生らしく、初々しくていい挨拶でした~! 斉賀君は画面えづらも派手でいいね~!」

 次は、朝比奈先輩。

「2年B組朝比奈柊馬。去年に引き続き執行係を務めるぜ。俺の前で校則違反――っつうかおイタしたら容赦なく制裁すっから、後頭部に気を付けろよナ」

 講評はつばめ先輩だ。

「お前に校則云々言われたら終わりだな。真面目にやれ、馬鹿柊馬!」

 次は、つばめ先輩。

「こんにちは、2年A組の西園燕です。今年は生徒会の書記を努めます。よろしくお願いします」

 講評は藤堂先輩だ。

「今年も簡潔でいいですね、つばめさん。最後はファンのためにスマイルでもしてもらえるともっと良かったんですが」

 藤堂先輩の講評に橘先輩が怒っていた。
 自分以外のつばめ先輩ファンは断固認めないとかなんとかカメラの外でわめいている。
 次は、執行部のボス、二小山先輩。

「どうもどうもこんにちは、3年の二小山正太郎で~す。今年も執行部なのでよろしくお願いしま~す」

 講評は朝比奈先輩。

「ちょ、簡潔すぎねェっスか!? まあ、ニコチャン先輩らしくて俺は好きッスけど」

 あんな感じでいいのか……。何だかんだ言って、二小山先輩も大物だ。さすが朝比奈先輩のセンパイ。
 次は藤堂先輩だ。

「今年も副会長を務める3年の藤堂護だ。――諸君に警告しておくが、2年B組の我が麗しの歌姫、声楽部のエース西園ひばり様に無礼を働く者はなんぴとたりとも許さん。執行部ではなく個人的に制裁を与えるから、近づく者は心しておくがいい!」

 講評は……オレ。

「藤堂先輩、ほとんどひばり先輩の紹介になってますよ……あと、怖いです」

 ツッコまずにはいられませんでした。
 最後は、橘先輩。

「こんにちは! 藤堂学院の生徒諸君、ランチタイム中に失礼するよ! 3年A組の橘恭平です。高校生活最後の一年、今まで以上に精一杯生徒会長を務めさせていただくよ! みんな、ついてきてね!!」

 藤堂先輩は最後バチィィンと激しくウインクをして、謎の光を思い切りカメラに放った。
 講評はすずとハルだ。

「「さ、最後のフラッシュは生徒の目がつぶれるので、控えめにしてください……!」」

 そんなこんなで、生徒会役員発表校内放送は無事(?)終わりました!
 あー緊張した……。
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