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しおりを挟む私は魔力量が増えない。
だってもうパンパンだから。
これ以上増えちゃったら歩く危険物に…いや、もうなってはいるけれど…
う、うん…とにかく増えないのだ。
でもイセトは増えた。
きっと獣王だった人の量まで増えたんだよ。
私の魔力と混じり合って、魔力が体中を巡っている。
魔力の違いを見分けられるのはせいぜい精霊くらいかな?
練習すればもちろん見れるけど。
まぁ、だから姿形が男になっても炎のにはすぐバレたんだよね。
「それが“神様の啓示”ってやつか」
そうだった。
えーと…メナガガルド国王に退いて《しりぞいて》♡お願い♡ってしてた所だったんだ。
「アルフ1人で出来る?」
「問題ねぇよ」
なにかあったらお願いしよう。
「「「「「「うわっ!」」」」」」
分かりやすく右手を横に降って、関係のない人間達を外へと追い出す。
魔力量を多く見せておいて良かったよ、手間が省けます。
「しばらく話し合いをしていますので、お気になさらず」
バーナビーの護衛と側仕え、シュワールの国の者達だけを、リンジーとアルフとバーナビーとルーシャンは居るけど、まぁつまり…
メナガガルド国以外の人間は追い出して大丈夫だからねー?と言いながら扉を閉めた。
いいでしょ?メナガガルド国の者達はここに居るんだしー?危険とは思わないよねー?
「いえ、私が気に食わないので降りて欲しいだけですね」
「は?」
神の啓示とかなんとか聞いてたじゃーん。
だから違うよー?って、私の意思だよーって伝えたんだよー?
あ、あの人まで追い出しちゃった。
「ルーシャン、あの側仕え呼んで」
「どれだ?」
「えーと…“異なります”とか言ってた人だっけ?」
「「「…」」」「……すぐに呼ぶ」
大丈夫だよー?魔法使用は禁止してないからねー?好きに転移出来るよー?
今の言葉でなんとなく理解出来たと思うし。
あ、帰ってきた。
「間違いないか?」
「うん、ね?あの装置出して?」
「え、あの…」
「騒ぎの時だ」
「か、かしこまりました!」
オーナーの魔力質を測った物でもあり、卵の殻にバーナビーの両親の魔力があると判明した装置でもある。
「こちらはご存知ですか?」
「…」
「これはこの国の秘密なんですけどね?私、天使様だからなに言っても咎められないからいいかなー?と思って言っちゃいますけど」
「…」
「実は悪い人がバーナビーの両親に兄が居るとか嘘をついてた時に調べたそう」
「やれ!」
ううん、まだ喋ってるぅ…
メナガガルド国王は焦って“やれっ!”とは言ってるけどねぇ?後ろに控えてる人達は一体なにをやればいいのやらって感じ?
そんなもたついてるとね?
ドガッ!パリン!ドゴッッ!
「んひゃぁぁぁ…!やあっぱりアルフかあっこいいぃぃぃっっ…!」
「うるせぇな!?大人しくしとけよ!」
「ああ…!手加減しないでよぉ!」
「加減しなきゃ死ぬだろ」
「それならせめて魔法陣を拳で割って!」
「あん?こうか?」
「きゃぁぁぁっ…!目線こっちくださーい!」
「おもしれぇなこれ!割れんのか!」
「かっこいい!次々割っていくアルフかあっこいいぃぃっ…!」
「うるせぇ!」
あの時みたいに浮きながらアルフをパシャパシャと写真に収めていく。
「まって!」
「あん?」
「こう、壁にドンッてして?」
「あ?こうか?」
「違うけどそれでもいいよぉ」
「あん?」
壁ドンは壁に穴を空ける事じゃないよぉ。
いいけどぉ…かっこいいけどもぉ…
「もおおおおお!また終わり!すぐ終わり!なんでよ!」
「相手にもなんねぇからだろ」
なんでいつもいつも…!もっと屈強か数を…!
いいかも!数があれば色んなアルフが見れる!
「今回もいい仕事をする」
「ありがとうございます」
「なんでバーナビーの褒め言葉は素直に受け取るのに私のは駄目なんだよ」
「お前はうるせぇんだよ」
煩いって最近よく言われ……あ、設計図の彼からはまだ連絡きてない。
「バーナビー」
「どうした?」
「私なにかしちゃったかなぁ?」
「噂話をそう気安く他国の者にするなと言ってるだろう?」
「そうだった!ごめんなさーい!」
「だが、天使様は襲おうとはしていないがな?」
「…」
ううん、大人しいですぅ。
バーナビーも茶番に付き合ってくれてありがたいですぅ。
「私と天使様を害そうとした理由を聞こう」
「…」
小悪党って感じだな、メナガガルド国王は。
「問題にしていいか」
「……交換条件を飲む」
交換?ああ、玉座を退く変わりにマージャンを流行らせろってやつ?
「襲撃との交換はなににするつもりだ」
「…」
そうだよねぇ?
私って確かに焚き付けはしたけど、“やれ!”なんて、そんな…!怖い事言ってないし?その“罪”はどう償うかといったら……
「玉座は渡さん」
どうやら交渉決裂らしいです。
「それなら真実と交換では駄目?」
「…」
駄目みたい。
「ね?真実を暴いて玉座を奪う気はない?……あ、あれ?」
「気絶させた」
「起こしてよぉ…!その人唯一まともそうだったよぉ」
「だから怪我させてねぇだろ」
本能め。
「お?」
ガタンッ!バリバリバリッッッ!!!
なんて音が聞こえて、アルフが起こそうとした人間とアルフを殺そうとしてる国王。
魔力量は桁違いに多いからねぇ、1人でもやれると思ってるのかなー?
「こっちー」
「あ、ああ」
リンジーも戦うんだねぇ、かっこいいよぉ!
バーナビーとルーシャンは私の後ろに、あ、側仕えもおいでー?うんうん、隠し…
もうちょっと小さくなれないかな?
ま、まぁ、隠して守ってるから好きに暴れていいよ!
あ、分かりやすいように守護の陣を見えるように張っておくからね。
パシャパシャパシャパシャッッッ!
「「ヒナノ………」」
「うん、守ってる」
自分で撮るのが1番だけどね?こういう時は自動で撮る機能でパシャパシャしておくよ。
「どうする?」
「あれの魔力が子か?」
「ちょっと違うけど、知ってると思う」
「どうしてそう思う」
「だって…ああ、見てみなよ」
2人のおでこにちょんと指を当てて魔力の流れが詳細に分かるようにした。
「「………分からない」」
ああ、見方が分かるまで時間かかるよね。ここってたくさんの魔力詰まってるし。
「国王のお腹だけに注視してみて?」
「「………」」
「5つの魔力が混じってる」
「それ、は…」「なんて事をしてるんだ!」
おお、バーナビーが怒ってる。
うん、そう。
つまりは5人分の魔力が混じり合ってるって事。
魔力質が異なるというのは外から取り込むような、精霊の力でしか有り得ない。
そして、もう1つ。
私の魔力がイセトの体内で混じり合っているように、運命の、獣人の牙か竜人の鱗を飲まないと無理。
獣人の毒は1人にしか効かないから、残るは竜人。
まぁ、そんなに珍しい事でもない。
どの世界でも大罪扱いではあるけれど。
そういう人間は存在する。
そして、その魔力質の中の1つが卵の殻に抜き取ったバーナビーの両親と、メナガガルド国王の魔力に混じってる偽物の子どもの魔力が一致している。
国王が鱗を4つも飲み込んでいるのは、私の目から確認した。
強くなりたいんだろうけど……相手があまりに不憫だ。いや?もしも、取引してたならそうでもないな。
「殻はあるか」
「はい、こちらに」
君の名前教えてくれる?そんなにルーシャンが信用して預けてる子なら私も仲良くなりたいよ。
「「同じか」」
でもあの国王の態度は………
知ってるっていうより、お前が犯人だー!みたいな感じだよねぇ?
オーナーの運命は上手い事使われでもしちゃったかなぁ?
ピリッ!
「…」
ドカッッ!!!
「っっ、なにすんだよ!」
んへ♡思わずアルフを蹴っちゃった♡
壁に飛ばしてね?蹴りでね?んふ♡
「なに傷負ってんのよ」
「っっ」
後ろから国王が襲いかかって?魔法陣を飛ばしてきたので跳ね返しておいた。
「しょうがねぇだろ」
「な訳あるか阿呆。アルフがこんなもんで傷付かない。怠けてんの?」
「うるせぇな」
「リンジーなら避けられるんだからちゃんとして」
「分かってんよ」
「次、怪我したら……」
「んだよ…」
「ちゅーちゅーしてあげない!」
「ああ!?ふざけ!どけ!邪魔だ!」
ううん、そんな一瞬で国王を気絶させられるならもっと早くやってよぉ。
リンジーを庇うのもいいけど、リンジーだってちゃんと強いんだからそんな事すんな阿呆が。
「おい、ちゅーさせろ」
「自然治癒で治るまでしてあげない!」
「なんでだよ!?」
「気に食わねぇからに決まってんだろ!?」
「お前が肉体爆発したのでチャラにしろ」
「…」
確かに………それはそうかも………
「ちゅ」
「…」
反論出来ない!!!
怪我治しておくよ!気に食わないから!
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