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召喚されたけど引きこもっててもいいですか?
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「……………………」
ブリットが一回お茶してあげる券を持って訪ねて来ました。
妖艶美女な彼女の手にはミニキャラ。
うん、好きな物を持っていて何が悪いんだろう、うん、全然悪くない。たとえそれが私に似ていても何も悪くないと思います。はい。
推す事はあっても、推しになる事はなかったから、どうしたらいいのか分かんない。
会える推しってなにしてたら嬉しいんだろ?
「ブリットはなにをしている時が幸せ?」
「今が一番………幸せ………」
そんな乙女のように照れられても困るんだが!?
私に照れる要素ってどこにあるんですか!?
「私はこの間久しぶりにみんな揃って夕食をしたの、それがとっても幸せだったの」
「食べる事が好きっっ……!」
いや、なに推しの好きな事1つ知れたみたいな顔してるんだよ。
「食べる事も好きだけど旦那様と一緒に居られる事が私にとって一番の幸せ」
「夫が足らない……?」
そんな絶望みたいな顔されても……
「足らなくないよ!今居る旦那様が大好きで、そんな大好きな旦那様が幸せで嬉しいなって」
「幸せが幸せ?」
「うん、好きな人が幸せそうにしてるのが私にとっては幸せなの」
「私も……聖女様が幸せなのがいい」
………ちょっとだけ私の常識をブリットに押し付けようとしたんだけど失敗だったかもしれない…
ううーん、フィフィに迷惑をかけないようにしてるのはこの券を使った事で理解したけど、これから気まぐれでみんなに被害がないようにしたいんだけどなぁ……
うーん、心配しすぎだったかなぁ?
オーロラより私に、というか黒に執着してるブリットはこのままでも問題ないのかなぁ?
だめだ、わからん。
「友達になってくれる?」
「とも………だち……」
そんな昔の映画みたいな言い方されると指を差し出したくなるよ…
出会った時に一度交換条件のように言ってみたけど、今度は本心を伝えてみる。
「あ、もちろん命令じゃないよ?洋服の流行りとか、どうでもいい事とか、旦那様ののろけとか、愚痴とか!言い合える女の人が居ないから」
「なりたい!」
「あ、う、うん…私は転々としてるからあんまり会えないけど、1年に2回とか会えたらいいなぁって」
「私も!」
「あ、う、うん、えっと私の名前知ってるでしょ?」
「もちろん」
「う、うん、自信満々だねぇ…友達だし、名前で呼び合うところからはじめてみる?」
「きゅうぅぅぅぅ………」
ソファに倒れそうになったブリットを夫達が支えてるけど…
「え?大丈夫?貧血とか?」
心配になったから声をかけたら夫の1人がネイサンに向かって話し出す。
ああ、セイジョサマに話しかけられないんだった。
「恐らく興奮のしすぎだと、名前を呼べる宝幸に意識が保てなくなったと思われます」
「へぇー……」
「ここまでにいたしましょう」
「うん、あ、あの、ミニキャラブリットに渡しておいて、いい子で居続けたらまたあげるねって伝えておいて」
夫の1人がそれはもう恭しく丁寧に受け取るけど、それミニキャラだからね!?
この間のドレスを着た私とお揃いのブリットを渡しておいた。
**********
「ネイサン、名前呼んでいいよって言ったけど駄目だった?」
「いえ、第二王女様がお呼びしておりましたので、恐らくはもう広がってしまっておりますので…」
「平気?」
「ええ、問題ございませんよ」
「そっか」
勝手に決めちゃって良かったのかなと思ったけど、そこまで深刻そうに見えないネイサンを見て安心する。
「しかし……」
「うん?」
「ユイ」
「は、はい」
とても真剣な緑の瞳で私を見つめるネイサンに緊張する。
「思慮深いユイの事も好きですが、もし私達にご不満を持っておられるようでしたらどうぞ、遠慮なくおっしゃって下さい」
「へ?」
「私は、私達はユイに甘えすぎていたのかもしれません。異なる世界で生きてきたユイの感性や常識が違う事が私達には好ましく思いますが、もしかしたらユイには嫌な事も性格についてはもしかしたら嫌いな部分が…」
「ちょちょちょちょちょ、ちょっと待って!ないよ!なにもないよ!嫌な事なんてないよ!」
「………ですが、愚痴を言い合える友達というのは……その、つまり」
「あ、違う!そういうのがブリットにはあるのかなと思って言っただけ!それに人ののろけなんてあんまり聞きたくないかなぁ?と思って言っただけで別に嫌なところなんて…!」
「本当に?」
「本当!みんないい人すぎて困るくらい!」
「困る……」
「あ、いや、困ってないよ!?」
じーっと見つめられるとなんだかいけない事しちゃった気分になって焦る。
「ほ、本当だから…嫌な事ないから…」
「…分かりました、でもこれから何かあれば必ず言いなさい」
「はい」
「それと、今日フィフィが戻ってきますから、その時に今後についてお話させて下さい」
「あ、うん、えへへ、フィフィ帰って来るんだ」
「私達の帰る場所はユイだ」
「んふふ、うん、ふふ、ゆいもみんなが居る場所が帰る場所だよ」
ちゅっとキスされた後、ニコっと笑うネイサンになんだか嫌な予感がする。
「帰るといえば、私はまだお帰りなさいをもらえていませんが?」
「うん!?なんの事だろう!?」
「お風呂にする?それとも…」
「わあああああ!!!な、な、な、なんで知って!」
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「ぅぅ………」
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