化け物天使は常識知らず!

ユミグ

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アルフは相当に我慢してたんだなとまた寝そうな頭で思った。
私がイセトに抱かれたいと思ってた時に、アルフの興奮で起こされた事があったなぁ…なんて、私を後ろから抱き締めて寝てるんだか起きてるんだか分からないアルフから興奮してるいい匂いがして起きた私は、半年程寝かせてくれた時も我慢してくれてたんだなと今更ながらの配慮に気付く。
こんなにいい匂いで誘惑されちゃえば、流石に起きちゃうもん。
きっと眠った私を見て、メルが説明してくれたんだろう。
そして、いい匂いがして起きた私の事も覚えててくれたんだ。
一緒には眠っていたんだろうとは思うけど、ぐっと我慢し続けたんだろう。
相変わらず我慢強い乙女だな。
私が身じろぐと、余計にアルフの腕が絡みつく。

「…」
「起きたのか?」

婚礼式からどれくらいの日数が経ったのか確認したくて、懐中時計を取り出すと…うん、まだ日が回ってない。

「ヤるぞ」
「…」

また眠らされてなくて良かったと思う私は子どもたちとどう過ごせるのか気になった。

「ニウと……ふあぁぁ……メル、は?」
「メルは忙しいから会えねぇ、ニウが成長したら呼ぶ」

物凄く簡潔に言われた内容は、どこまでも私とアルフを気遣うものだった。
メルはきっと当分忙しくなるから会えないの。なんて、誰でも分かるような嘘をついてくれたんだと分かる。
イセトもアルフと過ごせるように色々と動いてくれたんだろう。
眠っている時間以外、ニウを預ける人達に声をかけてくれたんだと………
そういえばアルフを敵対視してたあの男どうしたんだろう?
殺したのかな?
嫌だな?せっかくの式を邪魔されたんだから、簡単に死なせないで欲しいな?

「ヤっていいのかよ」
「…」

ドンッッッ!!!

「っっ、なにすんだよ!」

いいや、もう少し寝よう。

「おい!」

壁に吹き飛ばさないで空に飛ばせば良かったかな?

「おい、なん………我慢してねぇよ、心配しただけだ」
「…」
「おい、機嫌直せ。早くヤるぞ」

そうだった。

「魔力量が増幅し、周辺の草木が急速に成長し…」
「知ってんだよ」
「…」

そうだった。
説明してないからイセトのように事後報告じゃなく先に伝えようとしたんだけど、そうだったよ。
本読んだんだよね。

「追加」
「言え」
「魂を取り込んだ私は強くなりすぎて、魔力も力も畏怖もピアスとリボンで抑え込んでるから全部を曝け出せない」
「無理だな、どうにかしろ」
「出来るか阿呆」
「阿呆はお前だ」

どこがだよ。

「制御出来ない事なんてないんだろ?威圧も溢れる魔力も分からないお前が出した結論だ」
「…」

そう…そうだったな。
基本的に己自身が保有出来る魔力しか持ち得ないと、そして放出も出来るなら溜め込む事も出来ると。
そして、漏れてしまうなら制御出来るはずだと…私はそう結論付けた。
その理論は合っていた、証明出来たんだよ。
でも………

「今は無理」
「お前は恐ろしく不器用だからな」
「分かるー」

みんなが使っている魔法も何千年とかけてようやく使えるようになったんだから。
制御出来るまで恐ろしい程の時間がかかるんだろう。

「制御に付き合って」
「いいぞ」
「何万年もかかっちゃうかもしれないよ?」
「何億でもいいぞ」
「呆れちゃうかも」
「んなもんいくらでもあんだろ」
「飽きちゃうかも」
「監禁してやるから安心しろ」
「嫌いになっちゃうかも」
「嫌になったら言え」
「死にたくなっちゃうかも」
「ならねぇよ」
「分かんねぇだろ」
「お前を寂しくさせるかよ」
「生きるのがつまらなくなっちゃったら?」



「ヒナノが創り出した世界につまらねぇ事なんてねぇんだよ」



この世界しか知らないくせに。
私もアルフも知らない事ばっかりで…答えがない人生に嫌気が差す事もたくさんあるんだって知らないくせに。

「喜んでんなら笑え、泣くんじゃねぇよ」

馬鹿じゃん。

「匂い出せ」
「ぐすっ………なんで?」
「あ?俺の匂いだけ嗅いでんじゃねぇよ」

なにそのズルいみたいな言い方。
竜人に匂いは分からないでしょ?淫魔じゃないから興奮の匂いが嗅ぎたいの♡なんて事もないじゃん。

「あー………やべぇ」

なにその嬉しそうな顔。
匂いなんて……ああ、淫魔だからね。
誘う匂いがあるのか。

「リボン外せねぇ」
「なんで?」
「最初に風呂で寝た時も外せなかったぞ」
「……なにしてんだお前」

お風呂で寝た時って最初の頃ですよね?
アルフも私も拒絶してた時だったよ?
お前、他にもなんかしてんだろ?

「リボン外せるようにしたよ」
「………だからか」

リボン作り直してるって言ってたじゃん。なんて思ってる私のパジャマを脱がそうとしてるアルフ。

「な、なにしてんのよ」
「あ?」
「さわ、触るなよ!」
「………上等じゃねぇか」

そんな嬉しそうに言う台詞でもないですよね!?
やめ、なんっっ…!脱がすなぁぁぁ!!!
無理無理無理無理!!!
アルフ相手はなんか無理!
今更どう接したらいいんだよ!

「お前はいつも楽しそうだ」

今の状況を楽しんでるとでも!?
焦ってるっていうか、恥ずかしいんだよ!

「歌を口ずさんでる時は穏やかだ」
「…」
「ちゃんと聞いてみてぇと思ってたが……誰彼構わず惚れさせるような歌声なら先に言え。あんなとこで歌ってんじゃねぇよ」

なに言ってんの?馬鹿なの?

「お前を思い返してた、眠ってる間だ。最初の頃は死んでたんだと気付いた。笑ってても無邪気に装っても目だけが死んでやがった」
「…」

あっという間に服を脱がすな。

「俺の動きだけには過剰に反応して拒絶してやがった。お前が雷を落とした時に初めて生きてる目が見れたな」
「…」

リボンを無遠慮に外したアルフはやっぱりなにも感じないのか、私を受け入れてる。

「やっとお前が感じ取れた」
「ばか、じゃん、ぐすっ」

なにを感じ取れてるのか分かんないよ。
だって私は鈍いから。

「全部くれ」
「アルフもくれるならいーよ」
「やる」

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