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46 希、清原に惚気ける
確実に殴られる――……!
固く目を瞑って、歯を食いしばった。
なんかオレ、入学してから何回もこんな目に遭ってる気がする。
それでもまだ一度も本格的に痛い目に遭っていないのは、いつもトーマ先輩がオレを助けてくれたからだ。
トーマ先輩、今までありがとうございます。
でも今度の今度はダメかもしれません――
拳がとどく0.1秒の間、そんなことを考えていた。
しかし。
「胴ォォォォ!!!」
「痛ってぇぇぇ!!」
「ち、ちーちゃんナイス!! のんちゃん大丈夫!?」
思い切り顔面に衝撃が来ると予測していたのに、何も来ない。
今度はいったい何が起こったんだ……?
そろそろと目を開けると、オレをかばうようにすずが抱きついていて、その向こう側には清原君が脇腹を押さえてその場にうずくまり、竹刀を構えたハルが立っていた。
「さ、サシの勝負だって、何回言わせんだよ、てめぇら……!」
「準備する間も与えず、あきらかに自分が得意なもので勝負などと言い、いきなり襲いかかるのは卑怯にもほどがあると思うが? のんさんは武道の心得などないと言っているだろう! その両耳はただの飾りか!?」
で、出たぁ! ハルの木枯らし演出!!
「はぁ!? そんなにウソにきまってんだろ!! 確かにコイツは果てしなく弱そうに見えるけどな!!」
清原君の酷い言い草がストレートに心に刺さった。
やっぱり筋トレ、一日10分くらいはしよう……ムキムキにはならずとも、ひょろひょろは卒業したい。
だってオトコノコだもん。
「のんちゃんはお前みたいな脳筋じゃねーんだよ! もっと言ってやれ、ちーちゃん!」
「勝負はいかなるときでも公平でなくてはいけない。お前も武道を嗜む人間ならば、それくらい心得ているだろう! それをただ自分の欲望を満たすためだけにのんさんを痛めつけるというのなら、この俺がのんさんの代わりに貴様を竹刀の錆にしてやる!」
「ハル……何でオレにそこまで……?」
ハルが護りたいのは、すずだけじゃなかったのか?
「のんさんもすず同様、俺の大切な友達だ。友達を護るのは当たり前だ」
ハル……。
オレ、また感動して泣きそう。
「やっだぁちーちゃんてばオットコマエー!! ひゅーひゅー!!」
「いや、そんなそんな」
すずのパリピすぎる野次のおかげで、感動の涙はヒュッと引っ込んだ。
ハルもけっこういいことを言っていたのに、すずに褒められてデレデレしている。
オレの友達、わかりやすっ!
「で、でも武器使うのは反則だろーがよ!! 脇腹マジで痛ぇし!! 防具も付けてない人間を思いっきり竹刀で殴るなァァ!!」
「俺は剣道しか嗜んでいない。しかし貴様は空手と柔道の二つをやっている。反則なわけがあるか!」
「なんだそりゃ――!!」
ハルの理屈はよく分からないけど、きっとオレの知らない格闘技界のルールか何かなんだろう。
というか昼休みが終わるから早くパンを食べ終わりたいんだけど。
「クソッ、なんでこんな邪魔ばっか入るんだよ! 守られてばっかじゃなくてお前がかかって来いよ、斉賀希ィ!! 俺はお前をぶっつぶして、お前の代わりに朝比奈先輩の舎弟になるんだ!!」
「もぉ~、のんちゃんは朝比奈先輩の舎弟じゃないってさっきから言ってんじゃん! ちょっとは人のハナシ聞いたら? そんなんだから脳筋って言われるんだよ!(ぼくに)」
「うっ……!」
すずの暴言も結構ストレートに清原君の心に刺さっている気がする。
さすが三兄弟の末っ子、口げんかめちゃくちゃ強そう。
ていうか、つよい(確信)
「しゃ、舎弟じゃなきゃなんだってんだよ! なんで朝比奈先輩がテメーなんかをそばに置いてんだ! 同じ執行係だからだって言っても、三年生とは普段から一緒にいねえじゃねぇか!」
「今だ言ってやれ! のんちゃん!!」
「のんさん!」
えっ? 言うの? オレが自分で?
