59 / 93
第4章
災害警報発令中 14
しおりを挟む
「…うむ」
何か考え事をしていたごんちゃんは席を立った。そして、同じようにモニターをみて唖然としている数名に言った。
「ちょっと席を外す、その間は副町長の指令に任せる」
『は、はい』
ごんちゃんは席を立つと、洋館へと向かった。
茂は放心状態で二人の行動を見守ると、コントロールルームの椅子に力無く座った。
何という事をやってのけたんだ、溺れた二人を助けて、町までも──おそらくもうすぐ戻ってくるだろう。
お風呂に毛布に暖かいご飯を用意してあげよう。
ご褒美に好きな物買ってあげなきゃな…
「ふう」
茂は椅子から立つと、コントロールルームを出て風呂場へと向かった。
こてん、力を出し切ったさくらはももの腕の中に寄りかかった。
すーすーすー…小さな寝息を立てて寝ている。
さくらは涙が溢れた。
この小さな体の力の全てを使って、二人の命を救ったのだ。
「さくら、頑張ったね」
自らも体力のほぼ全てを使い切っていたが、さくらの体をしっかりと抱きしめて立ち上がると、その場から消えた。
野川の上流で、冷静になった二人の警察官はパトカーを降りると驚いた。
『川の水が消えている! 』
「おまわりさん、そんな事よりこっち」
ボンネットの上からどんとの叫びが響く。それに気がつく警察官。
「どうして君たちはそんなところに…」
警察官の一人が言った。
「そんな事より教授が目を覚まさないんです」
そう言うとボンネットから降りた。
「どれ…」
一人の警察官がボンネットで横たわっている教授に近寄った。
「大丈夫息はある水も飲んでいない、気を失ってるだけだ。病院に搬送しよう」
警察官は二人して教授を下ろすと、パトカーの後部座席に乗せた。そして立ち竦むどんとに言った。
「君は、この男性の息子さん? 」
「いえ、なんていうか、友達です」
「なるほど、どこに住んでいるんですか? 」
「小料理屋蘭の息子、土門富久です。みんなにはどんとって呼ばれています」
「避難警報で住民は全て避難したのに、なぜここに…」
「教授が気になって…来てみたら、そんな事より早く病院へ! 」
「そうだな、行こう! 君はどうする」
「大丈夫です、パティオに戻ります」
「じゃあ、後で話を伺いに行くかもしれません、よろしくお願いします」
「は、はい」
と、パトカーはエンジンをかけた。そして、土手の道を走り去った。
どんとは教授が生きている事にホッとすると、パティオに向かって歩き出した。
何か考え事をしていたごんちゃんは席を立った。そして、同じようにモニターをみて唖然としている数名に言った。
「ちょっと席を外す、その間は副町長の指令に任せる」
『は、はい』
ごんちゃんは席を立つと、洋館へと向かった。
茂は放心状態で二人の行動を見守ると、コントロールルームの椅子に力無く座った。
何という事をやってのけたんだ、溺れた二人を助けて、町までも──おそらくもうすぐ戻ってくるだろう。
お風呂に毛布に暖かいご飯を用意してあげよう。
ご褒美に好きな物買ってあげなきゃな…
「ふう」
茂は椅子から立つと、コントロールルームを出て風呂場へと向かった。
こてん、力を出し切ったさくらはももの腕の中に寄りかかった。
すーすーすー…小さな寝息を立てて寝ている。
さくらは涙が溢れた。
この小さな体の力の全てを使って、二人の命を救ったのだ。
「さくら、頑張ったね」
自らも体力のほぼ全てを使い切っていたが、さくらの体をしっかりと抱きしめて立ち上がると、その場から消えた。
野川の上流で、冷静になった二人の警察官はパトカーを降りると驚いた。
『川の水が消えている! 』
「おまわりさん、そんな事よりこっち」
ボンネットの上からどんとの叫びが響く。それに気がつく警察官。
「どうして君たちはそんなところに…」
警察官の一人が言った。
「そんな事より教授が目を覚まさないんです」
そう言うとボンネットから降りた。
「どれ…」
一人の警察官がボンネットで横たわっている教授に近寄った。
「大丈夫息はある水も飲んでいない、気を失ってるだけだ。病院に搬送しよう」
警察官は二人して教授を下ろすと、パトカーの後部座席に乗せた。そして立ち竦むどんとに言った。
「君は、この男性の息子さん? 」
「いえ、なんていうか、友達です」
「なるほど、どこに住んでいるんですか? 」
「小料理屋蘭の息子、土門富久です。みんなにはどんとって呼ばれています」
「避難警報で住民は全て避難したのに、なぜここに…」
「教授が気になって…来てみたら、そんな事より早く病院へ! 」
「そうだな、行こう! 君はどうする」
「大丈夫です、パティオに戻ります」
「じゃあ、後で話を伺いに行くかもしれません、よろしくお願いします」
「は、はい」
と、パトカーはエンジンをかけた。そして、土手の道を走り去った。
どんとは教授が生きている事にホッとすると、パティオに向かって歩き出した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる