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〃
「あっはっは、それそれー! 鼻くそとか言っちゃってごめんね先輩!」
「い、いいさ別に……敗者には何も文句を言う権利はない……」
「おん、むしろもっと言って欲しい」
「北山先輩、藤堂先輩のお仲間じゃないですかぁ」
オレもそう思った。
囲碁部にも影の薄い変態さんがいまーす!!
「ところで部長さん、初心者のぼくにはのんちゃんがめっちゃ強いのか先輩たちがクソ雑魚なのかよく分からないんですけど」
「すず――!!」
それ以上先輩たちの心を痛めつけるのはやめたげて!!
(同じ陰キャのため、どうしても感情移入してしまうオレ)
「そりゃもう前者っていうか……元々うちは弱小部なんだ。大会でもいつも一回戦負けだし……きっと僕より斉賀君の方が余裕で強いと思う」
「え、囲碁部も大会とかあるんですか?」
「あるんだよ、それが」
「へえー! 部活っぽーい!」
「ぶ、部活ですハイ」
もはや場を支配しているのは部長さんではなく完全にすずだった。
陰キャの中に一人だけの陽キャとはいえ、そのパワーは凄まじいものがある。
一人で入部しなくて本当に良かった。
「でも今年は斉賀君を大将にして大会に出たら、いいところまで行くんじゃないですか? 部長」
「ええ!?」
「もちろん斉賀君が大将であることに異論はないよ。斉賀君、出てくれるよね? 高校生囲碁大会」
「いや……あの……」
なんで入部したばっかりの1年のオレが2,3年生を差し置いて大将なんだ!?
すごく文句を言いたいけど、さっきすずが好き放題言ってくれたせいで何も言えない!
あ、もしかして先輩たちこれ見越してた!?
「ちなみに、大会って何人まで出れるんですか?」
すずが狙いすましたような可愛い顔で部長に訊いた。
「三人だよ。大将と副将、あと三将。いつもは年齢順なんだけど……」
「よぉし、じゃあぼくは三将を目指してがんばるぞー!」
「すずぅぅぅぅ!!」
結局オレは、大会に大将として出ることを了承したのだった。
「あの、オレ達生徒会活動の方が忙しいときはあまり囲碁部に顔出せないと思うんですけど……」
部長さんに確認すると、「ああ、勿論生徒会の方を優先していいよ。大会さえ出てくれれば……!」と念を押すように言われた。
これでオレが一回戦でボロ負けしたら目も当てられないから、部活に来れないときもなるべく自主的に訓練しようと思った。
「絶対に三将の座は譲らないからな、山田……!」
「じゃあぼくたちライバルですね、西田先輩~!」
まだルールも知らない初心者なのに、先輩相手に堂々とライバル宣言するすずのメンタルを見習いたい。
「正直俺は、俺より強くなった山田君にもっと強いこと言われたい」
「えっ? クソ雑魚より上の暴言!? 何があったかなぁ……」
北山先輩……。
「貴様はもう部活辞めろ北山ぁぁ!!」
「嫌だッ!! せっかく弱小囲碁部がアイドル囲碁部に生まれ変わったのに、誰が辞めるかよぉぉ!!」
「弱小に変わりはないんだよ!!」
「け、喧嘩はやめるんだ、二人とも! ここは仲良しだけが取り柄の部活だったじゃないかぁぁ……!」
「なかなか楽しそうな部で良かったね、のんちゃん!」
「うん」
カオス再び……。
そう思ったけど、オレはツッコミを放棄した。
とりあえず今は、いつごろあるのかわからない囲碁大会に向けてそれなりに頑張ることに決めたのだった。
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