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EX章1:学園編
第14話:学園祭準備
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「いやあ、なかなかためになる話でしたよ」
「そうか、それは良かった」
王都ジャストール邸に、ジェファーを伴って帰る。
ためになる話って、今日は説教コースだったはずだけどな。
まあ、話を聞き流しながら、馬車で真っすぐと家に向かう。
このあと、クラスの友達がうちに来るからね。
急いで準備をしないと。
なんの準備かって?
学園祭の出し物の準備だね。
あと、一週間でどこまで出来るか分からないし。
ちなみに、個人的に教室で小さくやるつもりだったのに、なぜか講堂の舞台を借りることになっていた。
キーファが先週の時点で申請していたらしい……俺の名前で。
そのくせに、ギリギリまで黙っているとか。
性格悪すぎないか?
「さて、謁見の準備「謁見じゃないからね? 普通に、遊びに来るだけだからね」」
「なんと、気安い「うちに間借りしている、君の言えたことでもないけど」」
「私は従者として「言うことは、聞いてくれないことが多いけど」」
全部しゃべらせると面倒くさいから、とりあえず全部潰しておく。
余計なことをしてもらっても困るから、とりあえず自分の部屋の片づけでもさせるか。
「物が無いので、汚れないですよ」
「……ちゃんと、給金もらってるよね?」
「主に何かあったときのために、蓄えております」
「あまり良い事じゃないし、そうなったら国に帰ればいいだけじゃないか?」
「いえ、主を養うためにですよ」
「いや、じゃあ俺も一緒に連れて行けばすむ話だし、そもそも個人の収入だけでもへたな領地の税収を越えてるんだけど?」
何を想定しているのか分からないけど、貯蓄は大事だからね。
そこは、肯定しておこう。
「でも、まあ万が一に備えるのは悪い事じゃないよ」
「はは、ルーク様に関しては万が一などありえませんけどね」
だったら、さっきの俺に何かあったらって話はなんだったのかと。
まあ、仕方ない。
こいつは、こういうやつなんだと諦めておこう。
それから、あれやこれやと準備して皆を迎え入れる。
一番乗りは、当然キーファだった……手土産を持ってきたことだけは評価しよう。
もう一つのお土産と合わせて、プラマイ0だけど。
「来ちゃいました」
「あっ、うん入って」
そう、もう一つのお土産とはジェニファだ。
いや、別にいんだけど。
クラスの出し物というか、一年生の仲間内の学園祭の出し物の相談だったんだけど。
あれだ……特別顧問兼相談役ってことで。
ジェファードとジェニファを一緒にして、話が進むのかという問題もあるけれどね。
フォルスがさっさと二人を案内している。
ジェニファには敬意を払っているのに、キーファに関してはそこはかとなく手抜き間を感じるのは気のせいだろうか?
俺のせいかな?
「家を出たら、何故かジェニファ嬢に捕まってしまって……つま先と視線の向き、それから表情からルークの家に向かうのでしょう? と言われて」
「えっ? なにそれ? 怖い」
「しかも、使用人の持ってる荷物を見て、『クラスメイトと集まるのですね? 学園祭に向けての打ち合わせでしょう?』と聞かれて……もうね。ごめんね」
「そこまで分かってて、着いて来た彼女も凄いけど……まあ、来たものは仕方ない。せっかくだから、先輩として相談に乗ってもらおう」
それから、ジャスパーがクリスタとエルサを連れて来てくれた。まあ、いつものメンバーか。
奥に向かうと、すでにジェファードが俺の座る予定の椅子の後ろに立っているし。
横には、ジェニファが座っているし。
もう、好きにしてもらおう。
「仮に今から楽器を用意したとして、練習する時間が全然無いのですが」
「そこはあれ、コツさえ掴めば」
ちなみに、楽器は一通り触れるから教えることは出来る。
問題は、作り方が分からないだけ。
ここにもピアノや、弦楽器はあるから問題ないか。
女性陣は触れたこともあるみたいだし。
ドラムセットは、ハイハット以外は簡単に作れるしね。
ハイハットは是非とも欲しいから、職人さんにお願いするとして……
最初は簡単にシンバルはハイハットと左のクラッシュとライドシンバル、太鼓はスネアとフロアタムくらいでいいかな?
ハイハットは、ペダル機構無しでシンプルになるけど。
次に楽曲だけど、俺が作曲したことにするのは拙いし……だから、これはフォルスが適当な音楽家をスカウトしてもらおう。
明日までに……無茶かな?
お抱えの音楽家なんていないし。
いや……ジャストール領に戻れば、馴染みの人はいるけど……うん、その人が作ったことにしよう。
前後が入れ替わるけど、その間にジャストールに主旋律の楽譜だけ届けて編曲してもらってから、その人の名前で改めて発表してもらうかな?
嫌がるかな……いや、大丈夫……協力者の名前に、ちゃんと主旋律を考えた人の名前を載せれば。
全ての手柄を独り占めさせなければ、渋々でも承知してくれるはず。
そこも含めて、人助けとしてお願いすれば。
内容的にも、ゴーストライターとは違うしね。
だって、メロディ以外は作曲してもらうわけだし。
とりあえず、話合いを始めよう。
「そうか、それは良かった」
王都ジャストール邸に、ジェファーを伴って帰る。
ためになる話って、今日は説教コースだったはずだけどな。
まあ、話を聞き流しながら、馬車で真っすぐと家に向かう。
このあと、クラスの友達がうちに来るからね。
急いで準備をしないと。
なんの準備かって?
