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〃
「へー、まさか俺様ガチモテ期か? 今時果たし状ってすげぇな!」
「なんでこの馬鹿に憧れるのか僕には理解できないけど……丁度いい機会だし、希、わざと負けなさい」
「おいつばめ! なんつーこと言うんだオマエは!」
「あ、あはは……」
せっかくオレに有利な戦い方でいいって言ってくれたのに、わざとは負けたくないな……それにしても来るの遅いな、清原君。
ドアの方を見たら、ハルが顔を半分覗かせてうちのクラスを伺っていた。
「は、ハル! なんでそんな……入っておいでよ」
オレの声掛けにホッとした顔をして、ハルがいそいそと教室に入ってきた。
違うクラスに入るのに躊躇する気持ちはわかる。
すずがおいでおいでをして、ハルはすずの隣にぴったりくっついた。
「なんだかC組の中が凄いことになってたから、入るに入れなかった……」
「あはは、確かに。でもちーちゃんだって生徒会役員じゃん! ……それにしてもあいつ、遅いね。逃げたのかなぁ」
すずがそう言った途端、後ろのドアから豪快な声が響いた。
「待たせたな、俺に倒される覚悟はできたか、斉賀希!! ……って、なんかギャラリー多っ!!」
清原君は来て早々このメンツにびびったようだ。まあ、そうだよね。
しかし清原君はさっきのハルとは真逆の態度で、ズカズカとC組へと入ってきて言った。
「てめー斉賀希!! ダチ以外にも応援呼ぶとか卑怯じゃねーか!! しかも生徒会メンバー!!」
「呼んだのはのんちゃんじゃなくてぼくだよー」
すずが小さく挙手をして言った。
「てめーか黒目ぱっつんこけし!! 昼休みはバシバシ叩いてくれやがって、あとで倍返しにしてやるからな!!」
「ぼくに何かしたら竹刀で倍返しされるからやめた方がいいよ?」
「んぎぎ……この卑怯者ぉ……」
「なんとでも言って~」
口げんかでは、すずが一枚も二枚も上手のようだ。オレもあんな余裕綽々で言い返せたらいいのに……。(背後のハルの存在も大きいと思うけど)
トーマ先輩に好かれている自信はあるけど、やっぱり昔のことを持ち出されるとつい弱気になってしまう自分がイヤだ。
「ノンタン、どーした?」
「い、いえ……」
オレの様子を察したのか、トーマ先輩が心配してくれた。
優しく頭を撫でてくれて、思わず胸がきゅんとして抱きつきたくなったけど、我慢だ。
そんなことをしたらまた清原君に絡まれてしまう。
「つーかあいつ、どっかで見たことあンな……」
「トーマ先輩の中学の後輩らしいですよ」
「マジで? んー……いや、やっぱ見覚えねぇわ。どこにでもいるモブだな」
「おい斉賀希! ……あっ!?」
清原君はやっとオレの隣に座るトーマ先輩の存在に気づいたらしくて、思いっきり目を見開いたあと口をぽかんと開けて、顔色を蒼くさせたり赤くさせたりして絶句した。
「あっ、ああ、朝比奈先輩……!」
「おう、どこの誰だか知んねぇけど中学ン時のコウハイ、あまり俺の可愛いノンタンをいじめてくれんなよ?」
清原君は今のトーマ先輩の言葉が聞こえていなかったのか――もしくは聞いていなかったのか、突然舎弟志願をし始めた。
「朝比奈先輩! 俺が今から勝負して斉賀希に勝ったら、こいつの代わりに俺を舎弟にしてくれませんか!? 中学のときからずっと朝比奈先輩に憧れてたんです!! お願いします!!」
清原君は腰を90度に曲げてびしっとお辞儀をした。
さっきオレには『朝比奈先輩には孤高が似合う』とかなんとか言ってたくせに――と思わなくもないが、勝手に舎弟志願しろ、と言ったのも自分なので黙って聞いておく。
そんな清原君に近づいていったのは、何故かつばめ先輩だった。
「つ、つばめくん?」
橘先輩が心配そうに呼んだけど、つばめ先輩は無視した。
カツカツと杖をつく音が自分に近付いてくるの察してか、清原君は顔をあげた。
つばめ先輩は近くの机の上に杖を置くと、右手を清原の額に、左手を自分の額に当てると。
「うーん……柊馬の舎弟になりたがるなんて熱でもあるのかと思ったけど……ないようだね」
