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5話
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「敏夫さーん!!大量ですよぉ」
白葉がホクホク顔で戻ってくる。
「へえ、どんなのが出てきた?っとその前にとりあえず安全な場所を探そうか」
「そうでした」
「アイテムボックスに入れるからアイテムちょうだい」
俺はオオカミの素材をアイテムボックスに入れる。
「さて、安全な所は」
俺は背中に女性を乗せて、女の子をお姫様抱っこで持ち上げる。見える限り怪我はなさそうだな。
「重くないですか?」
「これぐらい別に大丈夫だよ」
昔は80kg以上普通に乗せられたしな。さすがにあの時は死ぬかと思った、重さで。
「白葉この道の先を先行して休めれそうな所を探してくれないか?」
「わかりました」
白葉はある程度の高さにまで上がって飛んでいく。
「とりあえず衝撃を与えないためにもゆっくりと行かないとな。アンドロスおいで」
「「「ウオン!!」」」
歩くだけだと暇だしどうするか。…ステータス確認するか。
------------------
名前:(未入力)
職業:死霊術士
Lv:15
魔力量
90
攻撃力
89
守備力
25
俊敏力
59
精神力
78
《スキル一覧》
近接格闘Lv3:近接格闘をする際に能力値の上昇、技の使用が可能
死霊術Lv2:死霊の作成と強化が可能
闇魔法Lv1:闇魔法を使用する際に能力値の上昇、技の使用が可能
《従魔》
トリッキーゴースト:Lv10
レッサーケルベロスゾンビ:Lv8
------------------
よし、しっかりと反映されてるな。
…でもスキル欄乱雑だなぁ。
「ニナコさん。スキル欄の説明消すことって出来ますか?」
『可能です。消しますか?』
「あぁお願いするよ」
『わかりました。次回開く時には消えておりますのでご注意を』
「わかった」
それにしてもさっきのオオカミ意外と強かったんだな。
でだ、今回も上がってるねぇ攻撃力。格闘もレベルアップしてるし。別にアタッカーになろうとはしてないんだが。でも防御力低いなぁ。
『本来人族とは防御力が低めに設定されております。なので普通は衣服や鎧で防御力を上げます』
なるほど。そう言えば俺まだゲーム開始時の麻布の服のままだった。たしかこれって見た目装備で防御力はゼロだった気が。
早く装備揃えないとなぁ。
「そう言えば名前っていつ設定するんだ?」
『本来は街でのチュートリアルがスタートしたら名前を決められるのですが、まだ街にすら着いていないので当分先かと』
まあ、その分考える時間があると思っておくか…。
『そして思考したことを読み取ることが出来るので直接声を出さなくても質問は可能です』
やっぱりそうだったか。ずっと声出してたな。
俺はニナコさんと他愛もない会話をしながら白葉が戻ってくるのを歩きながら待つ。
「敏夫さーん!!この先に川があって開いた場所がありまーす!!」
「わかった」
俺は白葉が来た方向に足を向ける。
(それにしても魔物に出会わないな)
『おそらくアンドロスを怖がっているようです。ここには普通存在しない強さを持っていますので』
なるほど。触らぬ神に祟りなしか。
『ですがこの様子だと…』
え?なんか嫌な予感がするんだけど。
『いえ…予想なのですがそろそろ戦闘が始まると思います』
え?
『ここら一帯を縄張りとしている魔物のボスや、主あたりが異物を排除するために動く可能性があります』
……忘れてた。そうだ!!そうだ!!こういう森には必ず主がいるはずなのに!!あの狼が主…という訳でもないだろうし。
地面が揺れ始める。あれぇ地震かなぁ?
