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しおりを挟む夢ではない。
私は失敗した。
リクとアダムがねじ曲がって植えつけられた“正しさ”と戦い、取り込まなくていいんだと教えたいが為に、私が一生幸福になりたいからと、強欲にも願い、失敗した成れの果てが今。
リクに気付かれ、抵抗虚しくリクもアダムもケルベロスも取り込んでしまった私の魂は未だに中途半端。
悪魔だけは隠せたから。
本当に取り込まなきゃいけない魂は悪魔だった。
アダムとリクの魂なんて、取り込まなくていいのに。
私が楽園から堕ちて、全てがねじ曲がってしまった。
私のせいで、私の為に、私の強欲に、付き合わせる永遠の幸福は………
消滅した。
「炎の!炎の!」
「なに……あんたなにしたのよ!」
「なにもしてない!」
「じゃぁなんで……治しなさいよ!」
「治してる!そういうんじゃない!私を見て倒れたの!お願い!私から隠して!」
「あんたから隠れられる場所なんてある訳ないでしょう!?」
嘆くなよ。
泣くなよ。
今する事じゃないだろ。
「イセトごめんなさい。とても大切な用が出来たの」
「残念ですね、ちゅ」
頬にキスをして、転移したイセトを気にするよりも…
「海の底に眠る場所を創造する、私は近寄らない……頼まれてくれる?」
「さすがにこんだけの友人が困ってちゃぁ、ねぇ?」
「ありがと」
「好きよ」
「私も」
海の底に、土のと森のが眠る寝室と、海のと風のが眠る寝室を創り、炎のに寝かせてもらった。私が触れたり、力を使ってしまえばどうなるか分からないから……
1度海から出て、海底に沈む友達を炎のとしばらく見てた。
「ウンディーネとシルヴェストル」
「合ってるわよ」
「ノームと…」
「シルウヌスよ」
この名前は存在しない。
私の世界になり、新しい世界の精霊たちに名前を聞いたけど…
そんな名前はないんだ、どこにも。
人間にも、精霊にも、何故か存在しない名前となっていた。
「風のは…シルヴェストルは人間が大好き、でもそんな事は些細な事のように」
「ウンディーネのノロケばっかりよ、最近は眠っていたんですって」
海のは相変わらずだね。
「森のは…シルウヌスは人間が大っ嫌い、だっていつでも森を荒らすんだもん」
「でも、愛する事をやめられない子ね」
「ノームは土の中でいつだって眠ってる、だってね?」
「森のが起こしに来てくれるのを待ってるから……でしょ」
うん、そうだね。
なにも、なにも変わっていない。
変わっていないからこそ分からないんだ。
「海のの事は知ってる?」
「そこまでね、精霊も人間も嫌っててあまり海から出ないのよ」
「家からじゃなくて?」
「気に入らないんだって、納得いく家が作れないらしいわ。だから海の底で……ああ、あんたの図書館には昔から居たらしいわ」
それは驚きだ。
図書館で本を読む海の……
うん、可愛い。
「はあーあ………」
「どうなるの」
世界を生み出すだけなんだよ。
私は未だに知らない事ばかり。
「ぜーんぜん!分かんない!でも会えた!生きてた!私の失敗に巻き込んじゃった大切な友達が!いたんだ……いたんだよ!!!」
黒が嫌いで黒が好き。
世界はすぐに暗闇に。
だけどそれ以上に色とりどりな世界が長引いて………
私は愛している。
うん、気付いたよ。
ちゃんと見えた。
世界を愛してる、いつだって、どんな時だって、
そっか、黒が怖かったのか。
どうにもならないのに恐れてた。
私が1番勘違いしてたね。
なんでも出来るって、なんでも選択出来るって驕った考えで、穿った考えで。
私は私を見てた。
「すぅぅぅぅっっ……大っっっ好きだああああああああ!」
「…」
大好き。
出会った今を大切に。
黒になる事もある。
だけど。
それでも色を取り戻して。
見たことのない景色になるんだ。
「今日もいい月だね」
「そうね」
私の独り言………私の挨拶、大好きな出会いの挨拶に返事が返ってきた。
新しく友達になった精霊から。
「ここにいる」
「そう」
砂浜に座る私を置いて炎のは何処かへと向かった。
行き先は見ない。
なにも見ないようにするんだ。
全て知る事なんて出来ない。
あーあ………
知った気になっていたのは、私の方だ。
考えよう、今を。
きちんと己の人生を思い描こう。
自分の心に、強欲になる時がきたよ。
私はやっぱり私の幸福を掴みたい。
嘆き悲しむ私よりも、世界を楽しむ私が好き。
嫌いになるより好きになろう。
好きになれないなら、そんな自分を愛してあげようよ。
重ねる事は終わりにしよう。
生まれ変わりだとは信じてる。
でもいつか………
『申し訳ございませんでした、ヒナ』
『イヴ!楽園よりも楽しいな!』
そんな言葉を投げかけられるのを待ってたんだ。
やめよう。
死を望む人生は終わり………
これからは………
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