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√マリーヤ act.2
⑦ 元カレと深夜飲みデート?
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「さぁマリーヤ、フランポフルトはすぐそこだ。行こう」
「う、うん」
とはいっても。
汽車には乗れてフランポフルトには辿り着けるけど、もう夜で宿泊費も持ってないのにどうすれば……。
「駅でホームレスするしかないピコ」
「こんなうら若き乙女が、全年齢対象ゲームでそれはダメでしょ」
「それならピータンに泣きついて……」
えっ。えっ? ……でもピータンとはもう恋人でもなんでもないんだから……。
「フランポフルトは比べたらやっぱり都会だな」
着いちゃったけど……これからホームレス……。
「あ、ピータン。このチケット……。今日まるごと巻き込んでしまったから、このチケット2枚組はあなたが持って行って」
ピータンは受け取った。
「誰かいい人と、お出かけに使ったら?」
「……」
私は元カノだもんね。
「じゃあ早速使おう」
「ん?」
「これ」
彼はチケットをひらひらして見せた。
「かんぱ~~い!! おっつかれさ~~ん!」
ここは町の酒場よ~~。ぷはぁ――っ!!
「うぃ~~! じゃんじゃんもってきてぇぇ!」
「マリーヤ、もう酔っぱらってしまったのかい?」
「まだまだぁいけまぁっす!!」
宴もたけなわ。
「だってだって…えぐえぐえぐ、わたしぃおじいさんみたいなぁ、無償の愛をぉぉえぐっえぐっ求めてるだけなのにぃ~~」
「ああぁ泣き上戸ほんとめんどくさいピコぉ……」
「まぁ君はおじいさんが恋人だったんだから仕方ないな」
「気色悪いこと言わないでくださぁぁい!」
「ピータン絡まれて気の毒ピコぉ……」
はぁ、ちょっと酔いも醒めてきたかなぁ。自分的には。
「ピータンは、結局≪心の旅≫はどうなったのぉ~~? まさかこのフランポフルトへの旅が、出会いを求めて~~とか?」
「いや、そういうわけじゃ。あれから特に縁もないし」
あらっ。まだ相手いないんだぁ~~? だったらさぁ……。
「もう、私でいいじゃないの……」
酔いに任せて告白してみた――っ。あれ、告白ってこんな感じでいいの? こんな捨て鉢な感じ……。
「……君なら、無償の愛を捧げたいという男がこれからでも現れるだろう」
……そんな体よく振らないでよぅ……。
「なんで私じゃダメなの? 私、こんなに可愛いでしょ?? 男子たちみんな私と付き合いたいって言ってくるし」
ああもう何言ってんだろっえぐえぐえぐ。ほんともう泣けてくるぅぅう。
「俺は、他の誰からも付き合いたいって思われてなくても、俺からしたらどうにもほっておけない可愛らしい人と一緒になりたいんだ」
「それはいつどこで出会えるって言うのよぉぉ。結局、出会った中で選ぶしかないでしょうよ!」
「いつ出会えるか分からないってことは、明日出会えるかもしれないってことだ。君も今は知らない誰かと、3ヶ月後には結ばれているかもしれないよ」
「なによそのロマンチシズムなポジティブシンキングわぁぁ」
「ロマンチついでに言うと、そういう相手は一目見ただけで分かるのさ、きっと。雷に打たれるからね」
なによそれぇ……あぁもぅ眠……zzz
「ピータン、上着かけてくれたピコ~~。借りて帰ったらボクがちゃんと返すように言わなきゃ~~」
はっ。今何時??
「あれ? ピータンはどこ??」
いなくなっちゃってる。バーテンに聞いてみよう。
「ああ、隣にいたお客サンは30分ほど前に、家族らしき女性が迎えに来て帰ったよ」
「家族??」
「ああ、その人に耳引っ張られて行ってしまった」
それどこの商店の肝っ玉母ちゃんですか~~?