んな訳もなく土埃が大量に舞いながら何かがこちらに向かってくる。
『誰だぁ!!俺の縄張りに侵入した野郎ぉはぁ!!』
これは念話か。土埃から出てきたのは巨大な蛇だった。1番太いところで直径50cmはあるほどだ。全長は20m以上は余裕である。実際森から出ている部分で15mはある。そして細くなってないからまだまだあるなこれ。
もう見た目龍だな。歌舞伎メイクのような柄が蛇の顔にある。全身は深碧だ。2本の角に魚の背鰭のような棘と膜が背中に着いている。そしてその周りには真っ白な毛がフサフサと生えている。
「こんにちは」
なるべく笑顔で当たり障りのないように。
『てめぇかぁ!!俺の縄張りに侵入した野郎はぁ!!』
「侵入なんて滅相もない。ここを通るために挨拶に行こうとしたら迷子になってしまい」
こういう場合は逃げようとしたらダメだ。俺は今にも逃げ出したい。こいつ、普通にヤバい。伊達に主と呼ばれてない。
『挨拶だァ!?なんで人であるお前がここを通る?』
「この先にある街に行こうと思いまして」
『この先は廃墟しかないぞ』
「え!?」
『なんだ、知らないのか?疾うの昔に人など消えてるぞ』
ニナコさん!?
『…私も理解できていません。データには存在しているのですが』
「あの質問よろしいでしょうか?」
『その前に不躾な者ではないと見た。とりあえず名乗ろう。俺はこの森の支配者情龍だ』
「じょうりゅう?」
『心の働きを司る龍だ』
「司る?」
『む?そこからか』
情龍が言うにはこの世には〇龍と呼ばれる存在がいるみたいだ。この龍という存在は唯一無二なようだ。龍は基本不老不死で繁殖や増殖をすることがない。そしてこの世のバランスを保ってるとか。龍の数は把握していないようで意外と多くいるみたいだ。だが、魔物に比べたら微々たる数しかいないようだ。
中には神として崇められたり、悪魔として恐れられたりしているようだ。情龍はどちらかと言えば悪魔で恐れられてるようだ。結構昔、嫌なことがあったようで国を1つ滅ぼしたようだ。
「あの」
『ん?なんだ?』
「なぜ私を襲わないのですか?」
『???…あぁ国を滅ぼしたところから連想したようだな。俺はそもそも大人しい方だぞ。ただ、その国の奴らが欲に眩んだ結果俺を嵌めて殺そうとしたんだよ。それにイラついてやってしまったんだ』
「なるほど」
龍の素材は万能素材のようで武器にもなるし、道具にも、回復薬にもなる。そして作られた物は神の如し力が付与されるようだ。友好的な龍は生え変わりの時の鱗や怪我をした時の血などを仲良くしている物に与えるようだ。
『あぁそれと先に言っておく。俺は心を司ると言っただろ』
「はい」
『お前らの心読み取ることが出来る。まあ、曖昧にだがな』
マジか。
『まあ、心の声ではないから詳細は分からない。驚きや悲しみなどの大雑把な感情しかわからん!!』
「警戒を解いたのはそういう事でしたか」
『あぁお前からは一切の悪意を感じとれない。そして街の話を聞いた時の反応を見る限り本当にわかってなかったようだな』
「私自身その街に生み出されるはずだったんですけど」
『こんな辺鄙な所に生み出されるとはな。運は悪いようだな』
「否定は出来ない」
それにしてもアンドロスと白葉静かだな。と思って後ろを振り向くと固まっていた。
「おっおい?お前ら?」
ハッとして動き始めた。
「敏夫さん!!この方は良い方なのですか!?」
「「「ワワワワン!!」」」
「もしかして念話聞こえてないのか?」
『あぁこの技は1人しか対象に出来ないからな。突然お前が止まったようなもんだな。それに俺と戦って勝算なんてないからな。見守るしか出来なかったのだろう。その証拠にこいつらの心は畏怖からお前への心配に変化した』
「念話?」
「あぁ、この人?龍は情龍と言ってこの世の管理をしている龍の一龍らしい。コミュニケーション用のスキルみたいで1人しか話が出来ないんだ。ごめんずっと情龍さんと話してた」
「そうなんですか?」
「あぁ。で聞いてみた所この先に街はないらしい」
「え!?」
「廃墟になってるみたいだ」
「どうします?」
「…どうします?って言ってもなぁ。行くだけ行ってみようぜ」
「行くあても無いですしね」
「えっと情龍さん?」
『さん付けなどやめろ!!俺は昔から様とか付けて言われてきたがさんなんて言われたこともねえから違和感がひでぇ』
「なら情龍様?」
『…まあ、ここまで話が出来たのはお前が初めてだ。特別に情龍だけでも良いぞ。それとも何か名前をつけてくれぬか?』
「名前!?名前…うーんガープなんでどうです?」
『ガープか。良いな!!うん。ではこれからガープと名乗ろう!!』
《称号:ガープの名付け親を手に入れた》
ニナコさんのような声が頭に響く。
(えっと、ニナコさん?この声は?)
