化け物天使は常識知らず!

ユミグ

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「お前、本読んだか?」
「なんの事ですか」
「読め、お前最低だな」
「はあ!?どこが最低なんです!?」
「全部だ、嘘つき野郎」

ううん、アルフ…それは酷いんじゃないかな?
イセトにリクの意識はないよ?アルフにもなくていいんだけどね?
全部読んだの?凄いね、お疲れ様。

「こいつがリクだろ」
「………そうですね」
「やっぱり最低じゃねぇか」
「どこがです!?」

アルフにもニウを預ける思考に当然なっていたイセトは、何も言わずに両親の元からアルフの家まで転移した。

「ぅぅ……なんと…なんと…世界とは……こんなにも美しいのでしょう…」

起きてきたクロノスはなんでかニウを見て、跪きながら、ほろほろと涙を流してる。

「ヒナ!」
「は、はい!」
「本を!」
「え、えーと…」
「……僕には見せられないと?」
「い、いえ、その…」
「そりゃ、あんな最低野郎なんかに見せたくねぇだろ」
「っっ~、ヒナ!」
「今すぐに!」

ドサドサッッ…!と本を地面にばら撒いてイセトに渡しました。
アルフには相談したくて本を読んで欲しかっただけで別に………

「あ、忘れてた」
「「どうした」」

ううん、仲良くしないでぇ…
魔法放たないでねー?

「うえっ…!うえええええん!」
「「…」」
「あれ?イセト怒ってる?」
「うえっ、ぶっ!ぶっ!ぶぅっ!」
「ごめんニウ、おいで」
「きゃー!」

無から有で創ってる服を着せてるけど、そろそろ手ずからの物を着させたいな。

「なんだよ?」
「なにが?」
「忘れてたんだろ?」
「あ!イセトー、相談あるのー」
「なんで俺じゃねぇんだよ」
「一度帰りましょう、ニウをよろしくお願い致します」
「任せろ」

ど、どうしよ…
ほろほろと泣いてるクロノスを無視しちゃってもいいのか?

「クロノスですか?」
「は、はい…」
「私はイセト・ダックワーズと申します」
「聞き及んでおります」
「ニウをお願いする事があるかもしれません」
「は、はい!お任せ下さい!」
「ありがとうございます」

いいのかな?泣き止んだからいいのかな?
ああ…イセト、転移しないで…まだクロノスにいい子いい子してない………

「話とは?」
「あ、うん…えーっと、アルフの事なんだけど…」
「………」
「あぶっ?」

え、偉いよイセト!寝てないから傍にいなきゃだもんね!制御してて偉いよ!怒りの制御って難しいよね!

「続きをどうぞ」
「はひ………」

どうぞされたくなかった!今は!

「無理矢理にでも抱かれようかなぁ?って」
「どうして?」

あ、怒ってない。良かった。

「今の関係性がしっくりきてしまっているから。とりあえず伴侶になればそのうち心もついてくるかなぁ?って」
「なりたくない?」
「んー…伴侶でもいいんだけど、肉欲がなくて…でも私の中ではもう伴侶で……でも、肉欲がない伴侶っていうのも中々に可哀想…というか、あまりにわがままかなって」
「………」

時のに言われた言葉。

“屍”

なにをどう見たのか知らないけれど、屍にならない未来が伴侶になる事なら私は迷わずそちらを選びたい。

「これから忙しくなります」
「あ、はい」
「声をかけた時には必ず家に帰ってきて?仕事中なら連絡して?」
「うん、分かった」
「伴侶になるなら盛大な式が行われるだろうから」
「うん…うん?」
「その時はこっそりと見てる」
「うん……うん?」

どうやら伴侶になれ?と言われているみたいです。

「隠してくれてありがとう」
「ううん、その方が私達にはいいでしょ」
「くすくす、そうだね」

噛まれた跡は残り続ける。
だからその跡は隠してある、2人とも。
私は天使様でアルフの運命と認識されているから、イセトには邪魔になるから。
そういう私達の形が好きだよ。

「父は仕事に行きます」
「え?」「ぶぅっ!」
「………」

え?あれ?2日後って言わなかった?

「「…」」「あう?」

懐中時計を取り出すと。
うん!確かに!日が回ってるね!2日後ではあるね!ぴったり日が回った瞬間だね!イセト凄い!体内時計ぴったりだよ!

