23 / 163
第一章《旅立ち~試験》編
第二十三話 模擬戦二日目!!魔法!
しおりを挟む
「十七、十八、来い!!」
昨日と同じように大声で呼ばれ席を立つ。
「「頑張れ」」
二人とも笑顔で応援してくれる。キーアは相変わらず外で模擬戦を見物しているようだ。控えの間を出たり入ったりしてやがる。自由だな、おい。
同じように呼ばれて立ち上がった男。
う、うわぁぁ、嫌だ……。
めちゃくちゃガタイの良いいかつい男が出て来た……。男はギロリとこちらを一睨みしてからゆっくりと演習場へと向かう。
な、なんだよ……、そんな睨まなくても……。背後からはまた違う視線がグサグサ刺さるし……はぁぁあ……。
「魔法模擬戦は魔法のみで五分間!! それ以外を使った場合は失格! 昨日と同様に相手を殺した場合も失格! あまりに力の差がある場合の中断も昨日と同じだ! 以上だ、では位置に付け!」
昨日と同様に二十歩ほどの距離を開け対面して立つ。
「開始!!」
まずはこの男がなんの魔法を使うかだ!
男の様子を伺う。
男は合図と同時に魔力を掌に集め始めた。よし、ちゃんと魔力の動きを感じられる!
男は両腕を前に伸ばし掌をこちらに翳した。掌により一層の魔力が集まる。
これ、みんな無意識にやってんだよなぁ、なんでそんなこと出来るのに、みんな魔力を感じないんだろうな。
なんてことを考えていると男が掌から握り拳ほどの大きさの氷弾を打ち出した。
「うわっつ!!」
出て来る瞬間の掌の向きから身体を動かしそれを避ける。思わず変な声出しちゃったよ。
こいつは氷使いかー、今まで炎ばかりで訓練していたからなぁ、さて、どうする。
男は連続で氷弾を打って来る。それをなんとか躱すが、ひたすら躱すだけ。疲れるだけなんだよ!
「お前! 馬鹿にしてんのか!! 逃げてばかりじゃなく戦え!!」
「…………」
いや、馬鹿にしてません。逃げるしかないんだから仕方ないじゃん!!
俺だって戦えるもんなら戦いたいよ!! でも躱すしか能がないんだよ!!
あぁ、ヤグワル団長や試験官の視線が痛い……。なにやってんだ、こいつ、みたいな目。居たたまれない……。俺だって魔法使ってみたかったんだー!!
よっ! ほっ! そりゃ! と躱す躱す。自分でもなんかアホみたいだな、と苦笑する。
逃げてばかりも疲れるし息が上がる。そして相手の男はこれまた怒りが頂点に達しそうな顔……。
「いい加減にしろよ……」
男の怒りがー!!
次の一弾を躱したとき、足元が滑り思わず手を付き膝を付いてしまった。ヤバい!!
男はニヤッとし、すかさず次の氷弾を打つ。やべっ!
なんとか受け身を取り転がるようにそれを避ける。が、そのまま身体が滑る滑る。ん?
気付けば周りの足元は男の氷弾が撃ち込まれたせいで、氷の床と化していた。それで滑ったのか! まずいじゃん! 俺の周り氷だらけ! そら滑るわ!
魔法の氷は普通の氷よりも溶けにくい。しばらくは凍り付いたままだ。このままいくと足場がなくなってしまう。
なんとか足場を! とすでに疲れている身体を無理矢理動かし、男の周りを円を描くように走り回る。躱した氷弾はさらに氷を広げ、どんどんと足元を奪って行く。
このままいくとヤバいな。時間切れより前にやられてしまう。
「…………、よし」
ここは気張りますか!!
氷弾を躱し、一気に方向転換! 男に向かって全速力で駆け寄る!!
「!?」
男は急にこちらへ向かってくる俺に驚いた顔をし慌てて氷弾を再び打つ。
「うおっ!」
辛うじてそれを躱し、崩れた体勢のまま男の足元へ滑り込む!!
さらに驚いた男は足元の俺に向かって氷弾を撃ち込んだ!
