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第三章:王都学園編~初年度後期~
第37話:成績発表
「エルザ様! 私やりましたわ!」
「ちょっと、声が大きいですよ。やってない方もいらっしゃるのですから」
「凄いねー! おめでとう!」
廊下に貼りだされた成績表を見るために、カーラと教室を出たが。
彼女はずっとハイテンションだ。
一緒に付いてきているクラスメイトの子が、たしなめているけど。
その気持ちは分からなくもないから、素直に祝福を送る。
ずっと、成績表を見直してして「無い! 無いですわ!」って喜んでたからね。
長期休暇中の招集状。
いわゆる、落第の赤紙が……別に、赤い紙じゃないけど。
とはいえ、クラスに落第した子はいたけどね。
成績表を開いて天を仰いだあと、再度ゆっくりと紙に視線を下ろし……そのまま、そっとおりたたんで、机の引き出しに入れた子たちが。
ただ、思ったよりは少なかった。
身分至上主義派閥の子たちの中にも。
ちにみに、補習確定の身分至上主義派の子は、絶望した表情だったな。
なんらかしらの指令、もしくはお叱りがあったのだろう。
その結果、口から死霊を吐いてた子もいたけど。
怨嗟の籠った声を呟くエクトプラズムとか、もはや死霊だもんね。
廊下に貼りだされた成績上位者の一覧を見る。
おお、クリントやったじゃん!
見事に、7位だ。
そして、私とレイチェルは安定の満点同率1位。
3位にフィフス君。
なんと、テレサが5位に食い込んでいた。
「皆さんと勉強したことは、全て覚えてましたから」
そういえば、普通に記憶力お化けだった。
だから、勉強のポイントさえ分かれば、当然こうなるわけか。
「おめでとう、テレサ!」
「あまり良い点数だと男性が尻込みして、お嫁にいけなくなりますよ」
そして、フローラが負け惜しみを言ってる。
かくいう彼女も、今回は補習無しらしい。
表情は明るい。
ただ、その発言はやめろ。
その口撃は、レイチェルにも効く。
「オルガ様も10位ですか……凄いです。羨ましいですわ」
カーラが心底羨ましそうにしてるけど、悪い気はしてない様子だ。
純粋に憧れているというか、目標にしてる感じかな?
随分と、初対面と印象が変わっ……いや、もとから目的のためには、突き進む真っすぐなところはあったっけ?
私に、果敢にアタックするくらいに。
方向性さえ間違わなければ、良い子になれる典型例だね。
全力で頭を撫でまわして頬ずりして、褒めてあげたい気分だよ。
ちなみにレイチェルもやや遅れて来て、貼りだしている紙をチラッと見て鼻で笑っていた。
どうやら、今回も満点を取るだけの算段はあったんだろうね。
凄いよ満点、本当にスペック高い。
「ちっ、またあいつが1位か」
「白豚のくせに」
ああん?
レイチェルに声を掛けようとしたら、そんな会話が聞こえてきた。
それは、私のことかな?
それとも、まさか私の可愛いレイチェルのことを言ってんじゃないよね?
レイチェルは詰まらなさそうにしてるけど、聞こえてるよね。
あっ、オルガが扇子をパシリと閉じた。
臨戦態勢かな?
カーラは……睨むだけか。
なんだかんだで、レイチェルをちゃんと友達だと思ってくれてるみたいだ。
テレサとフローラが指を鳴らしているのが物騒だ。
「そうなんだよなぁ……白豚なんだよなぁ……」
ちょっ、しみじみと言うな!
余計に、性質が悪いわ!
しかし……続きは気になる。
皆に、まだ行かないように手で合図を……皆も、気になってるみたい。
すでに待ての姿勢だった。
レイチェル以外。
「なんだ? どうかしたのか?」
「ああ……最近、エルザ様の言ってることが分かってきたというか……」
「んん?」
んん?
おっと、もう一人の子と私もシンクロしてしまったようだ。
「誰にも言うなよ!」
「なんだよ、早く言えよ!」
「だから、誰にも言わないっていうなら、言うけどさ」
「分かった分かった」
なんだ?
この展開。
「あの白豚が食事をしてる姿を見て……」
おっと、一緒にいる男の子もだけど、私たちの周りからも唾を飲み込む音が聞こえた。
「可愛いと思うことが多々あって……俺、頭どうかしたのかな?」
いやいや、頭が正常になったんだよ!
それは、正しい評価だと思うよ!
