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84、清白の想い・希の気持ち
波乱の週末が過ぎ去り、月曜日。
のんちゃんに土曜の夜ナニが行われたのかくわしく聞きたかったけど、『最後まではしなかった』と言うばかりで……また最後までしてないの!? と逆に朝比奈先輩に感心した。
あのひとはよっぽどのんちゃんを大事にしたいらしい。
ていうか、大事にしている。
ヤりたい盛りの高校生だろうに──ぼくもだけど、何故かその両者には大きな隔たりがある──いいことだ。
昼休み、ちーちゃんがC組の教室に来た。
違うクラスだからか、いまだにサッと入ってくることはないけど、ぼくはすぐに彼の姿を見つけられる。
ぼくと目が合った瞬間に、ホッとした顔で見つめ返してくる目が好きだ。
人見知りが激しい彼にとって、自分は特別な存在なのだと思えるから。
一応白百合の女子に返事をしたのかと聞いてみたら、なんと今朝デートに誘われたらしい。
手紙だけでは飽きたらず、仕舞いにはデートの誘いだとぉ……!?
軽く殺意が湧いたけど、ちーちゃんが嬉しそうだったので何も言えなかった。
デートの日取りは、ぼくたちがデートをした翌週。
つまり、今週の土曜日。
女だってだけで簡単に告白して、あまつさえデートにまで誘ってくるなんて本気で腹が立つ。
ちーちゃんのこと、何も知らないくせに!
どうにか邪魔してやりたい。
できたらまた女装して、『あたしというものがありながら他の女とー!!』とか言って突撃したい。
きっと相手の女は絶望するだろう。
ちーちゃんによると、女装したぼくはその相手よりも可愛いらしいからだ。
ま、本当に突撃なんてできるわけないけど。
ぼくのほうが可愛いと言ってくれた言葉だけで、なんとか押し留めることができた。
なんて情けないんだ、自称強靭メンタルが聞いて呆れる。
そして、金曜日。
今日は地味に活動している生徒会も休みだけど、部活にも行かない。
のんちゃんが朝比奈先輩と放課後デートをするというので、ついでにぼくもサボることにしたのだ。
のんちゃんがいないと囲碁は分からないし、あの先輩達と自分だけで過ごすのは、なんとなく気がノらない。
失礼だとは思うけども。
帰り際、靴箱でのんちゃんが言った。
「明日さ……いいの? すず……ハルのこと」
「え、どうして?」
「だって……」
のんちゃんが、言葉を飲み込んだのが分かった。
もしかしてぼくの気持ちは、のんちゃんにバレているのだろうか。
いやまさか、そんなハズはない。
3人でいるのが楽しいから、ぼくはのんちゃんにだけはバレまいと気持ちをひた隠しにしてきたんだ。
多少特別に思っていることはバレてるのかもしれないが、まさか好きだなんて。
のんちゃんがそれ以上言葉を紡いでこないのは、確信が無いからだろう。
視線を泳がせて、必死で次の言葉を探している。
これ以上親友を困らせるのも嫌だから、ぼくは少しだけ正直に言った。
「ちーちゃんが女の子と付き合ったら、ちょっとさみしくなるよね。ますます3人でいられる時間が減っちゃうし」
「うん……。でもそれは、オレからは何も言えないかも……」
「あはは。朝比奈先輩がいるもんね! でも朝比奈先輩はぼくらが一緒でも特に何にも言わないからねぇ」
「確かに……」
さみしくなるのはほんとう。
否、ちーちゃんがその女と付き会ったら、さみしいどころの話じゃない。
ぼくはきっとしばらく立ち直れないだろう。
その時になったら、今この気持ちを伝えなかったことを、ぼくは後悔するんだろうか……。
のんちゃんに土曜の夜ナニが行われたのかくわしく聞きたかったけど、『最後まではしなかった』と言うばかりで……また最後までしてないの!? と逆に朝比奈先輩に感心した。
あのひとはよっぽどのんちゃんを大事にしたいらしい。
ていうか、大事にしている。
ヤりたい盛りの高校生だろうに──ぼくもだけど、何故かその両者には大きな隔たりがある──いいことだ。
昼休み、ちーちゃんがC組の教室に来た。
違うクラスだからか、いまだにサッと入ってくることはないけど、ぼくはすぐに彼の姿を見つけられる。
ぼくと目が合った瞬間に、ホッとした顔で見つめ返してくる目が好きだ。
人見知りが激しい彼にとって、自分は特別な存在なのだと思えるから。
一応白百合の女子に返事をしたのかと聞いてみたら、なんと今朝デートに誘われたらしい。
手紙だけでは飽きたらず、仕舞いにはデートの誘いだとぉ……!?
軽く殺意が湧いたけど、ちーちゃんが嬉しそうだったので何も言えなかった。
デートの日取りは、ぼくたちがデートをした翌週。
つまり、今週の土曜日。
女だってだけで簡単に告白して、あまつさえデートにまで誘ってくるなんて本気で腹が立つ。
ちーちゃんのこと、何も知らないくせに!
どうにか邪魔してやりたい。
できたらまた女装して、『あたしというものがありながら他の女とー!!』とか言って突撃したい。
きっと相手の女は絶望するだろう。
ちーちゃんによると、女装したぼくはその相手よりも可愛いらしいからだ。
ま、本当に突撃なんてできるわけないけど。
ぼくのほうが可愛いと言ってくれた言葉だけで、なんとか押し留めることができた。
なんて情けないんだ、自称強靭メンタルが聞いて呆れる。
そして、金曜日。
今日は地味に活動している生徒会も休みだけど、部活にも行かない。
のんちゃんが朝比奈先輩と放課後デートをするというので、ついでにぼくもサボることにしたのだ。
のんちゃんがいないと囲碁は分からないし、あの先輩達と自分だけで過ごすのは、なんとなく気がノらない。
失礼だとは思うけども。
帰り際、靴箱でのんちゃんが言った。
「明日さ……いいの? すず……ハルのこと」
「え、どうして?」
「だって……」
のんちゃんが、言葉を飲み込んだのが分かった。
もしかしてぼくの気持ちは、のんちゃんにバレているのだろうか。
いやまさか、そんなハズはない。
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多少特別に思っていることはバレてるのかもしれないが、まさか好きだなんて。
のんちゃんがそれ以上言葉を紡いでこないのは、確信が無いからだろう。
視線を泳がせて、必死で次の言葉を探している。
これ以上親友を困らせるのも嫌だから、ぼくは少しだけ正直に言った。
「ちーちゃんが女の子と付き合ったら、ちょっとさみしくなるよね。ますます3人でいられる時間が減っちゃうし」
「うん……。でもそれは、オレからは何も言えないかも……」
「あはは。朝比奈先輩がいるもんね! でも朝比奈先輩はぼくらが一緒でも特に何にも言わないからねぇ」
「確かに……」
さみしくなるのはほんとう。
否、ちーちゃんがその女と付き会ったら、さみしいどころの話じゃない。
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