逆さまのお姫様

のあり

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お姫様には、王子様

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すべてのものが 逆さまの

お城の中の お姫様

逆さになった ティーカップ

逆さになった 白い靴

逆さになった 甘い夢


夢の中では 逆さまの

お馬に乗った 王子様

もちろんのこと 端正な

王子様こそ 逆さまだ


姫と王子は 逆さまの

本を逆さに 読んでいる

終わりがくれば はじまりで

はじまったなら 終わらない

お話こそが 逆さまだ

ページを繰れば 逆さまの

夢の中での 逆さまの

本の中には 逆さまの

お城の中に 姫がいて

こちらを見つめ こんにちは


こちら側には 逆さまに

なった光を 浴びながら

逆さになった 王子様

黒いお馬を 走らせて

ついにお城に たどり着く


すべてのものが 逆さまの

お城の中の お姫様

もうすぐ朝が きたならば

甘い夢から 目を覚ます

夢はついには 逆さまで

あることやめて 逆さまな

夢を見ていた 逆さまの

姫はもうすぐ 元通り

夢はどこから 夢なのか

夢はどこまで 夢なのか

とにもかくにも 朝がきた

逆さまでない 鳥が飛び

逆さまでない 鐘が鳴る

すべてのものが 元通り


逆さまでない 端正な

王子は馬に 乗ったまま

窓の外から 呼びかける

逆さまでない お姫様

大きな声で 返事する

「ここにいますよ わたくしは」


姫が支度を する間

王子は庭で 茶をすする

王子はやがて 作り出す

逆さまでない まっすぐな

愛そのものの 愛の詩を
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