カミングアウトされた側も、フリーズしてるし。
私の周りもフリーズしてるし。
「まあ! まあまあまあ!」
あれ? 王妃殿下いる?
違った、オルガだ。
オルガが扇子を開き直したけど、その後ろに隠された表情も思いっきり花開いてる。
確かにオルガは情報収集が得意なだけあって、こういったゴシップは好きそうだもんね。
「あの、口いっぱいの食べ物をほおばってる姿もだし、モキュモキュと食べてる姿も、飲み込んだ後の満面の笑みも……目が離せないっていうか。最後の一口を食べるときの、切なそうな儚い表情も胸に刺さるというか……で、エルザ様が自分のおかずを分けてあげた時の、最高の笑顔! 曇天の雲を切り裂くように太陽が現れたかのようなギャップ」
「おっ……おおう。白豚って呼んでたわりには、めっちゃ褒めるなお前」
「そうなんだよ、白豚って分かってるんだよ……でも、なんか……彼女の場合は、それもありかなとか……痩せたら痩せたで、なんか違くて」
友人が若干ひいてるけど、気にせずにしゃべるしゃべる。
もうそろそろやめたげて……悪口以上にレイチェルに突き刺さってるから。
ほっぺたが真っ赤っかなんだけど。
しかも、カーラもテレサもフローラも微笑ましい表情でレイチェルを見てるから、余計に……
てか、あの子もここにレイチェルがいるって気付かないのかな?
「よく分かってるな! 実は、最近ズールアーク嬢が密かに可愛いと思い始めた生徒達で、密かに見守る会を作ったんだ!」
そして、そこに割って入る黒い影。
誰だ?
割と大柄な男子生徒だけど、制服を見るに三年生かな?
三年生が、なんで一年生の廊下に?
いや、本当に誰だ?
「あの、貴方は?」
ありがとう少年B!
私の気持ちをダイレクトに代弁してくれて。
そして、誰何された先輩が満面の笑みで、少年Bの肩に腕を回す。
暑苦しそう。
ガタイもいいし。
「ホワイトピグレットを愛でる会、副会長のディー・フォン・センダーだ。君には、我が会合に入る資格がある」
また濃いいのが出てきたなぁ。
あっ、さっきまで熱く語っていた子が肩を組んだまま、強引に連れていかれてる。
そして、一人取り残されたお友達。
「くそっ、俺だけが密かに気付いてたと思ったのに……ディー先輩まってください! 俺も、俺も入りたい!」
……
お……おおう。
こういう時は、素直な方が有利だよね。
三人が立ち去った後で、全員の視線がレイチェルの方に向く。
レイチェルがプイっとそっぽを向いたけど、耳まで赤い。
かっ……可愛い。
「しかし、許せないわね」
ただ、どうしても許せないことがある。
私の言葉に、全員が今度はこっちに注目する。
「私を差し置いて、レイチェルを愛でる会? なぜ、私を誘わない」
そんな面白そうな会があるのに、誘われてないどころか存在すら知らなかった。
わたしゃ悔しさと寂しさで、血の涙が出そうだよ。
「それが……エルザ様は、レイチェル嬢の側にいて彼女の可愛さを引き立てるための立役者だかららしいですわよ。ちなみに、副会長のディー先輩が実質トップで、エルザ様は本人非公認の名誉会長として、愛でる会のトップに名前が飾られてますのよ」
「詳しいねオルガ……なんで、教えてくれなかったの! てか、非公認どころか、打診すらされてないわよ!」
「まあ、良いじゃないですか! せっかく皆さん、補習が無かったんですし。ソフィアさんもチェルシー嬢も、無事合格できたみたいですよ」
ぐぬぬ……今度、ゆっくりとっちめてやる。
「ちなみに、会のメンバーは現在19人だそうです」
「地味に多い……」
「そして、身分至上主義派からも3人ほど、所属してます」
「ほう? 彼らとは、分かり合えそうな気がしますね」
「あっ、一人は彼女です。女性です」
「ふふ……あんな掃き溜めみたいな集団の中にも、いい子もいるもんだね」
「何キャラですか! あるか無いかも分からない怪しい会よりも、早く帰りましょう!」
あっ、レイチェルがキレた。
照れなくてもいいじゃん!