「もう夜中の2時だ。隣のモーテルで泊まりなよ」
「でもお金ない……」
「そのお連れサンが、ポケットのお金を慌てて掴んでテーブルに置いてったような」
あっ、ほんとだ! ありがとうピータン~~! 振った女にも優しいのね。優しくしないでよ忘れられないじゃない。
「でも実際、宿泊代なかったら困るピコ」
じゃあとりあえずモーテルに泊まろう。
「ん? お客サン、上着落としてるよ――。ってあれ、もう行っちゃったか」
そして朝。
「フランポフルトに来たんだから、すぐにでも住み込みの職を探して、こうなったら職業婦人を極めるわ!」
「これだけの美少女なのにシングルを貫くつもりピコ~~?」
「だってピータン以上の男に出会えると思う?」
「もうピータン大好きになっちゃったピコね。優しい男は他にもいると思うけどなぁ~~」
「とにかく、早速職探しに行きたいところだけど、やっぱりそれはマリーヤに任せよっかな」
「任せていいピコ?」
「おじいさんに関連しなければ、マリーヤは判断力とか行動力とか、私よりしっかりしてるから。こういうことはオートマリーヤでOK。私もさすがに恋シミュゲーで就職活動っていうのはねぇ……」
「就活が必要になってしまったのは、のりえのプレイの結果だピコ」
「マリーヤが全財産使っちゃったからでしょ!」
「だからその辺の男と早いとこ結婚しちゃえば良かったピコ~~」
「その辺の男って! 妥協するくらいなら独身のがマシ!」
「10代だからそんなことが言ってられるピコ!」
「さぁ早く歯車貸して」
「のりえ、歯車あと3個だピコ。最初に言ったように、最後の1個は保険だから、エリザベースもマリーヤもあと1回でハッピーエンディングする気合で臨むピコ」
どっちもあと1回でどうにかなる気がしませんが~~。
「じゃあ、片方だけでもハッピーエンディング迎えるピコよ。そっちに転生すればいいんだから」
何回やってもダメなんじゃないかなぁ……。
「ネガティブピコね~~」
「う、うん」
とはいっても。
汽車には乗れてフランポフルトには辿り着けるけど、もう夜で宿泊費も持ってないのにどうすれば……。
「駅でホームレスするしかないピコ」
「こんなうら若き乙女が、全年齢対象ゲームでそれはダメでしょ」
「それならピータンに泣きついて……」
えっ。えっ? ……でもピータンとはもう恋人でもなんでもないんだから……。
「フランポフルトは比べたらやっぱり都会だな」
着いちゃったけど……これからホームレス……。
「あ、ピータン。このチケット……。今日まるごと巻き込んでしまったから、このチケット2枚組はあなたが持って行って」
ピータンは受け取った。
「誰かいい人と、お出かけに使ったら?」
「……」
私は元カノだもんね。
「じゃあ早速使おう」
「ん?」
「これ」
彼はチケットをひらひらして見せた。
「かんぱ~~い!! おっつかれさ~~ん!」
ここは町の酒場よ~~。ぷはぁ――っ!!