「そういう小細工大っっっ嫌い!」
「ヒナ……ご、ごめっ」
「仕事でもないのにヒナまで騙そうとしないで!嫌い!嫌い!そういうの大嫌い!」
「わ、わる」
「びええええええん!」
「そういうの、ほんと、やだああああ!びえええええ!」
「ご、ごめん!もうしない!絶対にしないから!2人とも泣き止んで!」
「「びええええええ!!!」」

イセトの魔力に包まれながら、抱っこもされながらニウと泣き喚いて、もう絶対にこんな事しないでと約束を取り付けた。





「ぐすっ!ぜっ、たい、」
「もうしない」
「すぴー」
「仕事なら、いい、けど、こういう2人の問題には、やだ」
「分かった」
「ぎゅぅとちゅー」
「ちゅ」
「ニウにも」
「ごめんね」
「いーよ」
「うん、ニウ行ってきます」
「すぴー」
「いってらっしゃい、愛してる」
「僕も愛してる………いって、きま……す…」
「ぐすっ!うん」

イセトが仕事に行ってしまった………
それはいいんだけど、仕事熱心なイセトが大好きだから不満も不安もないんだけど……
ニウの事に関しては、話に上がった人達以外からは見えなくしてる。
キラキラも分からないように力で遮断したら、イセトの両親が“おお…!神様!”ではなくて、“可愛いな!産まれたのか!”なんて言ってたから確認は取れてる。だからニウは大丈夫なんだけど………
どうしよう…とっても寝たい。
泣き疲れて腫れた瞼は治したけど、今寝たい気分。
でも寝たら起きられない………
ニウが起きた時には起きたい………でもどうやって?
ニウの声に反応するような魔法陣やら力を使っても寝言を言ってる時もあるし………どうする?
本当はバーナビーの所にお邪魔したいんだけど、今は夜。
エロエロなバーナビー達は今日もエロエロだろう。
クロノスにお願いしたくてもアルフが側にいるだろうし、“どこ行くんだよ”なんて聞かれても困る。
アルフの両親もエロエロだ。
こんな夜ではエロエロだろう。
今の私はまだちょっと拗ねてるのだ。
そんなに意識をすぐ変えられないのだ。
こんなイセトへの気持ちが溢れている時にアルフのベッドへお邪魔するのも失礼………うん、起きてよう。
じーさんにお願いしたいけど、まだ声かけてないし………
あ、起きてるかな?
一応不可視化をしてから、うん、じーさんの元へと向かった。

「むむ…」

どうやら夜遅くまで種とにらめっこしてるらしい。

「こんばんは」
「誰!………ててて、天使様!?か、神様!?」
「ヒナノだよー?」
「ヒナノ!」
「はい、こっちはニウ」
「ニウ!」
「私の子です」
「………そうでございまするか!」

相変わらず面白いじーさんだ。
あたふたと慌てる姿が可愛い。

「この子キラキラーってしてるから預けられる人が中々見つからないんです」
「そうだろうなぁ…」
「じーさんに預けてもいいですか?」
「むむ…」

悩み出したじーさんの横に座って、いいや、横になっちゃえ。
地面と背中が仲良くして、目の前にはたくさんの星と、いつだってそこにある月に、私の上にはニウが居る。
想像もしてなかった人生だ。
まさか私の子が、ううん、私とイセトの子が産まれるとも思わなかった。
だって私は子どもが産めない。
そして、神々は我が子だと思える心がある。
そんな私に、愛の証が生まれ出るなんて思いもしなかった。

「どうしてワシなんだ」
「じーさんは花が好きだから」
「むむ…」
「土のから加護を貰ってて、花に対して一生懸命に考えてくれて、コーニーをきちんと叱れる人だから」
「む……」

むむ……と、横から聞こえてくる音に自然と目を………
あぶねぇな!?
寝そうだったよ!
こんなところで寝ちゃったら流石にじーさんが可哀想すぎる!

「受けよう」
「ありがとう、家なら適当に作るよー?」
「ある」
「どこ?」
「案内しよう」
「ありがとう、あ、そのうちバーナビーから連絡くる?かも?」
「…」

前を歩くじーさんの後ろにぷかぷかと浮きながら夜の街歩きを楽しむ。

「見えてないのか」
「天使様がいたら大変ー」
「そうだな」

こんな夜でも人通りが多く、浮いてる人達が殆どだ。

「あ、あー、あー、」
「おはようニウ、ご飯食べる?」
「あう!」

果実と魔力を与えていると一軒のアパート?に着いた。
ふむ。

「空き部屋あったらそこ買うー」
「どうするんだ?」
「遊び場?」
「それはいい、ちなみに借りるんだ」
「借りるー」

じーさんの家に入り込むと予想に反して殺風景だった。

「花あると思った」
「土にあるのが1番だ」

それもそうかと、ご飯を終えたニウに挨拶する。

「この人はじーさん」
「きゃー!」
「たまに預かってもらう事にしたの」
「きゃー!」
「よ、よろしくお願いしまするう!」

相変わらず面白いじーさんだ。

「ニウが寝たら私も寝たいの」
「好きにしろ」
「起きたら起こして?」
「?」
「私、起きれないから起こして欲しいの」
「ああ、頑張るぞ!」

どこでテンションが上がるか分からないじーさんともう少し会話したかったんだけど…

「すぴー」
「さっき泣いちゃったもんねー、まだねむい……ふあぁぁぁ……」
「お、おい、ここじゃなくてベッドに」
「「すぴー」」
「…」

じーさんは仕事してるのに、朝方ニウの泣き声で起きたいらしいのを見て、もう少し配慮しようと決めました。
あ、宝石は渡しておいたよ。
内密だし、バーナビーからお願いするのも密やかに?されると思うし?
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