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召喚されたけど引きこもっててもいいですか?
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しおりを挟む「…………」
「ユイ」
「…………あい」
「食事が届きましたよ」
「…………ネイサン」
「うん?」
「抱っこ」
あの日からみんなの事をよく知れた…………のは体だけでした。
よく分からないけどみんなのスイッチが入ったらしく、起きては…………やめよう、うん。考えるのをやめよう。
とりあえず廃れた数日を送ったのでした。
体がぐでんぐでんになった今日は朝から…………昼から甘えてます。
それにしても…………
「うん?」
「ん-ん」
みんな凄い…………本当にどこにそんな体力が…………
私が気絶しない体質だったら絶対に絶対に腹上死してる事間違いなし。
気絶って素晴らしい…!
「あれ?ダグラスは?」
「少し呼ばれています」
「そっかぁ」
さっきまで居たダグラスが昼食の席にも見当たらないので聞いてみた。
ダグラスだけじゃなくてちょこちょこみんなが呼ばれる回数が多い気がする。
今までは決まった時間、決まった日に仕事に呼ばれては帰って来てたのに…
「ねぇ、みんなって、なにに呼ばれてるの?」
「っ…」
「……ん?」
「それが………」
突然部屋の前がうるさくなって2人でそちらに顔を向ける。
誰かが話してるみたいだけど、そんな事聖女サマの部屋の前でしたりしない。
ああ……嫌な予感がする…
みんなで仲良く引きこもり計画が…………!
「どうしてとめるの?ユイに会いに来ただけよ?」
甘ったるい女の声が部屋の中まで届く。
私に会いに?
というか私の名前って……
「ねぇ、ネイサン」
「はい」
「きちんと聞いた事なかったんだけど、私の名前ってあえて伏せられてたよね?」
「…はい、禁術として名を縛る魔法がございますので、万が一の事を考えて漏洩しないようにと…細心の注意を払っていました……が」
「それってみんな大丈夫なの?みんなの名前バレてるよ?」
「普段使う事はありませんがミドルネームとして産まれた時に付けられる名があり、そちらは親と子しか知る事が出来ません」
「ダグラスも?」
「引き取られた際ミドルネームをつけて頂いたかと思われます」
「そっか、よかった」
扉の前ではまだ話し声がする。
女に勝てるのって女だけなんだよね。
だからきっと守護神官達も力尽くなんて事が出来ないんだろう。
きっとそのうち扉が開いて……
「あら?ふふ、ネイサンも居るじゃない」
開いたあああああああああ!
たわわな胸を強調するようなAラインのドレスは薄紫色でタレ目すぎるタレ目のピンクな瞳とピンクな髪色によく似合っておいでですうううう!
ていうか背がでかいな!
お前絶対フィフィの親族だろ!?
守護神官が触れる事も出来ないのか柔らかく注意してるけど…
その接し方は迷子の幼稚園児にするやつだろ…
成人女性にはもう少しお硬い口調でもいいと思う、というか私だったら逆に馬鹿にされてる気もしなくないんだけど……
ていうか目当ては私じゃなくてネイサンだろうな!
「ネイサン偶然だわ!ふふ、ちょうど一緒に遊びたいと思っていたの、ね?遊びましょう」
「お断りします」
「え?………どうして?」
遊びたい?呑み行こうじゃなくて遊び?
え?え?なに?フルーツバスケットでも始める気なの?そうだよね?そんな気がするもん。
だってそんな言い方はまるで園児に言い聞かせてるような言い方だもん!
しかも“どうして?”がどうして?
なにがどうなったら“どうして?”になるの?
「あ、ユイが居ないと嫌だものね、大丈夫よ。ユイももちろん一緒に遊びましょう」
「え、嫌ですけど」
「え?」
「え?」
え?なにお前。
ていうか誰お前!
「こちらは聖女様のお部屋です、夫以外の立ち入りを許可しておりません。ですのでお帰りを」
「まあ、ネイサンそんな言い方したら怒ってるように聞こえてしまうから駄目よ?」
あっはははー!
お前わざと煽ってるよね!?
怒ってるように聞こえるんじゃなくて怒ってるの!
「お前達はなにをしている?さっさと追い出せ」
守護神官達にネイサンが命令するけど…
「駄目よ!ネイサンはそんなお顔は似合わないわ、ほら笑って、ね?」
うわあ………
もうドン引き……ドンの引きですよ。
パシッ…
「……え?」
「私の夫に触らないで」
とうとうこの女近づいてきて、ネイサンの顔を触ろうとするから叩いた。
うん、はたいただけなんだよね、手をね?パシッとね?蚊を叩く感じでね?
「ひっ、ひうっ、な、なんてこと……!な、殴るなんてひどいわっ!ふえっ…」
ああ、どうしよう…
この人もまた常識が私と違いすぎて理解が出来ない……
もういい…
いや、諦めちゃ駄目だろう!
きっと多分!この女を真似したら私とってもいいセイジョサマになれる!!!
「聖女はそんな事しないわ!きっと偽物よ!そうだわ!この子は偽物!ネイサンが欲しくて嘘をついてるんだわ!悪い子ね!」
ふふ、現実逃避もさせてくれないみたい。
もうどうしたらいいんだろうと思考をふよふよと飛ばしていたら、部屋の中までは入って来ない男達が目についた。
目についたっていうか、え?あれってもしかしてこの人の旦那様達……?
え?嘘だよね?え?待って?小さなライブ会場なら満員に出来る程の人数が立ってて……
え?え?護衛………にしては、服が挨拶に来る貴族の服装で……え?ほんとのほんとに?
え、ちょっと待ってこの人これだけの人数を相手に………
「嘘をつくのはよくない事なのよ?」
「お姉様!」
「………私?」
「ユ、聖女様?」
「お姉様はお姉様です!私尊敬します!凄く凄く尊敬します!お姉様って凄い!」
「あら、ふふ、いい子ね」
「良ければお話聞かせて下さい!!!」
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