「うぃ~~! じゃんじゃんもってきてぇぇ!」
「マリーヤ、もう酔っぱらってしまったのかい?」
「まだまだぁいけまぁっす!!」
宴もたけなわ。
「だってだって…えぐえぐえぐ、わたしぃおじいさんみたいなぁ、無償の愛をぉぉえぐっえぐっ求めてるだけなのにぃ~~」
「ああぁ泣き上戸ほんとめんどくさいピコぉ……」
「まぁ君はおじいさんが恋人だったんだから仕方ないな」
「気色悪いこと言わないでくださぁぁい!」
「ピータン絡まれて気の毒ピコぉ……」
はぁ、ちょっと酔いも醒めてきたかなぁ。自分的には。
「ピータンは、結局≪心の旅≫はどうなったのぉ~~? まさかこのフランポフルトへの旅が、出会いを求めて~~とか?」
「いや、そういうわけじゃ。あれから特に縁もないし」
あらっ。まだ相手いないんだぁ~~? だったらさぁ……。
「もう、私でいいじゃないの……」
酔いに任せて告白してみた――っ。あれ、告白ってこんな感じでいいの? こんな捨て鉢な感じ……。
「……君なら、無償の愛を捧げたいという男がこれからでも現れるだろう」
……そんな体よく振らないでよぅ……。
「なんで私じゃダメなの? 私、こんなに可愛いでしょ?? 男子たちみんな私と付き合いたいって言ってくるし」
ああもう何言ってんだろっえぐえぐえぐ。ほんともう泣けてくるぅぅう。
「俺は、他の誰からも付き合いたいって思われてなくても、俺からしたらどうにもほっておけない可愛らしい人と一緒になりたいんだ」
「それはいつどこで出会えるって言うのよぉぉ。結局、出会った中で選ぶしかないでしょうよ!」
「いつ出会えるか分からないってことは、明日出会えるかもしれないってことだ。君も今は知らない誰かと、3ヶ月後には結ばれているかもしれないよ」
「なによそのロマンチシズムなポジティブシンキングわぁぁ」
「ロマンチついでに言うと、そういう相手は一目見ただけで分かるのさ、きっと。雷に打たれるからね」
なによそれぇ……あぁもぅ眠……zzz
「ピータン、上着かけてくれたピコ~~。借りて帰ったらボクがちゃんと返すように言わなきゃ~~」
はっ。今何時??
「あれ? ピータンはどこ??」
いなくなっちゃってる。バーテンに聞いてみよう。
「ああ、隣にいたお客サンは30分ほど前に、家族らしき女性が迎えに来て帰ったよ」
「家族??」
「ああ、その人に耳引っ張られて行ってしまった」
それどこの商店の肝っ玉母ちゃんですか~~?
「もう夜中の2時だ。隣のモーテルで泊まりなよ」
「でもお金ない……」
「そのお連れサンが、ポケットのお金を慌てて掴んでテーブルに置いてったような」
あっ、ほんとだ! ありがとうピータン~~! 振った女にも優しいのね。優しくしないでよ忘れられないじゃない。
「でも実際、宿泊代なかったら困るピコ」
じゃあとりあえずモーテルに泊まろう。
「ん? お客サン、上着落としてるよ――。ってあれ、もう行っちゃったか」
そして朝。
「フランポフルトに来たんだから、すぐにでも住み込みの職を探して、こうなったら職業婦人を極めるわ!」
「これだけの美少女なのにシングルを貫くつもりピコ~~?」
「だってピータン以上の男に出会えると思う?」
「もうピータン大好きになっちゃったピコね。優しい男は他にもいると思うけどなぁ~~」
「とにかく、早速職探しに行きたいところだけど、やっぱりそれはマリーヤに任せよっかな」
「任せていいピコ?」
「おじいさんに関連しなければ、マリーヤは判断力とか行動力とか、私よりしっかりしてるから。こういうことはオートマリーヤでOK。私もさすがに恋シミュゲーで就職活動っていうのはねぇ……」
「就活が必要になってしまったのは、のりえのプレイの結果だピコ」
「マリーヤが全財産使っちゃったからでしょ!」
「だからその辺の男と早いとこ結婚しちゃえば良かったピコ~~」
「その辺の男って! 妥協するくらいなら独身のがマシ!」
「10代だからそんなことが言ってられるピコ!」
「さぁ早く歯車貸して」
「のりえ、歯車あと3個だピコ。最初に言ったように、最後の1個は保険だから、エリザベースもマリーヤもあと1回でハッピーエンディングする気合で臨むピコ」
どっちもあと1回でどうにかなる気がしませんが~~。
「じゃあ、片方だけでもハッピーエンディング迎えるピコよ。そっちに転生すればいいんだから」
何回やってもダメなんじゃないかなぁ……。
「ネガティブピコね~~」
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