『この声は神の声と言われる物です。なにか特殊クエストをクリアしたり称号を手に入れたら鳴る様になっております』
なるほどアナウンスか。
『簡単に言えばそうです』
ガープの名付け親ってなんかそのままだな。
(ニナコさん。ガープの名付け親の効果だけ見れる?)
『可能です。映します』
------------------
ガープの名付け親:ガープの力の一端を扱うことが出来る。スキルとして精神魔法、近接格闘術の中に精神統一が追加、眷属召喚が追加される。
------------------
名前からしてやばそうだな。能力の詳細はっと。
------------------
精神魔法:その名の通り精神を操ることが出来る。相手を恐怖に導いたり自分に従順にするなど。レベルが上がるほど成功率が高くなり効果も強くなる。
精神統一:発動させると10秒間動けなくなるがステータスが10ずつ増加する。最長60秒。発動時間内に感情の変動が激しくなると途中で効果が切れてしまう。増加した分は10分ほどで解除される。
眷属召喚:情龍の眷属である[プライドバット][ラスエイプ][エンビーキャット][スローススネールズ][グリードスパイダー][グラトニークロコダイル][エンヴィーラビット]を一日に1体召喚可能。魔力を10消費する。
------------------
なんて言うか…ヤバいな。
『そもそも龍の名付け親になるなんてことは普通ありえませんよ。他に存在する龍種の方々には恐らく神のように名前をつけられると思います。情龍様は昔すぎるために名前を無くしたのだと思います』
なるほど、昔過ぎると誰も彼も忘れてしまうのか。うーんワビサビなのかこれは?
まあ、そんなことは関係ないな。
『自分の名前があるなんて久しぶりだな。ありがとう敏夫よ』
「名前ぐらい大丈夫ですよ。あ、それと私達はこれからとりあえず廃墟となった街を目指します」
『そうか…わかった。俺はもうそろそろ別のことに取り掛かるからいなくなるが…また会った時は話をしよう』
「はい、私でよければ」
『敏夫にしか頼めないぞこんなの。それじゃぁな、小さな友人よ』
情龍はそう言いながら森の奥に消えていった。
「大丈夫ですか?敏夫さん」
「クーン?」
「あぁ大丈夫だよ。それにしても貴重な体験をしたもんだ。とりあえず街に向かおう」
「わかりました!!
「「「ウォン!!」」」
その前に白葉が見つけてくれたところに向かうか。
その後は何も無く川のある所に着いた。
「結構綺麗だな」
川は少し流れが早いな。そしてまあまあの深さがありそうだな。周りには気が生えておらず砂利や小さな石でキャンプ場みたいに開けている。そして中心に柱がある。何あれ?
『あれは恐らくセーフティーバーです』
(セーフティーバー?)
