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間違いの章
6-13
しおりを挟むしばらくは淫魔の世界を堪能してた。
食べ歩きに呑み歩き、綺麗な景色に温泉も。
本を読み切るには300年程かかりそうだけど、ここは変わらないと思うからゆっくり読み進めてる。
「アンテロスに媚薬を与えたらどうなるの?」
「そこまで変化はありませんね」
「誰の媚薬が1番変わる?」
「私…でしょうか♡」
サビエナ以上は居ないらしい。
力も魔力も知識も。
「最大に与えた事ある?」
「最初に♡」
なんだろう、淫魔チェックとかなのかな?
どれくらいの男なんでしょうか。みたいな。
「アンテロス、私の媚薬試してみて欲しいんだけど」
「ふむ…まぁ、いいか」
「危なくなったら止めるから」
「分かった」
「実験に協力してもらってばかりで悪いわね」
「楽しいからいい」
「そうなの?」
「ヒナノと居ると楽しいからな」
「そう、なら友達になりましょう」
「分かった、友達はなにをするんだ?」
「なにも変わらないわ、好きに遊んで呑んで、相談があれば言ったり聞いたり、伴侶の惚気を言ったり買い物したり…お互いの好きな事を共有する感じかしら?」
「なら相談がある」
「なに?」
相談ねぇ、これはなんだ?じゃなくて相談…!
本当に大きくなって…!ママ嬉しいよ!
「ヘラクレス様が暴れてる、どうにか出来るか?」
「ヘラクレス様の暴れ方が分からないわ、どう暴れるの?」
「女神達に呪いを振りまいている」
「異例な事?」
「いや、だが今回は酷いらしい」
「見てくるわ、今すぐがいい?」
「実験がしたい」
実験をするんだろ?じゃなくてしたいらしい。
「アンテロスはもう友達付き合いが出来てる、とても上手だわ」
「今すぐでいい」
ああ、そう。
なんだか単純だ、可愛いからいいけど。
「最大にしてみようか半分か…半分ね」
「わか」
アンテロスの技術は見てて理解してたけど、上手だ。
相手が淫魔ならこうもなるか。
心拍も異常なし、瞳孔はキスする前から開いてる。
半分なら問題なさそう。
でも興奮が分かるな、いつも以上だ。
「これで半分、する前に教えて。どんな気分?」
「いつもより濃いな、全身に匂いが回る…いつもなら甘い匂いくらいだ…それと酔った感覚に近い、ああ、感度も違うな…永遠に媚薬が欲しくなる、以上だ」
「正直に答えてくれてありがとう、アンテロスはキスも上手で相手の嫌がる事をするのも見た事がない、とても好ましい子だわ」
「そうだ」
アンテロスを観察してたけど1時間19分しか持たなかった。
神だからだろうな。
切れてからも続いてたみたいだけど、私は街に繰り出して呑みに出る。
「こんばんは」
「ヒナノ!今日はする?」
「今日もしない、オススメを」
「残念だなぁ…」
本当に残念そうな呑み屋の店主は…というか街で声をかけられる頻度が多い。
私の媚薬を飲んでからだ。
媚薬が欲しいというより私としたら楽しそうだと思われてる。
性に好奇心旺盛な淫魔にちょくちょく襲われそうになるけど、その度おすわりと言って床に座らせる。
それがいいとわざと声をかけて来る者も増えたから見極めて転移させたりもして淫魔の攻撃?を防いでるから弱そうだけど、強い王様の友人として知られてる、何度も来るつもりだからちょうど良かった。
「今日も美味しいわ!本当に美味しい…」
「ヒナノは美味そうに食べるから嬉しいよ!お礼にす」
「しないわ」
「お試しは?」
「それって違いがあるの?」
「…」
ないらしい。
リクが眠ってから71日。
私はまだ体調が悪くならない。
でもさ普通に考えて淫魔王を取り込んだなら逆に短くならねぇ?って思わない?
まぁ、取り込んだ褒美みたいに思っておこう。
気に食わないけどね。
「ヒナノ様!」
「しない」
「なんでよ!?」
「なんだろう、したいように見える?」
「どうして魅了が効かないのおおおっ!」
いつからか魅了されていたらしい。
分からないのは厄介だな。
「もう1回魅了してみて?」
「え♡?いいよー♡」
ああ、分かった。
魔力というより本質というか、催眠術に近いな。
それなら淫魔に会う時心が弱まってると駄目だ。
私も練習してみるか。
「どう♡?」
「分からないわ」
「もおお!」
私ってみんなの娯楽になってる。
嫌じゃないからいいけど。
「ヒナノこれオススメ!」
「ありがとう」
「やら」
「やらない」
「ちえっ」
ちなみに色んな食材も材料も鉱石も買いました!リクが起きてくる時までに色んな美味しいと綺麗ともっと強い守りが出来そうです!
「ヒナノおもちゃあげるー」
「これよりぐねぐね動く方が良くない?」
「教えて!」
「高いわよ」
「体ではら」
「いらない」
「教えてくれてありがと」
「どういたしまして」
ちなみにイヤリングを着けてない者の方が少ない…気がする。
どれだけ作らせるのと嘆きたかったけど、みんなが楽しそうだからまぁ、いいかと思った。
いきなり街中で喘がれるのも慣れたよ。
アンテロスに与えた媚薬の後遺症がないか3日間やめておいたけど、問題ないみたい。
「今回は抱かれてる方の感覚も教えて、危険だと思ったらすぐに止めるから安心して快楽に委ねて」
「分かった」
既に淫魔は7人居ます。
これだけ居てもまだ余ってるベッドって凄くねぇ?
「切れたらすぐに天界へ行くわ」
「頼んだ」
「頼まれたわ」
媚薬を…私の最大を与えてみたけど…これは駄目だ危険すぎる。
与えてる間射精が止まらない、アンテロスでもだ。
そのまま媚薬を戻すけど、床に寝転がったアンテロスに乗るってなんだか犯罪臭がする、私に。
「はっ、はっ、なぜ、やめ、た?」
「危険でしょ?」
「もんだ、い、ない」
「そう思ってるなら問題ね、1つモノを知れてアンテロスは賢くなったわ」
「ああ、はぁっ、どいて、くれる、か?」
「ごめんなさい」
媚薬は少し残ってるけど感覚を覚えてるらしいアンテロスはすぐに性行為するからしばらく顔が見える場所で観察してた。
物足りなさそうな表情は見えない。
媚薬に酔ってる訳でもない、1人1人見れてる。問題ないかな?
一応見ておこうと1日観察してた。
そんな事より淫魔としての力は劣化品にならなかったのは何故ですか?
「問題は?」
「ない」
「心も?」
「心?………あの快感は忘れられないが抱く方がずっといい」
「正常ね、好きに遊びに来ていい?」
「いつでもいい」
「ありがとう、とても楽しい日々だったわ」
「私も楽しかった」
「みんなまたね」
1度愛する世界に戻ってから扉に…その前に風のに連絡してみよう。
『風の』
『ヒナ!今、ええい!来い!』
『はひ…』
何故だか海のが連絡に応えました。
嫌な予感がするのは私だけでしょうか…?
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