ていうかそんなお膳立てされるとめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。
でもハッキリ言わないと、この人分かってくれないよな、絶対。
「そ、それは……」
「それは!?」
「お……オレが、トーマ先輩のコイビト、だからです」
「……………はぁ?」
なんかもう、ただのノロケなんですけど。
固く目を瞑って、歯を食いしばった。
なんかオレ、入学してから何回もこんな目に遭ってる気がする。
それでもまだ一度も本格的に痛い目に遭っていないのは、いつもトーマ先輩がオレを助けてくれたからだ。
トーマ先輩、今までありがとうございます。
でも今度の今度はダメかもしれません――
拳がとどく0.1秒の間、そんなことを考えていた。
しかし。
「胴ォォォォ!!!」
「痛ってぇぇぇ!!」
「ち、ちーちゃんナイス!! のんちゃん大丈夫!?」
思い切り顔面に衝撃が来ると予測していたのに、何も来ない。
今度はいったい何が起こったんだ……?
そろそろと目を開けると、オレをかばうようにすずが抱きついていて、その向こう側には清原君が脇腹を押さえてその場にうずくまり、竹刀を構えたハルが立っていた。
「さ、サシの勝負だって、何回言わせんだよ、てめぇら……!」
「準備する間も与えず、あきらかに自分が得意なもので勝負などと言い、いきなり襲いかかるのは卑怯にもほどがあると思うが? のんさんは武道の心得などないと言っているだろう! その両耳はただの飾りか!?」
で、出たぁ! ハルの木枯らし演出!!
「はぁ!? そんなにウソにきまってんだろ!! 確かにコイツは果てしなく弱そうに見えるけどな!!」
清原君の酷い言い草がストレートに心に刺さった。
やっぱり筋トレ、一日10分くらいはしよう……ムキムキにはならずとも、ひょろひょろは卒業したい。
だってオトコノコだもん。
「のんちゃんはお前みたいな脳筋じゃねーんだよ! もっと言ってやれ、ちーちゃん!」
「勝負はいかなるときでも公平でなくてはいけない。お前も武道を嗜む人間ならば、それくらい心得ているだろう! それをただ自分の欲望を満たすためだけにのんさんを痛めつけるというのなら、この俺がのんさんの代わりに貴様を竹刀の錆にしてやる!」
「ハル……何でオレにそこまで……?」
ハルが護りたいのは、すずだけじゃなかったのか?
「のんさんもすず同様、俺の大切な友達だ。友達を護るのは当たり前だ」
ハル……。
オレ、また感動して泣きそう。
「やっだぁちーちゃんてばオットコマエー!! ひゅーひゅー!!」
「いや、そんなそんな」
すずのパリピすぎる野次のおかげで、感動の涙はヒュッと引っ込んだ。
ハルもけっこういいことを言っていたのに、すずに褒められてデレデレしている。
オレの友達、わかりやすっ!
「で、でも武器使うのは反則だろーがよ!! 脇腹マジで痛ぇし!! 防具も付けてない人間を思いっきり竹刀で殴るなァァ!!」
「俺は剣道しか嗜んでいない。しかし貴様は空手と柔道の二つをやっている。反則なわけがあるか!」
「なんだそりゃ――!!」
ハルの理屈はよく分からないけど、きっとオレの知らない格闘技界のルールか何かなんだろう。
というか昼休みが終わるから早くパンを食べ終わりたいんだけど。
「クソッ、なんでこんな邪魔ばっか入るんだよ! 守られてばっかじゃなくてお前がかかって来いよ、斉賀希ィ!! 俺はお前をぶっつぶして、お前の代わりに朝比奈先輩の舎弟になるんだ!!」
「もぉ~、のんちゃんは朝比奈先輩の舎弟じゃないってさっきから言ってんじゃん! ちょっとは人のハナシ聞いたら? そんなんだから脳筋って言われるんだよ!(ぼくに)」
「うっ……!」
すずの暴言も結構ストレートに清原君の心に刺さっている気がする。
さすが三兄弟の末っ子、口げんかめちゃくちゃ強そう。
ていうか、つよい(確信)
「しゃ、舎弟じゃなきゃなんだってんだよ! なんで朝比奈先輩がテメーなんかをそばに置いてんだ! 同じ執行係だからだって言っても、三年生とは普段から一緒にいねえじゃねぇか!」
「今だ言ってやれ! のんちゃん!!」
「のんさん!」
えっ? 言うの? オレが自分で?
ていうかそんなお膳立てされるとめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。
でもハッキリ言わないと、この人分かってくれないよな、絶対。
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