『あの柱を起動させると指定された時間内で指定された範囲の中には魔物が近づ来ません』
(あぁよくあるセーフティーゾーンってやつか)
『セーフティーゾーンというのはまた別にあります。明確な違いはセーフティーバーを発動させてから説明しましょう』
まあ、後で紹介すると言ってるしとりあえず近づくか。セーフティーバーは高さ2mぐらいの少し大きな柱だ太さはそこまでなさそうだな。直径50cmぐらいだな。
『触れるだけで大丈夫です』
言われた通りに柱に触れると青白い色が柱から溢れてドーム状に広がる。その広さは河原と川の1部を包み込む程だ。
『この光に包まれた範囲がセーフティーバーが指定する安全な場所です。ここには魔物は近づかず動物やプレイヤー、NPCのみしか入れません』
へえ便利だな。
『そしてセーフティーゾーンとバーの違いは。柱にもう一度触れてみてください』
もう一度触れてみると四角形のアイコンが出てくる。そこには30:00と数字が書いてある。
『ここは30分間使用出来る場所のようですね。セーフティーゾーンはこのような時間制限はなく使用できます。セーフティーバーは先程話した通り表示された時間内でしか利用できないです。そして再度使用するにも時間を要します。使用できる時間は場所により異なります』
なるほど。まあ、ここはダンジョンじゃないから当然か。ダンジョンはずっと魔物が襲いかかって来るが、外ではずっとという訳では無いからな。
『とりあえず、ここで休憩しましょう30分以内にこの方々も起きるでしょう』
(そうだな)
「それじゃアンドロスに白葉とりあえずここで休憩だ。自由に過ごしていいぞ」
「わーい!!」
「ウォン♪」
1人と1匹は楽しそうに森の中に消えた。なんか普通に行ったけど…まあ序盤の森だし大丈夫だろ。
魔物図鑑NO.3
メタルウルフ
ハイウルフの進化先の一体。全身の毛は金属で出来ており位の低い武器では到底切れない。ダンジョンの中でも上位に位置する魔物。ハイウルフとそこまで色が変わらないためハイウルフと勘違いして全滅したパーティーは少なくない。金属特有の光沢が見えないと見分けがつかない。俊敏力はハイウルフからは増えておらず中には減っている個体も存在する。ダンジョンの他にも鉱山の中で発生することがある。変異個体として体の一部が宝石もいる。繁殖する個体も存在する。
攻撃行動
・噛み付き
・切り裂く
・飛びかかり
・体当たり(裂傷ダメージあり)
・毛針飛ばし(金属の毛を周りに飛ばす)
・薙ぎ払い(尻尾)
・砂かけ
・魔法(個体差あり)
・咆哮(レベル15以降使用可能)
ドロップアイテム
・金属の毛皮
・金属の爪
・金属の牙
・目玉
・金属の頭蓋骨
・金属の骨
・金属の尻尾
・肉
・魔石
・脳みそ
レアドロップ
・金属の魔石
・霜降り肉
・宝石
白葉がホクホク顔で戻ってくる。
「へえ、どんなのが出てきた?っとその前にとりあえず安全な場所を探そうか」
「そうでした」
「アイテムボックスに入れるからアイテムちょうだい」
俺はオオカミの素材をアイテムボックスに入れる。
「さて、安全な所は」
俺は背中に女性を乗せて、女の子をお姫様抱っこで持ち上げる。見える限り怪我はなさそうだな。
「重くないですか?」
「これぐらい別に大丈夫だよ」
昔は80kg以上普通に乗せられたしな。さすがにあの時は死ぬかと思った、重さで。
「白葉この道の先を先行して休めれそうな所を探してくれないか?」
「わかりました」
白葉はある程度の高さにまで上がって飛んでいく。
「とりあえず衝撃を与えないためにもゆっくりと行かないとな。アンドロスおいで」
「「「ウオン!!」」」
歩くだけだと暇だしどうするか。…ステータス確認するか。
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名前:(未入力)
職業:死霊術士
Lv:15
魔力量
90
攻撃力
89
守備力
25
俊敏力
59
精神力
78
《スキル一覧》
近接格闘Lv3:近接格闘をする際に能力値の上昇、技の使用が可能
死霊術Lv2:死霊の作成と強化が可能
闇魔法Lv1:闇魔法を使用する際に能力値の上昇、技の使用が可能
《従魔》
トリッキーゴースト:Lv10
レッサーケルベロスゾンビ:Lv8
------------------
よし、しっかりと反映されてるな。
…でもスキル欄乱雑だなぁ。
「ニナコさん。スキル欄の説明消すことって出来ますか?」
『可能です。消しますか?』
「あぁお願いするよ」
『わかりました。次回開く時には消えておりますのでご注意を』
「わかった」
それにしてもさっきのオオカミ意外と強かったんだな。
でだ、今回も上がってるねぇ攻撃力。格闘もレベルアップしてるし。別にアタッカーになろうとはしてないんだが。でも防御力低いなぁ。
『本来人族とは防御力が低めに設定されております。なので普通は衣服や鎧で防御力を上げます』
なるほど。そう言えば俺まだゲーム開始時の麻布の服のままだった。たしかこれって見た目装備で防御力はゼロだった気が。
早く装備揃えないとなぁ。
「そう言えば名前っていつ設定するんだ?」
『本来は街でのチュートリアルがスタートしたら名前を決められるのですが、まだ街にすら着いていないので当分先かと』
まあ、その分考える時間があると思っておくか…。
『そして思考したことを読み取ることが出来るので直接声を出さなくても質問は可能です』
やっぱりそうだったか。ずっと声出してたな。
俺はニナコさんと他愛もない会話をしながら白葉が戻ってくるのを歩きながら待つ。
「敏夫さーん!!この先に川があって開いた場所がありまーす!!」
「わかった」
俺は白葉が来た方向に足を向ける。
(それにしても魔物に出会わないな)
『おそらくアンドロスを怖がっているようです。ここには普通存在しない強さを持っていますので』
なるほど。触らぬ神に祟りなしか。
『ですがこの様子だと…』
え?なんか嫌な予感がするんだけど。
『いえ…予想なのですがそろそろ戦闘が始まると思います』
え?
