好きです、朝比奈先パイ。~元引きこもりの美少年、陽キャヤンキー先輩に溺愛される~

すずなりたま

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 そのおかげで中学時代は朝比奈柊馬はおろか、普通の不良とも関わることなく平穏無事に過ごした。
 けれど彼の恐ろしい噂の数々は、卒業したあとも絶えず聞こえ続け、いつのまにか俺の中ではとんでもない朝比奈柊馬像ができていた……のだが。
 女遊びが激しすぎるという噂もあったので、まさか男子校であるトーガクに入学していたとは露ほども知らなかった。
 すずに彼をどう思うか尋ねてみたところ。

『え、朝比奈先輩? 普通にいい先輩だと思うよ、強くてかっこいいし! あとお金持ちなのかな? 気前がいいよね~! のんちゃんも危ないところを助けてもらったみたいでさ、みずから舎弟に志願したんだから! でもその結果執行部に推薦されて、舎弟どころか恋人になっちゃったけど……』

 すずものんさんも県外の中学出身なので、朝比奈柊馬の噂は入学するまで知らなかったらしい。
 そして噂を聞く前に本人に会ったというから、数々の恐ろしい武勇伝を聞いても全然ピンと来ないようだった。
 朝比奈柊馬は改心したのか?
 それか、噂が派手な尾ひれをつけて回っているだけで、本当はそんな怖い人物ではないのか?
 よくよく考えたら失礼な話だ。実際会ったこともないのに、 単なる噂で人間性を判断するなんて。
 俺は反省しなければいけない。

 そして放送室で会った本物の朝比奈柊馬――先輩は、身長が高くガタイも良く目つきも悪く、げに恐ろしげな風貌ではあったが、他の先輩にどつかれたり罵られたり、恋人であるのんさんにはメロメロなご様子で、本当にコレがあの・・朝比奈柊馬なのか? と目を疑った。
 百聞は一見にしかず。
 しかし、あれほどの噂も全てが嘘だったとは思えない。
 彼が改心したのは高校に入学してからかもしれない。
 とりあえず根も葉もない噂より、すずやのんさんを信じようと思った。

 生徒会の先輩もおさらいしておこう。
 生徒会長は橘恭平さん、3年生。
 とにかく並はずれた美形で、もはや顔面が発光している。まぶしい。
 物腰が柔らかく、王子様然としている優しい先輩だ。
 謎が多いが、とりあえず西園燕先輩が大好きなことだけは分かった。アピールがとにかく凄い、見習いたい。

 副会長は藤堂護さん、3年生。
 身長はおそらく生徒会の中で一番高く、メガネを掛けておりあまり表情が読めないが、発言が変態チックな変態さんだ。
 なんと理事長子息らしい。俺は奨学金を貰っている身なので、できるだけ丁寧に対応しようと思う。
 その場にはいなかったが、西園燕先輩の血縁であるヒバリという人のストーカーらしい。堂々としたストーカ―で、ある意味男らしいと思った。

 生徒会執行部部長は二小山正太郎さん、3年生。
 柔道部の副主将らしく、同じく柔道部所属(!)の朝比奈先輩がぺこぺこしていたのが異様な光景だった。
 いつもニコニコしていて、ものっっっすごく優しそうな先輩だが、あの朝比奈先輩を従えているなんて絶対に油断はできない。

 最後、書記は西園燕さん、2年生。
 たおやかな美人で、すごくまともそうな人だ。
 目元のほくろが色っぽくて、男子高校生なのになんとなく未亡人のような雰囲気をしている。
 交通事故の後遺症で片足の具合が悪いらしく、普段から杖を着いているのがそう見せるのかもしれない。
 しかし、その杖で朝比奈先輩をどついたり、普通に手で殴ったり暴言を浴びせたりしているのを見たときは、思わず目を疑った。
 人は見かけによらない。

 そんな個性あふれる先輩たちと、俺とすずとのんさんはこれから生徒会役員として活動を行っていく。
 自分が生徒会役員だなんて未だに信じられないが、やれるだけ頑張っていきたいと思う。
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