しかしそれは想定済み!! 男の脚を掴み、それを起点にぐるんと方向転換し、滑り込んだ方向と真逆の方向へと立ち上がった。
男は自分の打った氷弾を足元に被弾し、一気に凍り付いた床と俺が脚にしがみつき起点にしたせいで、バランスを崩しひっくり返った。
「ぐはっ」
どうやら豪快にひっくり返り背中を強打したようだ。ご、ごめん……。男はうめき声を上げたのち、ゆらりと立ち上がった。
「な、舐めたマネしやがって……ゆ、許さねー!!」
男が怒り心頭で怒声を上げた。
「そこまで!!」
うっはー! また相手を怒らせただけで終わっちゃったよ!! おぉぉう、どうしよ、これ。
「ふざけんなー!! あんなの勝負じゃねー!! あいつはなんにもしてないだろうが!! ただ逃げてただけじゃねーか!! こんなので模擬戦て言えるのかよ!!」
ご、ごもっともです……。
「まあな、十八番、お前なんで魔法を使わなかった?」
ヤグワル団長は俺に向かって聞いた。やっぱり見逃してはもらえないか……。
昨日と同じように大声で呼ばれ席を立つ。
「「頑張れ」」
二人とも笑顔で応援してくれる。キーアは相変わらず外で模擬戦を見物しているようだ。控えの間を出たり入ったりしてやがる。自由だな、おい。
同じように呼ばれて立ち上がった男。
う、うわぁぁ、嫌だ……。
めちゃくちゃガタイの良いいかつい男が出て来た……。男はギロリとこちらを一睨みしてからゆっくりと演習場へと向かう。
な、なんだよ……、そんな睨まなくても……。背後からはまた違う視線がグサグサ刺さるし……はぁぁあ……。
「魔法模擬戦は魔法のみで五分間!! それ以外を使った場合は失格! 昨日と同様に相手を殺した場合も失格! あまりに力の差がある場合の中断も昨日と同じだ! 以上だ、では位置に付け!」
昨日と同様に二十歩ほどの距離を開け対面して立つ。
「開始!!」
まずはこの男がなんの魔法を使うかだ!
男の様子を伺う。
男は合図と同時に魔力を掌に集め始めた。よし、ちゃんと魔力の動きを感じられる!
男は両腕を前に伸ばし掌をこちらに翳した。掌により一層の魔力が集まる。
これ、みんな無意識にやってんだよなぁ、なんでそんなこと出来るのに、みんな魔力を感じないんだろうな。
なんてことを考えていると男が掌から握り拳ほどの大きさの氷弾を打ち出した。
「うわっつ!!」
出て来る瞬間の掌の向きから身体を動かしそれを避ける。思わず変な声出しちゃったよ。
こいつは氷使いかー、今まで炎ばかりで訓練していたからなぁ、さて、どうする。
男は連続で氷弾を打って来る。それをなんとか躱すが、ひたすら躱すだけ。疲れるだけなんだよ!
「お前! 馬鹿にしてんのか!! 逃げてばかりじゃなく戦え!!」
「…………」
いや、馬鹿にしてません。逃げるしかないんだから仕方ないじゃん!!
俺だって戦えるもんなら戦いたいよ!! でも躱すしか能がないんだよ!!
あぁ、ヤグワル団長や試験官の視線が痛い……。なにやってんだ、こいつ、みたいな目。居たたまれない……。俺だって魔法使ってみたかったんだー!!
よっ! ほっ! そりゃ! と躱す躱す。自分でもなんかアホみたいだな、と苦笑する。
逃げてばかりも疲れるし息が上がる。そして相手の男はこれまた怒りが頂点に達しそうな顔……。
「いい加減にしろよ……」
男の怒りがー!!
次の一弾を躱したとき、足元が滑り思わず手を付き膝を付いてしまった。ヤバい!!
男はニヤッとし、すかさず次の氷弾を打つ。やべっ!
なんとか受け身を取り転がるようにそれを避ける。が、そのまま身体が滑る滑る。ん?
気付けば周りの足元は男の氷弾が撃ち込まれたせいで、氷の床と化していた。それで滑ったのか! まずいじゃん! 俺の周り氷だらけ! そら滑るわ!
魔法の氷は普通の氷よりも溶けにくい。しばらくは凍り付いたままだ。このままいくと足場がなくなってしまう。
なんとか足場を! とすでに疲れている身体を無理矢理動かし、男の周りを円を描くように走り回る。躱した氷弾はさらに氷を広げ、どんどんと足元を奪って行く。
このままいくとヤバいな。時間切れより前にやられてしまう。
「…………、よし」
ここは気張りますか!!
氷弾を躱し、一気に方向転換! 男に向かって全速力で駆け寄る!!
「!?」
男は急にこちらへ向かってくる俺に驚いた顔をし慌てて氷弾を再び打つ。
「うおっ!」
辛うじてそれを躱し、崩れた体勢のまま男の足元へ滑り込む!!
さらに驚いた男は足元の俺に向かって氷弾を撃ち込んだ!