『ここら一帯を縄張りとしている魔物のボスや、主あたりが異物を排除するために動く可能性があります』
……忘れてた。そうだ!!そうだ!!こういう森には必ず主がいるはずなのに!!あの狼が主…という訳でもないだろうし。
地面が揺れ始める。あれぇ地震かなぁ?
んな訳もなく土埃が大量に舞いながら何かがこちらに向かってくる。
『誰だぁ!!俺の縄張りに侵入した野郎ぉはぁ!!』
これは念話か。土埃から出てきたのは巨大な蛇だった。1番太いところで直径50cmはあるほどだ。全長は20m以上は余裕である。実際森から出ている部分で15mはある。そして細くなってないからまだまだあるなこれ。
もう見た目龍だな。歌舞伎メイクのような柄が蛇の顔にある。全身は深碧だ。2本の角に魚の背鰭のような棘と膜が背中に着いている。そしてその周りには真っ白な毛がフサフサと生えている。
「こんにちは」
なるべく笑顔で当たり障りのないように。
『てめぇかぁ!!俺の縄張りに侵入した野郎はぁ!!』
「侵入なんて滅相もない。ここを通るために挨拶に行こうとしたら迷子になってしまい」
こういう場合は逃げようとしたらダメだ。俺は今にも逃げ出したい。こいつ、普通にヤバい。伊達に主と呼ばれてない。
『挨拶だァ!?なんで人であるお前がここを通る?』
「この先にある街に行こうと思いまして」
『この先は廃墟しかないぞ』
「え!?」
『なんだ、知らないのか?疾うの昔に人など消えてるぞ』
ニナコさん!?
『…私も理解できていません。データには存在しているのですが』
「あの質問よろしいでしょうか?」
『その前に不躾な者ではないと見た。とりあえず名乗ろう。俺はこの森の支配者情龍だ』
「じょうりゅう?」
『心の働きを司る龍だ』
「司る?」
『む?そこからか』
情龍が言うにはこの世には〇龍と呼ばれる存在がいるみたいだ。この龍という存在は唯一無二なようだ。龍は基本不老不死で繁殖や増殖をすることがない。そしてこの世のバランスを保ってるとか。龍の数は把握していないようで意外と多くいるみたいだ。だが、魔物に比べたら微々たる数しかいないようだ。
中には神として崇められたり、悪魔として恐れられたりしているようだ。情龍はどちらかと言えば悪魔で恐れられてるようだ。結構昔、嫌なことがあったようで国を1つ滅ぼしたようだ。
「あの」
『ん?なんだ?』
「なぜ私を襲わないのですか?」
『???…あぁ国を滅ぼしたところから連想したようだな。俺はそもそも大人しい方だぞ。ただ、その国の奴らが欲に眩んだ結果俺を嵌めて殺そうとしたんだよ。それにイラついてやってしまったんだ』
「なるほど」
龍の素材は万能素材のようで武器にもなるし、道具にも、回復薬にもなる。そして作られた物は神の如し力が付与されるようだ。友好的な龍は生え変わりの時の鱗や怪我をした時の血などを仲良くしている物に与えるようだ。
『あぁそれと先に言っておく。俺は心を司ると言っただろ』
「はい」
『お前らの心読み取ることが出来る。まあ、曖昧にだがな』
マジか。
『まあ、心の声ではないから詳細は分からない。驚きや悲しみなどの大雑把な感情しかわからん!!』
「警戒を解いたのはそういう事でしたか」
『あぁお前からは一切の悪意を感じとれない。そして街の話を聞いた時の反応を見る限り本当にわかってなかったようだな』
「私自身その街に生み出されるはずだったんですけど」
『こんな辺鄙な所に生み出されるとはな。運は悪いようだな』
