化け物天使は常識知らず!

ユミグ

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アルフには卵型の置き物を贈る事にした。
なんでか卵の殻を渡してきたアルフにはそれがいいかな?と思って。
イセトには毛づくろい用の香油と櫛にした。
身綺麗にはしてるけど、時間がないのかうるるんつやつやな毛じゃないから。
そういえば獣化した姿見た事ない……
見たい!!!
物作り中の私は、夜、天界に戻って作業している横でクロノスが見てるか寝てる。
そんなクロノスの足元に大人しくライが居て、寝る時はいつも一緒になって寝てる姿が微笑ましい。
イセトの櫛と香油は出来たけど、アルフのはまだ途中。
宝石をちりばめたキラキラ卵型の置き物は時間がかかるのだ。

『…』
「…」

最近悩んでいる………
私なのかイセトなのか分からないけど、悩んでいる!
イセトにあげたアンクレットはいわゆる神の力を使用する物、魔力と同じで見たり感じたりも出来るのだ。
それが。

『…』
「…」

困っている!!!
私に連絡しようとしてアンクレットの飾りに魔力を流すイセトは…

『…』
「…」

なにも話さない!!!
私が話しかけてもいいのか分からない!!!
困っている!
昼でも夜でも無言の連絡が届いてしまっている私は大いに困っているのだ。

『…』
「…」

どうしたらいいのか分からない!!!



*********************************



図書館で本を読むのはいいけれど、最近は、ほけー……っとしてる事が多いのかついに……

「ぶっ!」

アルフの上着を頭に放り投げられては、よいしょよいしょと調整して読みやすいように上着を頭から被ってる。






「なによそれ」

炎のが遊びに来た。
この間はエロエロを邪魔しちゃってごめんねー?

「部屋行く?」
「そうしましょ」

精霊達の連絡網が回ってるか分からないし、お礼もまだ言えてない私はアルフに転移してもらってから寝室に行こうとするとガンッ!と扉のフチを掴まれた。

「おい」
「だめー、アルフには聞かせられない事が多いって言ったでしょー」
「いつならいいんだよ?」
「老後かな?」
「なげぇ………」

項垂れてるアルフを横切って炎のと寝室に入る。
もう、中を見られると危惧するのも面倒だったから、元の寝室に見えるようにした。

「アルフならいいじゃない」

酒盛りの準備が出来たら炎のがそんな事を言う。

「国に仕えてるからねぇー、信念もおーさまを慕ってる心もある。イセトとは真逆だから色々と内緒にしないとねー?」
「人間って面倒ねぇ」
「だけど、人間ってそういう生き方が出来る。羨ましくなる時もあるよ」
「それもそうね……」

なんの縛りもない。
敵うような相手もいけなれば、対等に戦える者もおらず、むしろ手加減しなければならないんだ。
そういう存在なのが私達。

「ありがとう、お陰でみんな幸せだよ」
「そうなのね、連絡しても返ってこないのよ」
「ふふ、たくさん話す事があるんだよ。当分は伴侶と過ごさせてあげて」
「あら、土のも?」
「ふふ、そうだよ。森のと仲良し」
「それならいいわ」

炎のは精霊も人間も大好き。
だけど一線を引くような、傍観者として立つ性格だからな。
みんなが幸福ならそれでいいんだろう。

「炎のも幸せになりなさいよ」
「あんたに言われたくないわ」
「ふふ、私は幸福を掴むのよ?」
「あらあらあら♡ふぅーん?」

含みのある“ふぅーん”は、私の事も思ってくれている。

「出会っちゃったねぇ」
「そうなのよねぇ」

出会ってしまえば相手の心に触れる。

「好き」
「私も好きよ」

相手を案じたり、叱ったり………
出会ってなにかを相手に想い、好きになってしまえば心を砕いてしまう。

「怖いね」
「私は一生怖がるわ」

いつか消えてしまう相手や、いつか今とは違う形になって傷付けてしまう事もあるかもしれないと怖がって、閉じてしまう。

「怖がったところで与えられてしまっている事に気付いているのなら、無駄になるわ」
「それでも怖いわ」
「今を見て」
「…」
「どうか今を見て、炎のにも幸せになって欲しいの」
「面倒な友人ね」

そうでしょ?と、思いながら1人で酒を飲む。
独りになりたいのか、それとも愛を伝えに行ったのかは知らないけれど、目の前から消えていった友人を想って幸福を願う。

「あそぼー!」
「ふふ、なにがいい?」
「おいかけっこ!」
「ルールはこの世界の空まで!」
「わあぁぁぁっっ…!イヴとおいかけっこ!」

遊んであげられてなかったライと浮かんでおいかけっこをする。

「つかまえたー!」
「むー!むー!むー!ライ速いのに!」
「私の方がはやーい!きゃー!」
「まてー!まてー!」

手加減なしの遊びを思う存分に楽しんでいるのは私も。

「イヴー!まってー!」
「ふふ、なあに?」
「つかまえた!やったー!次はイヴ!」
「まてー!」
「わ、わ、おいつかれるー!」

ライの進行方向に雷を降らせると、もぐもぐしながら逃げてる。
ふふ、かーわいい。







疲れを感じるライはお風呂に入りたくなったらしいので、おいかけっこはまた今度。

「「クロノスー!お風呂ー!」」
「俺も入る」

怒られないなら別にいいよー。な感じでライとアルフと城内のお風呂に浸かる。
水着はぱぱっと無から有で作ったから海パン姿なアルフ。
楽園の者だけが使える、無から有の力は今では私しか使えない。
簡単に物を創り出せるけれど、やっぱり私は手ずからの物が好きだから、ちまちまと作ってたりする。

「えーい!」
「これならどうだ!」
「わー!わー!ライもー!」
「ぶっっ!」

無邪気な笑顔でライと遊んでいます。
そうそう、こういう顔が見たかったんだよ。

「「ニィッ」」
「………」

どうやらクロノスとも遊びたいらしく、クロノスをびしょびしょにしてる。
呆然と立ちすくむクロノスは遊びが苦手なようだ。

「クロノス、お湯をかけて遊ぶんだよー」
「はい!こうですか?」
「うわあああああ!!!」「うおっ!?」
「上手ー」
「は、はい!」

海ののような渦を作り、お風呂場の水位をあげていくクロノスに逃げ惑いながらも私を非難させようと抱き上げるアルフと、楽しいのか海のようなお風呂が出来上がった中で泳ぐクロノスとライ。

『話せるよー』
『ぶはっ!はぁっ!はぁっ!これどうやる!?』
『どっちの事?』
『両方だ!』
『クロノスに聞いてきたらー?』
『クロノス!』

1人でも平気だと判断された私を置き去りにしてクロノスに教えを請うアルフ。あー、たのし。
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