しかしそれは想定済み!! 男の脚を掴み、それを起点にぐるんと方向転換し、滑り込んだ方向と真逆の方向へと立ち上がった。
男は自分の打った氷弾を足元に被弾し、一気に凍り付いた床と俺が脚にしがみつき起点にしたせいで、バランスを崩しひっくり返った。
「ぐはっ」
どうやら豪快にひっくり返り背中を強打したようだ。ご、ごめん……。男はうめき声を上げたのち、ゆらりと立ち上がった。
「な、舐めたマネしやがって……ゆ、許さねー!!」
男が怒り心頭で怒声を上げた。
「そこまで!!」
うっはー! また相手を怒らせただけで終わっちゃったよ!! おぉぉう、どうしよ、これ。
「ふざけんなー!! あんなの勝負じゃねー!! あいつはなんにもしてないだろうが!! ただ逃げてただけじゃねーか!! こんなので模擬戦て言えるのかよ!!」
ご、ごもっともです……。
「まあな、十八番、お前なんで魔法を使わなかった?」
ヤグワル団長は俺に向かって聞いた。やっぱり見逃してはもらえないか……。
20
あなたにおすすめの小説
【完結】無能と婚約破棄された令嬢、辺境で最強魔導士として覚醒しました
東野あさひ
ファンタジー
無能の烙印、婚約破棄、そして辺境追放――。でもそれ、全部“勘違い”でした。
王国随一の名門貴族令嬢ノクティア・エルヴァーンは、魔力がないと断定され、婚約を破棄されて辺境へと追放された。
だが、誰も知らなかった――彼女が「古代魔術」の適性を持つ唯一の魔導士であることを。
行き着いた先は魔物の脅威に晒されるグランツ砦。
冷徹な司令官カイラスとの出会いをきっかけに、彼女の眠っていた力が次第に目を覚まし始める。
無能令嬢と嘲笑された少女が、辺境で覚醒し、最強へと駆け上がる――!
王都の者たちよ、見ていなさい。今度は私が、あなたたちを見下ろす番です。
これは、“追放令嬢”が辺境から世界を変える、痛快ざまぁ×覚醒ファンタジー。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
精霊に愛される(呪いにもにた愛)少女~全属性の加護を貰う~
如月花恋
ファンタジー
今この世界にはたくさんの精霊がいる
その精霊達から生まれた瞬間に加護を貰う
稀に2つ以上の属性の2体の精霊から加護を貰うことがある
まぁ大体は親の属性を受け継ぐのだが…
だが…全属性の加護を貰うなど不可能とされてきた…
そんな時に生まれたシャルロッテ
全属性の加護を持つ少女
いったいこれからどうなるのか…
【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます
なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。
過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。
魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。
そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。
これはシナリオなのかバグなのか?
その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。
【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます
時岡継美
ファンタジー
初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。
侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。
しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?
他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。
誤字脱字報告ありがとうございます!
迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜
青空ばらみ
ファンタジー
一歳で両親を亡くし母方の伯父マークがいる辺境伯領に連れて来られたパール。 伯父と一緒に暮らすお許しを辺境伯様に乞うため訪れていた辺境伯邸で、たまたま出くわした侯爵令嬢の無知な善意により 六歳で見習い冒険者になることが決定してしまった! 運良く? 『前世の記憶』を思い出し『スマッホ』のチェリーちゃんにも協力してもらいながら 立派な冒険者になるために 前世使えなかった魔法も喜んで覚え、なんだか百年に一人現れるかどうかの伝説の国に迷いこんだ『迷い人』にもなってしまって、その恩恵を受けようとする『当たり人』と呼ばれる人たちに貢がれたり…… ぜんぜん理想の田舎でまったりスローライフは送れないけど、しょうがないから伝説の国の魔道具を駆使して 気ままに快適冒険者を目指しながら 周りのみんなを無自覚でハッピーライフに巻き込んで? 楽しく生きていこうかな! ゆる〜いスローペースのご都合ファンタジーです。
小説家になろう様でも投稿をしております。
転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー
芍薬甘草湯
ファンタジー
水道局職員が異世界に転生、水神様の加護を受けて活躍する異世界転生テンプレ的なストーリーです。
42歳のパッとしない水道局職員が死亡したのち水神様から加護を約束される。
下級貴族の三男ネロ=ヴァッサーに転生し12歳の祝福の儀で水神様に再会する。
約束通り祝福をもらったが使えるのは水属性魔法のみ。
それでもネロは水魔法を工夫しながら活躍していく。
一話当たりは短いです。
通勤通学の合間などにどうぞ。
あまり深く考えずに、気楽に読んでいただければ幸いです。
完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる