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しおりを挟む洋服には私の意見やら、欲しい物も聞かれるらしく考えておいてね。と、リンジーに言われたからなんとなーく考えてる私はアルフに転移されて応接間?に着いた。
広々空間だー、ポツンとソファとテーブルがあるだけで他はなにもなーい。みたいな所。
「たくさんあるみたい」
「そうなんだ」
どうやら洋服を出す場所が必要らしく、大きな部屋に通された。
「バーナビー!ルーシャンも!洋服楽しみだね!」
「ふっ、そうだな」
「気を付けろ」
「アルフがいるでしょ?絶対に守ってくれるんだからピリピリしなくて平気だよー?」
「「………まだ伴侶にならないのか?」」
どうしてだろうか?
久しぶりに会ったリンジーは分かるけど、なんで二人までそんな事を言うんだ。
「お菓子あるよー?食べるー?」
「もらおう」
「この間の菓子が気に入った」
「どうぞー?」
パジャマパーティーはちょくちょく開催してくれるけど、最後まで居られないのだ。
どうしたってエロエロな空気になっちゃうからいそいそと退散してる。
いつか絶対に2人と寝てやるんだから!
「んー!久しぶりにリンジーが淹れてくれた紅茶!おいしー!」
「ふふ、ありがとうございます」
クロノスのも美味しいけど、リンジーのも美味しい!
はう…!
イセトが…!イセトが来たあああああ!
なんで?どうして?オーナーから頼まれたのかな?天使様が手の届く所にいるよー?みたいに脅されたのかな!?
ありがとうオーナー!声は聞いてるけど、会えるのは久しぶりだよ!
「通せ」
バーナビーまで協力してくれるの!?
ありがとう!
「「失礼致します」」
「あ゙?」
失礼じゃないよ!イセトはどこにだって入って来ていいんだからね!
「ぶっ!」
どうやら“一晩付き合って”宣言をしたイセトの顔を覚えていたらしいアルフは私の顔に上着を投げた。
いつものようにいそいそと上着を調整してお菓子を食べる。
イセトもオーナーも気にしちゃいけない!
仕事の邪魔をしてはいけないのだ!
「こちらがご依頼の品でございます」
「私が」
アルフがバーナビーの手に渡る前に色々とチェックしてる。
どうしてそんなに分かるんだろう?なに?くせぇって。
相変わらず羨ましいぜ。
オーナーも警戒されてる事は知ってるだろう。
こんな本能が強い相手が厄介だとも分かってるのに、なんでわざわざ危険な目に合うような真似をするんだ?
ちなみにクロノスは何処かへ消えていった。バレないように。
イセトの職業は理解出来ないから、近寄る事をやめたんだろう。
そういう選択が出来る心があるクロノスは本当にいい子。
「前回はこちらの不手際で天使様をご不快にさせてしまい、申し訳ございませんでした」
「はい」
いいんだよ!イセトはリボンくれたもん!
イセトの前でだけはつけるようにしてるの気付いてくれてるかな?
「新たにご用意致しました」
「はい」
ズラッと並べられた洋服や装飾と、反対にはバーナビー達の洋服やらが出てる。
イセトは私を、オーナーはバーナビーたちの相手をする事になっているようだ。
私の横にはアルフとリンジーが居て、私はちょこっと不貞腐れてる。
だってこれ………
子供用じゃん!私用に作られてないじゃん!
適当に仕入れた服がかけられてるもん!
イセトが私にこんな贈り物しない!
むー………
「リンジー、なにがいいかな?」
「こちらはいかがです?」
「じゃぁ、それにする」
「よろしいのですか?」
「うん」
なんでもいーよー。イセトからの贈り物じゃないしー。
たくさんある洋服にも装飾にも目を通したけど、特に欲しい物ない。
「本読んでてもいい?」
「ふふ、もちろんですよ」
オーナーは鋭い人だから私の行動1つでなにかを気付いちゃいそうなので、大人しくソファに座って本を読む事にしました。
「退屈か?」
私の肩を叩いて話しかけるバーナビーは、好みの服が見つかったんだろう。るんるんしてる。
「どれも可愛いからなんでもいいー」
「そうか」
「直しを伺います」
「袖を短く出来るか?」
ん?
「わ、ヒナノ!どうしてここに居るの?」
「「「「「「「!」」」」」」」
ライが大勢の人間を引き連れて部屋にやってきた。ご丁寧に外から人間を部屋に入れないようにして。
色々な事が出来るようになったんだねぇ。と思いながら、いつかの日に秘密な相手…人間の側に居ると言った言葉を思い出した。
「動かないでねー?」
オーナーが指図したのはアルフに。
そして一斉に私達を囲んだ人達と、それを指示しているオーナーとライとイセト。
なるほど?
「ライ、どうして力を貸してるの?」
「内緒なの!」
「そうなんだ」
「うん!」
「じゃぁ、内緒の行動を考えてみようか」
「んー?」
「天使はだまっ」
「煩いわね、教育中に話しかけないでくれる?」
「…」
オーナーに黙れと言われて黙るより、ライの方が先だ。
イセトの邪魔をする事になっても、今はライの方が大事。
「ライはなにかをお願いされた?」
「うん!」
「じゃぁ、そのお願いによって犠牲になったり苦しんでしまう人間がいる事を考えた事はある?」
「んー…んー…」
「ライの行動一つで変わってしまう未来があるの」
「んー…んー…」
「常に意識していろとは言わないけれど、今ライがしている事はライにとってどんな意味になるか、どういう感情になるか考えてみようね?」
「分かった!」
「ふふ、いい子。好きにしなさい」
「はあい!」
ライは赤子だ。
生まれたばかりなんだから、色々な事に興味を持って、色々な事に感情を動かされ、いつからか自我を持つようになる。
オーナーのような人間に手を貸したいなら構わない。
ライがどんなライになるかは自由意志だ。
だから止めたりはしないけれど、ちゃんと考えて行動しないと……そういう成長が今きてるだけ。
「まぁいいかな?天使を殺すか王を殺すか選ばせてあげる」
え?誰に?