と、真顔で言った。
「なんでこの馬鹿に憧れるのか僕には理解できないけど……丁度いい機会だし、希、わざと負けなさい」
「おいつばめ! なんつーこと言うんだオマエは!」
「あ、あはは……」
せっかくオレに有利な戦い方でいいって言ってくれたのに、わざとは負けたくないな……それにしても来るの遅いな、清原君。
ドアの方を見たら、ハルが顔を半分覗かせてうちのクラスを伺っていた。
「は、ハル! なんでそんな……入っておいでよ」
オレの声掛けにホッとした顔をして、ハルがいそいそと教室に入ってきた。
違うクラスに入るのに躊躇する気持ちはわかる。
すずがおいでおいでをして、ハルはすずの隣にぴったりくっついた。
「なんだかC組の中が凄いことになってたから、入るに入れなかった……」
「あはは、確かに。でもちーちゃんだって生徒会役員じゃん! ……それにしてもあいつ、遅いね。逃げたのかなぁ」
すずがそう言った途端、後ろのドアから豪快な声が響いた。
「待たせたな、俺に倒される覚悟はできたか、斉賀希!! ……って、なんかギャラリー多っ!!」
清原君は来て早々このメンツにびびったようだ。まあ、そうだよね。
しかし清原君はさっきのハルとは真逆の態度で、ズカズカとC組へと入ってきて言った。
「てめー斉賀希!! ダチ以外にも応援呼ぶとか卑怯じゃねーか!! しかも生徒会メンバー!!」
「呼んだのはのんちゃんじゃなくてぼくだよー」
すずが小さく挙手をして言った。
「てめーか黒目ぱっつんこけし!! 昼休みはバシバシ叩いてくれやがって、あとで倍返しにしてやるからな!!」
「ぼくに何かしたら竹刀で倍返しされるからやめた方がいいよ?」
「んぎぎ……この卑怯者ぉ……」
「なんとでも言って~」
口げんかでは、すずが一枚も二枚も上手のようだ。オレもあんな余裕綽々で言い返せたらいいのに……。(背後のハルの存在も大きいと思うけど)
トーマ先輩に好かれている自信はあるけど、やっぱり昔のことを持ち出されるとつい弱気になってしまう自分がイヤだ。
「ノンタン、どーした?」
「い、いえ……」
オレの様子を察したのか、トーマ先輩が心配してくれた。
優しく頭を撫でてくれて、思わず胸がきゅんとして抱きつきたくなったけど、我慢だ。
そんなことをしたらまた清原君に絡まれてしまう。
「つーかあいつ、どっかで見たことあンな……」
「トーマ先輩の中学の後輩らしいですよ」
「マジで? んー……いや、やっぱ見覚えねぇわ。どこにでもいるモブだな」
「おい斉賀希! ……あっ!?」
清原君はやっとオレの隣に座るトーマ先輩の存在に気づいたらしくて、思いっきり目を見開いたあと口をぽかんと開けて、顔色を蒼くさせたり赤くさせたりして絶句した。
「あっ、ああ、朝比奈先輩……!」
「おう、どこの誰だか知んねぇけど中学ン時のコウハイ、あまり俺の可愛いノンタンをいじめてくれんなよ?」
清原君は今のトーマ先輩の言葉が聞こえていなかったのか――もしくは聞いていなかったのか、突然舎弟志願をし始めた。
「朝比奈先輩! 俺が今から勝負して斉賀希に勝ったら、こいつの代わりに俺を舎弟にしてくれませんか!? 中学のときからずっと朝比奈先輩に憧れてたんです!! お願いします!!」
清原君は腰を90度に曲げてびしっとお辞儀をした。
さっきオレには『朝比奈先輩には孤高が似合う』とかなんとか言ってたくせに――と思わなくもないが、勝手に舎弟志願しろ、と言ったのも自分なので黙って聞いておく。
そんな清原君に近づいていったのは、何故かつばめ先輩だった。
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カツカツと杖をつく音が自分に近付いてくるの察してか、清原君は顔をあげた。
つばめ先輩は近くの机の上に杖を置くと、右手を清原の額に、左手を自分の額に当てると。
「うーん……柊馬の舎弟になりたがるなんて熱でもあるのかと思ったけど……ないようだね」
と、真顔で言った。
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