「否定は出来ない」
それにしてもアンドロスと白葉静かだな。と思って後ろを振り向くと固まっていた。
「おっおい?お前ら?」
ハッとして動き始めた。
「敏夫さん!!この方は良い方なのですか!?」
「「「ワワワワン!!」」」
「もしかして念話聞こえてないのか?」
『あぁこの技は1人しか対象に出来ないからな。突然お前が止まったようなもんだな。それに俺と戦って勝算なんてないからな。見守るしか出来なかったのだろう。その証拠にこいつらの心は畏怖からお前への心配に変化した』
「念話?」
「あぁ、この人?龍は情龍と言ってこの世の管理をしている龍の一龍らしい。コミュニケーション用のスキルみたいで1人しか話が出来ないんだ。ごめんずっと情龍さんと話してた」
「そうなんですか?」
「あぁ。で聞いてみた所この先に街はないらしい」
「え!?」
「廃墟になってるみたいだ」
「どうします?」
「…どうします?って言ってもなぁ。行くだけ行ってみようぜ」
「行くあても無いですしね」
「えっと情龍さん?」
『さん付けなどやめろ!!俺は昔から様とか付けて言われてきたがさんなんて言われたこともねえから違和感がひでぇ』
「なら情龍様?」
『…まあ、ここまで話が出来たのはお前が初めてだ。特別に情龍だけでも良いぞ。それとも何か名前をつけてくれぬか?』
「名前!?名前…うーんガープなんでどうです?」
『ガープか。良いな!!うん。ではこれからガープと名乗ろう!!』
《称号:ガープの名付け親を手に入れた》
ニナコさんのような声が頭に響く。
(えっと、ニナコさん?この声は?)
『この声は神の声と言われる物です。なにか特殊クエストをクリアしたり称号を手に入れたら鳴る様になっております』
なるほどアナウンスか。
『簡単に言えばそうです』
ガープの名付け親ってなんかそのままだな。
(ニナコさん。ガープの名付け親の効果だけ見れる?)
『可能です。映します』
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ガープの名付け親:ガープの力の一端を扱うことが出来る。スキルとして精神魔法、近接格闘術の中に精神統一が追加、眷属召喚が追加される。
------------------
名前からしてやばそうだな。能力の詳細はっと。
------------------
精神魔法:その名の通り精神を操ることが出来る。相手を恐怖に導いたり自分に従順にするなど。レベルが上がるほど成功率が高くなり効果も強くなる。
精神統一:発動させると10秒間動けなくなるがステータスが10ずつ増加する。最長60秒。発動時間内に感情の変動が激しくなると途中で効果が切れてしまう。増加した分は10分ほどで解除される。
眷属召喚:情龍の眷属である[プライドバット][ラスエイプ][エンビーキャット][スローススネールズ][グリードスパイダー][グラトニークロコダイル][エンヴィーラビット]を一日に1体召喚可能。魔力を10消費する。
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なんて言うか…ヤバいな。
『そもそも龍の名付け親になるなんてことは普通ありえませんよ。他に存在する龍種の方々には恐らく神のように名前をつけられると思います。情龍様は昔すぎるために名前を無くしたのだと思います』
なるほど、昔過ぎると誰も彼も忘れてしまうのか。うーんワビサビなのかこれは?