学園祭の出し物の準備だね。
あと、一週間でどこまで出来るか分からないし。
ちなみに、個人的に教室で小さくやるつもりだったのに、なぜか講堂の舞台を借りることになっていた。
キーファが先週の時点で申請していたらしい……俺の名前で。
そのくせに、ギリギリまで黙っているとか。
性格悪すぎないか?
「さて、謁見の準備「謁見じゃないからね? 普通に、遊びに来るだけだからね」」
「なんと、気安い「うちに間借りしている、君の言えたことでもないけど」」
「私は従者として「言うことは、聞いてくれないことが多いけど」」
全部しゃべらせると面倒くさいから、とりあえず全部潰しておく。
余計なことをしてもらっても困るから、とりあえず自分の部屋の片づけでもさせるか。
「物が無いので、汚れないですよ」
「……ちゃんと、給金もらってるよね?」
「主に何かあったときのために、蓄えております」
「あまり良い事じゃないし、そうなったら国に帰ればいいだけじゃないか?」
「いえ、主を養うためにですよ」
「いや、じゃあ俺も一緒に連れて行けばすむ話だし、そもそも個人の収入だけでもへたな領地の税収を越えてるんだけど?」
何を想定しているのか分からないけど、貯蓄は大事だからね。
そこは、肯定しておこう。
「でも、まあ万が一に備えるのは悪い事じゃないよ」
「はは、ルーク様に関しては万が一などありえませんけどね」
だったら、さっきの俺に何かあったらって話はなんだったのかと。
まあ、仕方ない。
こいつは、こういうやつなんだと諦めておこう。
それから、あれやこれやと準備して皆を迎え入れる。
一番乗りは、当然キーファだった……手土産を持ってきたことだけは評価しよう。
もう一つのお土産と合わせて、プラマイ0だけど。
「来ちゃいました」
「あっ、うん入って」
そう、もう一つのお土産とはジェニファだ。
いや、別にいんだけど。
クラスの出し物というか、一年生の仲間内の学園祭の出し物の相談だったんだけど。
あれだ……特別顧問兼相談役ってことで。
ジェファードとジェニファを一緒にして、話が進むのかという問題もあるけれどね。
フォルスがさっさと二人を案内している。
ジェニファには敬意を払っているのに、キーファに関してはそこはかとなく手抜き間を感じるのは気のせいだろうか?
俺のせいかな?
「家を出たら、何故かジェニファ嬢に捕まってしまって……つま先と視線の向き、それから表情からルークの家に向かうのでしょう? と言われて」
「えっ? なにそれ? 怖い」
「しかも、使用人の持ってる荷物を見て、『クラスメイトと集まるのですね? 学園祭に向けての打ち合わせでしょう?』と聞かれて……もうね。ごめんね」
「そこまで分かってて、着いて来た彼女も凄いけど……まあ、来たものは仕方ない。せっかくだから、先輩として相談に乗ってもらおう」
それから、ジャスパーがクリスタとエルサを連れて来てくれた。まあ、いつものメンバーか。
奥に向かうと、すでにジェファードが俺の座る予定の椅子の後ろに立っているし。
横には、ジェニファが座っているし。
もう、好きにしてもらおう。
「仮に今から楽器を用意したとして、練習する時間が全然無いのですが」
「そこはあれ、コツさえ掴めば」
ちなみに、楽器は一通り触れるから教えることは出来る。
問題は、作り方が分からないだけ。
ここにもピアノや、弦楽器はあるから問題ないか。
女性陣は触れたこともあるみたいだし。
ドラムセットは、ハイハット以外は簡単に作れるしね。
ハイハットは是非とも欲しいから、職人さんにお願いするとして……
最初は簡単にシンバルはハイハットと左のクラッシュとライドシンバル、太鼓はスネアとフロアタムくらいでいいかな?
ハイハットは、ペダル機構無しでシンプルになるけど。
次に楽曲だけど、俺が作曲したことにするのは拙いし……だから、これはフォルスが適当な音楽家をスカウトしてもらおう。
明日までに……無茶かな?
お抱えの音楽家なんていないし。
いや……ジャストール領に戻れば、馴染みの人はいるけど……うん、その人が作ったことにしよう。
前後が入れ替わるけど、その間にジャストールに主旋律の楽譜だけ届けて編曲してもらってから、その人の名前で改めて発表してもらうかな?
嫌がるかな……いや、大丈夫……協力者の名前に、ちゃんと主旋律を考えた人の名前を載せれば。
全ての手柄を独り占めさせなければ、渋々でも承知してくれるはず。
そこも含めて、人助けとしてお願いすれば。
内容的にも、ゴーストライターとは違うしね。
だって、メロディ以外は作曲してもらうわけだし。
とりあえず、話合いを始めよう。
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また気軽にお気付きの点は、伝えてもらえるとありがたいです。
EX後日談助かる。ありがとうございます┏○ペコ
ここまでお読みいただき、ありがとうございます!
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