「もう、本当に可愛いんだから!」
「ふんっ!」
「ギャー!」
ぷくっと膨れたほっぺを指でツンツンしたら、ぎゅって握られて思いっきり反対方向に曲げられてしまった。
酷い……
「地味に痛い」
「エルザ様なら、大丈夫です!」
いや、私のステータスをもってしても地味にジンジンして痛いよ。
「ちょっと、声が大きいですよ。やってない方もいらっしゃるのですから」
「凄いねー! おめでとう!」
廊下に貼りだされた成績表を見るために、カーラと教室を出たが。
彼女はずっとハイテンションだ。
一緒に付いてきているクラスメイトの子が、たしなめているけど。
その気持ちは分からなくもないから、素直に祝福を送る。
ずっと、成績表を見直してして「無い! 無いですわ!」って喜んでたからね。
長期休暇中の招集状。
いわゆる、落第の赤紙が……別に、赤い紙じゃないけど。
とはいえ、クラスに落第した子はいたけどね。
成績表を開いて天を仰いだあと、再度ゆっくりと紙に視線を下ろし……そのまま、そっとおりたたんで、机の引き出しに入れた子たちが。
ただ、思ったよりは少なかった。
身分至上主義派閥の子たちの中にも。
ちにみに、補習確定の身分至上主義派の子は、絶望した表情だったな。
なんらかしらの指令、もしくはお叱りがあったのだろう。
その結果、口から死霊を吐いてた子もいたけど。
怨嗟の籠った声を呟くエクトプラズムとか、もはや死霊だもんね。
廊下に貼りだされた成績上位者の一覧を見る。
おお、クリントやったじゃん!
見事に、7位だ。
そして、私とレイチェルは安定の満点同率1位。
3位にフィフス君。
なんと、テレサが5位に食い込んでいた。
「皆さんと勉強したことは、全て覚えてましたから」
そういえば、普通に記憶力お化けだった。
だから、勉強のポイントさえ分かれば、当然こうなるわけか。
「おめでとう、テレサ!」
「あまり良い点数だと男性が尻込みして、お嫁にいけなくなりますよ」
そして、フローラが負け惜しみを言ってる。
かくいう彼女も、今回は補習無しらしい。
表情は明るい。
ただ、その発言はやめろ。
その口撃は、レイチェルにも効く。
「オルガ様も10位ですか……凄いです。羨ましいですわ」
カーラが心底羨ましそうにしてるけど、悪い気はしてない様子だ。
純粋に憧れているというか、目標にしてる感じかな?
随分と、初対面と印象が変わっ……いや、もとから目的のためには、突き進む真っすぐなところはあったっけ?
私に、果敢にアタックするくらいに。
方向性さえ間違わなければ、良い子になれる典型例だね。
全力で頭を撫でまわして頬ずりして、褒めてあげたい気分だよ。
ちなみにレイチェルもやや遅れて来て、貼りだしている紙をチラッと見て鼻で笑っていた。
どうやら、今回も満点を取るだけの算段はあったんだろうね。
凄いよ満点、本当にスペック高い。
「ちっ、またあいつが1位か」
「白豚のくせに」
ああん?
レイチェルに声を掛けようとしたら、そんな会話が聞こえてきた。
それは、私のことかな?
それとも、まさか私の可愛いレイチェルのことを言ってんじゃないよね?
レイチェルは詰まらなさそうにしてるけど、聞こえてるよね。
あっ、オルガが扇子をパシリと閉じた。
臨戦態勢かな?
カーラは……睨むだけか。
なんだかんだで、レイチェルをちゃんと友達だと思ってくれてるみたいだ。
テレサとフローラが指を鳴らしているのが物騒だ。
「そうなんだよなぁ……白豚なんだよなぁ……」
ちょっ、しみじみと言うな!
余計に、性質が悪いわ!
しかし……続きは気になる。
皆に、まだ行かないように手で合図を……皆も、気になってるみたい。
すでに待ての姿勢だった。
レイチェル以外。
「なんだ? どうかしたのか?」
「ああ……最近、エルザ様の言ってることが分かってきたというか……」
「んん?」
んん?
おっと、もう一人の子と私もシンクロしてしまったようだ。
「誰にも言うなよ!」
「なんだよ、早く言えよ!」
「だから、誰にも言わないっていうなら、言うけどさ」
「分かった分かった」
なんだ?
この展開。
「あの白豚が食事をしてる姿を見て……」
おっと、一緒にいる男の子もだけど、私たちの周りからも唾を飲み込む音が聞こえた。
「可愛いと思うことが多々あって……俺、頭どうかしたのかな?」
いやいや、頭が正常になったんだよ!
それは、正しい評価だと思うよ!
カミングアウトされた側も、フリーズしてるし。
私の周りもフリーズしてるし。
「まあ! まあまあまあ!」
あれ? 王妃殿下いる?