「天使はどちらがいい?」
ああ、私に?
「私が」
「ふざけんな!」
ううん、そんなに怒ると包まれてる魔力で体がピリピリチクチクするよぉ。
「殺す?殺すってなあに?」
ライがオーナーに聞いてる。
意味は分かってるんだろう、なんで殺すのか疑問なんだ。
「僕の事は話したでしょ?」
「うん」
「それには復讐が必要なんだ」
「聞いたよ!」
「だから殺すんだ」
「やだ!」
「そうだなぁ?それならライでもいいよ?」
「え?」
「よほど天使はライが大切みたいだから、ライが死ぬでもいいよ?」
「ライ死ぬの?」
「死んでくれる?」
「む」
アルフが一歩動けばバーナビーが死ぬ。
そういう魔法陣を展開されたんだ、ライが現れた瞬間に。
だからアルフは動かない……というよりは魔法陣の穴を見つけようとしている。
そんな事、人間は知らないはずなんだけどなぁ?この世界では。
本能って凄いな。
ライは考えてる。
きっと頭の中で精一杯考えて、答えを見つけようとして…
「きゅぅ…」
「ふふ」
「…」
頭がいっぱいいっぱいになって床と仲良くしちゃってる。
「天使には騙されたかな?」
ライと接する私になにかを思ったんだろう。
あ。
パリン!
魔法陣が解けてアルフが動き出した。
穴を見つけるって凄いよなぁ…理解してないのに理解しちゃうアルフはもう化け物かな?
アルフに続いて一斉に護衛達が動き、バーナビーとルーシャンを守ってる。
「なにしてんだ?」
「きゃぁぁぁ!目線こっちに…!ありがとうございます!」
「あん?」
「ああ…!そこは殴りで!殴りでお願いします!」
「こうか?」
「ひゃぁぁぁ!かあっこいい!かっこいいよぉ!」
「うるせぇな!?」
私は戦ってるアルフを全て記録しておこうと、写真を取り出してうろちょろと回りを浮きながら格好いいアルフを収めてる!
「ああ…!そこは蹴りで……きゃぁっ!回し蹴り!回し蹴り!かあっこいいぃぃぃっ…!」
「うるせぇ!」
褒められるのが苦手なアルフは悪態をつきながら、肉体と魔法を使って制圧していく。
ひうっ…!?
う、後ろから禍々しい魔力が…
イセトの粘ついたような魔力が体に……
「ああ…!まだだよぉ!」
「もういねぇよ」
「んがあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!なんでよ!?なんでこんなに弱いのよ!」
「知らねぇよ、俺に言うな」
「もっと見たい!アルフかっこよかった!」
「うるせぇ」
アルフに敵う人間なんてほんの僅かだろ。
なんでこんな人数なんだよ。
もっと用意しておけよ。
「流石だな」
「ありがとうございます」
バーナビーがアルフを褒めてるのに悪態つかない………
解せぬ。
ちなみにアルフが戦っている間、オーナーは1つを除いてなにもしていない。
捕らえようとした護衛は気絶させられちゃったけど、オーナーとイセトはソファに座って紅茶まで飲んでる。
「なにかあるか?」
ううん、バーナビーもかっこいい!
おお、オーナーとイセトを護衛が取り囲んでる。
ちなみにライはまだ、んー…んー…って言いながら地面と仲良しだ。
「失敗しちゃった」
「そうだろうな」
「天使、死んでくれる?」
「駄目!」
どうやらライは答えを見つけたらしい。
そんなライに私は質問を投げかける。
「それならライが死ぬ?」
「やだ!」
「でもでも、ライが運んできた人間達はバーナビーと私を殺そうとしてたよ?」
「んー…んー…やだ…」
「死なれるのが嫌なの?」
「うん…」
「それならそこに居る人間は?死んでもいい?」
オーナーを指差して聞く。
「駄目!」
「じゃぁ、護衛の1人は死んでもいい?」
「やだ!死んじゃやだ!」
「どうして?」
「分かんない!でもやなんだ!」
「そっかぁ…でもライが側に居る人間は大切な人を殺されたんでしょ?」
「うん」
「な、んで…」
うんうん、オーナーは少し黙っていようねぇ?
「殺されたから殺す。あの人間にとってそれはとても正しい事。だからこういう事をしたんだよ?ライはどう思う?」
「お母さんが死ぬのは駄目」
「でもライが殺されちゃったら、私は全てを殺すかもしれないな?」
「んー…んー…んー…んー…!!!」
「少しお勉強しようか」
「分かったぁ…」
よく頑張ったねという思いを込めてライの頭を撫でる。
『クロノス、ライの教育をお願いしてもいい?』
『お任せ下さい』
クロノスの居場所までライを転移させると、部屋に入れるようになった。
力を消したんだと分かったから、もう少しだけ扉を開けられないようにしておく。
「「…」」
どうやら座ってもいいと判断したアルフは私を抱き上げてソファに座った。
「気付くのおそーい、ばーか」
「うるせぇよ」
アルフならどんな状況でも勝てる。
そんな事は当たり前だろ。
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