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第1章
鬼王神社の宝玉 5
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鎮守の森に隠れている親分は開いた口が塞がらなかった。
何しろ誰もいない神殿の内部から神々しい光が放たれたのだ。
──親分は夢かと思った。
仕方ないので左右にいて木にもたれて眠り呆けている一と二の頭を思い切り殴った。
「いってー」ほぼ二人同時に叫び目を覚ました。
親分は満足だった、こりゃ夢じゃねえ御神体は本物の力を持っているに違いねぇ!
そして幼稚園を見た、まだあちこち電気がついている。それに体育館からは楽しそうな笑い声すら聞こえてくる。
「早く寝ろよ、クソガキめ」
体育館の中は、それはそれは、盛り上がっていた。枕が縦横無尽に宙を舞い、右へ左へ子どもが駆け回る。
きゃーきゃー叫び声が響きわたり、敷布団もタオルケットもぐちゃぐちゃになった。
そこに担任のみか先生が入ってくる。
「はいはい、みなさんもう終わり! 」
──子どもたちの動きが止まった。
さくらも枕だけでは飽き足らずに、丸めたタオルケットを持ち上げていたが、動きを止めた。
と、飛んでいた一個の枕が、みか先生の顔にあたった。
ぼふ!
きゃー! 再び騒々しくなる体育館。
しかし、みか先生も負けてはいない、もう10年も幼稚園の先生をやっているのだ。
「うー…もう9時です。おとなしくねましょうね、じゃないと鬼が君たちを連れ去りにきますよ、怖ー」
『……』一斉に静かになる子どもたち。
「鬼王神社の鬼たちが、悪い子を連れていっちゃうんだからなぁ」おもいきり怖がらせるように叫んだ。
『…はーい』
子どもたちは現金だ、みんないい子になる。
「じゃあ枕と寝具を元に戻してください」
そんなみか先生をよそに、補助のまきこ先生がさくらのそばに来て、耳元で囁いた。
「さっきごんちゃんから電話があってね、今夜は大人しくして、静かに寝なさいと言ってたよ」──町中の誰からも権三は親しみを込めてごんちゃんと呼ばれていた。
さくらは丸めたタオルケットを見た。
「さすがおじいちゃん、なんでもお見通しね」
「本当、見えてるみたい」
しかし、さくらは思った。
──ごんちゃんが言っているのは、ほんとにこの事かしら…。
片付けも終わって、子どもたちは各々の布団にちょこんと座る。
みか先生はそんな園児たちを確認すると言った。
「お泊まり会楽しいですか? 」
『はーい』
「でも、もうおねんねの時間、さあみなさんご一緒に」
『おやすみなさーい』
子どもたちと先生の声が揃った。
体育館の照明が消されて、その後30分程して、幼稚園の全ての照明が消された。
そんな幼稚園の様子を見て一が言った。
「電気が消えましたぜ親分」
「うむ」
「一気にいっちゃいますか」二が言った。
「アホウ、神社の御神体といえ、こんな巨大な宝石が、今まで盗まれずにいたのは何か訳があるに違いない、慎重にいけ、もう少し待ってからだ」
「おい一、もう少し待ってからだ、慎重だ」二が一に向かって言う。
「うむ、親分慎重にいけ」一が言う。
「うむ…って誰に向かって言ってんだ、俺が親分だぞ! 」
「へい」
「へい」
と、親分は腕時計を見る。
「決行は11:00にする」
『了解』
何しろ誰もいない神殿の内部から神々しい光が放たれたのだ。
──親分は夢かと思った。
仕方ないので左右にいて木にもたれて眠り呆けている一と二の頭を思い切り殴った。
「いってー」ほぼ二人同時に叫び目を覚ました。
親分は満足だった、こりゃ夢じゃねえ御神体は本物の力を持っているに違いねぇ!
そして幼稚園を見た、まだあちこち電気がついている。それに体育館からは楽しそうな笑い声すら聞こえてくる。
「早く寝ろよ、クソガキめ」
体育館の中は、それはそれは、盛り上がっていた。枕が縦横無尽に宙を舞い、右へ左へ子どもが駆け回る。
きゃーきゃー叫び声が響きわたり、敷布団もタオルケットもぐちゃぐちゃになった。
そこに担任のみか先生が入ってくる。
「はいはい、みなさんもう終わり! 」
──子どもたちの動きが止まった。
さくらも枕だけでは飽き足らずに、丸めたタオルケットを持ち上げていたが、動きを止めた。
と、飛んでいた一個の枕が、みか先生の顔にあたった。
ぼふ!
きゃー! 再び騒々しくなる体育館。
しかし、みか先生も負けてはいない、もう10年も幼稚園の先生をやっているのだ。
「うー…もう9時です。おとなしくねましょうね、じゃないと鬼が君たちを連れ去りにきますよ、怖ー」
『……』一斉に静かになる子どもたち。
「鬼王神社の鬼たちが、悪い子を連れていっちゃうんだからなぁ」おもいきり怖がらせるように叫んだ。
『…はーい』
子どもたちは現金だ、みんないい子になる。
「じゃあ枕と寝具を元に戻してください」
そんなみか先生をよそに、補助のまきこ先生がさくらのそばに来て、耳元で囁いた。
「さっきごんちゃんから電話があってね、今夜は大人しくして、静かに寝なさいと言ってたよ」──町中の誰からも権三は親しみを込めてごんちゃんと呼ばれていた。
さくらは丸めたタオルケットを見た。
「さすがおじいちゃん、なんでもお見通しね」
「本当、見えてるみたい」
しかし、さくらは思った。
──ごんちゃんが言っているのは、ほんとにこの事かしら…。
片付けも終わって、子どもたちは各々の布団にちょこんと座る。
みか先生はそんな園児たちを確認すると言った。
「お泊まり会楽しいですか? 」
『はーい』
「でも、もうおねんねの時間、さあみなさんご一緒に」
『おやすみなさーい』
子どもたちと先生の声が揃った。
体育館の照明が消されて、その後30分程して、幼稚園の全ての照明が消された。
そんな幼稚園の様子を見て一が言った。
「電気が消えましたぜ親分」
「うむ」
「一気にいっちゃいますか」二が言った。
「アホウ、神社の御神体といえ、こんな巨大な宝石が、今まで盗まれずにいたのは何か訳があるに違いない、慎重にいけ、もう少し待ってからだ」
「おい一、もう少し待ってからだ、慎重だ」二が一に向かって言う。
「うむ、親分慎重にいけ」一が言う。
「うむ…って誰に向かって言ってんだ、俺が親分だぞ! 」
「へい」
「へい」
と、親分は腕時計を見る。
「決行は11:00にする」
『了解』
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