違った、オルガだ。
オルガが扇子を開き直したけど、その後ろに隠された表情も思いっきり花開いてる。
確かにオルガは情報収集が得意なだけあって、こういったゴシップは好きそうだもんね。
「あの、口いっぱいの食べ物をほおばってる姿もだし、モキュモキュと食べてる姿も、飲み込んだ後の満面の笑みも……目が離せないっていうか。最後の一口を食べるときの、切なそうな儚い表情も胸に刺さるというか……で、エルザ様が自分のおかずを分けてあげた時の、最高の笑顔! 曇天の雲を切り裂くように太陽が現れたかのようなギャップ」
「おっ……おおう。白豚って呼んでたわりには、めっちゃ褒めるなお前」
「そうなんだよ、白豚って分かってるんだよ……でも、なんか……彼女の場合は、それもありかなとか……痩せたら痩せたで、なんか違くて」
友人が若干ひいてるけど、気にせずにしゃべるしゃべる。
もうそろそろやめたげて……悪口以上にレイチェルに突き刺さってるから。
ほっぺたが真っ赤っかなんだけど。
しかも、カーラもテレサもフローラも微笑ましい表情でレイチェルを見てるから、余計に……
てか、あの子もここにレイチェルがいるって気付かないのかな?
「よく分かってるな! 実は、最近ズールアーク嬢が密かに可愛いと思い始めた生徒達で、密かに見守る会を作ったんだ!」
そして、そこに割って入る黒い影。
誰だ?
割と大柄な男子生徒だけど、制服を見るに三年生かな?
三年生が、なんで一年生の廊下に?
いや、本当に誰だ?
「あの、貴方は?」
ありがとう少年B!
私の気持ちをダイレクトに代弁してくれて。
そして、誰何された先輩が満面の笑みで、少年Bの肩に腕を回す。
暑苦しそう。
ガタイもいいし。
「ホワイトピグレットを愛でる会、副会長のディー・フォン・センダーだ。君には、我が会合に入る資格がある」
また濃いいのが出てきたなぁ。
あっ、さっきまで熱く語っていた子が肩を組んだまま、強引に連れていかれてる。
そして、一人取り残されたお友達。
「くそっ、俺だけが密かに気付いてたと思ったのに……ディー先輩まってください! 俺も、俺も入りたい!」
……
お……おおう。
こういう時は、素直な方が有利だよね。
三人が立ち去った後で、全員の視線がレイチェルの方に向く。
レイチェルがプイっとそっぽを向いたけど、耳まで赤い。
かっ……可愛い。
「しかし、許せないわね」
ただ、どうしても許せないことがある。
私の言葉に、全員が今度はこっちに注目する。
「私を差し置いて、レイチェルを愛でる会? なぜ、私を誘わない」
そんな面白そうな会があるのに、誘われてないどころか存在すら知らなかった。
わたしゃ悔しさと寂しさで、血の涙が出そうだよ。
「それが……エルザ様は、レイチェル嬢の側にいて彼女の可愛さを引き立てるための立役者だかららしいですわよ。ちなみに、副会長のディー先輩が実質トップで、エルザ様は本人非公認の名誉会長として、愛でる会のトップに名前が飾られてますのよ」
「詳しいねオルガ……なんで、教えてくれなかったの! てか、非公認どころか、打診すらされてないわよ!」
「まあ、良いじゃないですか! せっかく皆さん、補習が無かったんですし。ソフィアさんもチェルシー嬢も、無事合格できたみたいですよ」
ぐぬぬ……今度、ゆっくりとっちめてやる。
「ちなみに、会のメンバーは現在19人だそうです」
「地味に多い……」
「そして、身分至上主義派からも3人ほど、所属してます」
「ほう? 彼らとは、分かり合えそうな気がしますね」
「あっ、一人は彼女です。女性です」
「ふふ……あんな掃き溜めみたいな集団の中にも、いい子もいるもんだね」
「何キャラですか! あるか無いかも分からない怪しい会よりも、早く帰りましょう!」
あっ、レイチェルがキレた。
照れなくてもいいじゃん!
「もう、本当に可愛いんだから!」
「ふんっ!」
「ギャー!」
ぷくっと膨れたほっぺを指でツンツンしたら、ぎゅって握られて思いっきり反対方向に曲げられてしまった。
酷い……
「地味に痛い」
「エルザ様なら、大丈夫です!」
いや、私のステータスをもってしても地味にジンジンして痛いよ。
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