陽あたりのいいパティオ 〜ももとさくらは人類最強です〜

あかぎ さわと

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第5章

嵐の後の学校公開 3

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 どんとはその日の帰り、町立病院に教授を見舞いに行った。
 教授には、期限切れの大学の職員証を見せてもらっていたので、本名が住田 登紀夫である事は分かっていた。
 病院の受け付けで住田さんの病室を聴いて向かった。大好きな和菓子屋十年堂で売っている『あんこのはいったなめらか牛乳プリン』をお土産に持ってきた。
「教授、具合はどう? 」
 病室に入るどんと。病室には教授一人しかいない。
「おおどんと君お見舞いに来てくれたのか、悪いねぇ」
「へへ、お土産買ってきたよ、一緒に食べよう」
 と、どんとはベッドの横に置いてあるパイプ椅子を広げて座った。
「そんな気にしないでくれよ、恐縮してしまう」
「いいから、いいから」
 ビニール袋からプリンを二つ取り出す。
「悪いなぁ」
 教授とどんとはプラスチックのスプーンでプリンを食べだした。
「こりゃうまい」
「でしょう、僕の大好物」
「なんだか孫にお見舞いに来てもらってるようだ、嬉しいよ」
「へへ、教授は家族はいないの? 」
 容器をかちゃかちゃいわせて聞く。
「妻が自宅におる」
「なんで一緒に旅しないの? 」
「ちょっと訳があってな…」
「ふーん、子どもはいないの? 」
「はは、娘が一人おったが、どこでどうしていることやら…ああ、プリンうまかった」
「でしょ」
「ああ、最高だ」
「ねえねえ病院にはいつまでいるの? 」
「一週間ばかりおらせてもらうかな、ちょっと疲れたからね」
「病院を出たら家に来るといいのになぁ」
「はは、そんなご迷惑をかけられんよ」
「あー残念、そしてまたどっかいっちゃうの? 」
「まだ決めてない…」
「探している人が早く見つかるといいね」
「うん、…そうだまだどんと君の名前を聞いてなかったな、ワシの命の恩人だ。君がいないと確実に死んでいた。聞いてもいいかい? 」
「いいよ、僕は土門 富久です。こちらこそ遅れました。教授は住田 登紀夫さんでいいんでしょう」
「よく覚えてたな、職員証に書いてあったからな」
「僕、記憶力はいいんだ」
「土門 富久でどんとか…え、あれ…」
「どうしたの? 」
「うーん、どこかで聞いたような…はて」
「日本中旅してるんだから、同じような名前の人いるよね」
「…」
「それより、教授は川での出来事を覚えてる? 」
「いや、全く、気が付いたらここで寝ていた」
「僕もなんだ、気が付いたらパトカーのボンネットに乗ってた」
「不思議だの、誰が助けてくれたのかな…」
「さあ、全くわからない」
「ふむ、不思議だ…」
「そうそう、今週テスト週間だから、ちょっとこれないけど、日曜日にはまた来るから、いなくなっちゃ駄目だよ」
「ああ、約束するよ、黙っていなくなったりしない」
「よかった、絶対約束だよ」
「ああ、約束だ」
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