まあ、そんなことは関係ないな。
『自分の名前があるなんて久しぶりだな。ありがとう敏夫よ』
「名前ぐらい大丈夫ですよ。あ、それと私達はこれからとりあえず廃墟となった街を目指します」
『そうか…わかった。俺はもうそろそろ別のことに取り掛かるからいなくなるが…また会った時は話をしよう』
「はい、私でよければ」
『敏夫にしか頼めないぞこんなの。それじゃぁな、小さな友人よ』
情龍はそう言いながら森の奥に消えていった。
「大丈夫ですか?敏夫さん」
「クーン?」
「あぁ大丈夫だよ。それにしても貴重な体験をしたもんだ。とりあえず街に向かおう」
「わかりました!!
「「「ウォン!!」」」
その前に白葉が見つけてくれたところに向かうか。
その後は何も無く川のある所に着いた。
「結構綺麗だな」
川は少し流れが早いな。そしてまあまあの深さがありそうだな。周りには気が生えておらず砂利や小さな石でキャンプ場みたいに開けている。そして中心に柱がある。何あれ?
『あれは恐らくセーフティーバーです』
(セーフティーバー?)
『あの柱を起動させると指定された時間内で指定された範囲の中には魔物が近づ来ません』
(あぁよくあるセーフティーゾーンってやつか)
『セーフティーゾーンというのはまた別にあります。明確な違いはセーフティーバーを発動させてから説明しましょう』
まあ、後で紹介すると言ってるしとりあえず近づくか。セーフティーバーは高さ2mぐらいの少し大きな柱だ太さはそこまでなさそうだな。直径50cmぐらいだな。
『触れるだけで大丈夫です』
言われた通りに柱に触れると青白い色が柱から溢れてドーム状に広がる。その広さは河原と川の1部を包み込む程だ。
『この光に包まれた範囲がセーフティーバーが指定する安全な場所です。ここには魔物は近づかず動物やプレイヤー、NPCのみしか入れません』
へえ便利だな。
『そしてセーフティーゾーンとバーの違いは。柱にもう一度触れてみてください』
もう一度触れてみると四角形のアイコンが出てくる。そこには30:00と数字が書いてある。
『ここは30分間使用出来る場所のようですね。セーフティーゾーンはこのような時間制限はなく使用できます。セーフティーバーは先程話した通り表示された時間内でしか利用できないです。そして再度使用するにも時間を要します。使用できる時間は場所により異なります』
なるほど。まあ、ここはダンジョンじゃないから当然か。ダンジョンはずっと魔物が襲いかかって来るが、外ではずっとという訳では無いからな。
『とりあえず、ここで休憩しましょう30分以内にこの方々も起きるでしょう』
(そうだな)
「それじゃアンドロスに白葉とりあえずここで休憩だ。自由に過ごしていいぞ」
「わーい!!」
「ウォン♪」
1人と1匹は楽しそうに森の中に消えた。なんか普通に行ったけど…まあ序盤の森だし大丈夫だろ。
魔物図鑑NO.3
メタルウルフ
ハイウルフの進化先の一体。全身の毛は金属で出来ており位の低い武器では到底切れない。ダンジョンの中でも上位に位置する魔物。ハイウルフとそこまで色が変わらないためハイウルフと勘違いして全滅したパーティーは少なくない。金属特有の光沢が見えないと見分けがつかない。俊敏力はハイウルフからは増えておらず中には減っている個体も存在する。ダンジョンの他にも鉱山の中で発生することがある。変異個体として体の一部が宝石もいる。繁殖する個体も存在する。
攻撃行動
・噛み付き
・切り裂く
・飛びかかり
・体当たり(裂傷ダメージあり)
・毛針飛ばし(金属の毛を周りに飛ばす)
・薙ぎ払い(尻尾)
・砂かけ
・魔法(個体差あり)
・咆哮(レベル15以降使用可能)
ドロップアイテム
・金属の毛皮
・金属の爪
・金属の牙
・目玉
・金属の頭蓋骨
・金属の骨
・金属の尻尾
・肉
・魔石
・脳みそ
レアドロップ
・金属の魔石
・霜降り肉
・宝石
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