金剛石男と月夜姫 〜えーっ! マジで私が姫さまなの!!!〜

あかぎ さわと

文字の大きさ
13 / 113
第一章 地球人と月夜姫

なよ竹のかぐや姫の物語2

しおりを挟む
「ちょと待って、ちょっと待って、だって帰り際に不老不死の妙薬を帝に渡していますよね、物語では天上界には死も争いもない世界となってるし」
「そうです、現実をカモフラージュする為にそうなっているのです」
「カモフラージュですか」
「はい、研究するにはかぐや姫は有名になり過ぎた、だから雲の乗り物で天上界に帰った事にしたんですな、雲の乗り物の技術は私の操る車にも生かされています」
「じゃあ、帝が富士山で焼いたとされてる不老不死の妙薬は、なんだったの」
「当時の帝が全て仕組んだ事でございます。帝は何度もかぐや姫と接するうちに、かぐや姫の研究がかぐや一族の存亡を左右する重大な責務であると実感なさりました。
 それでこれから一族をあげて協力すると仰いました。
 確かにかぐや一族には争いがありません、でも、不老不死は寿命の短い一族の願望の現れなのです。その感謝の印として大量の黄金と一句お贈りになりました」

「もしかして、竹取物語に出てくる………」

 いまはとて 天の羽衣 着る時ぞ 
 君をあはれと おもひいでぬる

「その通りでございます。現代訳だと、最後に天の羽衣を着るまさにその時に、ふとあなたをしみじみと思い出してしまいます。となりますが、裏をかえせばさりげなく最大の感謝の気持ちを込めた唄なのです」

 ひゃああああああ。

「焼いたとされる不老不死の妙薬などありません。帝はその物語に教訓を含めた。不老不死などこの世からなくなった、死が訪れるその時まで、一生懸命生きて生を謳歌するべきが、人の世の常なり、と」

「………」

「そして長い長い年月を経て、開発された設備がこのお屋敷の地下200メートルにある人工知能『ルナ』が搭載された『肉体改造装置』と『魂の注入装置』です」

「そんな物があるんだ! 」

「はい、最初は肉体の改造だけで寿命が伸びると思っていたそうなのですが、器の寿命が伸びても魂が離れたら死んでしまうんですな、それで開発されました。ですがまだ一度も起動しておりません」
「一体、どうやって動かすの? 」
「私には分かりませんが、それぞれの基礎理論を記述された書物が残っていて、かぐや語で書かれておりますので、お読みください」
「かぐや語なんて私に読めるのかしら………」
「はい、かぐや一族は地球人の何百倍も先をいく、膨大な知識と技術を伝承してきました。代々の女王様はその全てを記憶なさった、しかし、寿命が短い。で、どうしたと思います? 」
「うーん、さっぱりわからん」
「ふふふ、そのお子様の頭脳に知識を遺伝させ、時がくると封印が解けるような仕組みを開発なさった。月夜姫の今までの年月で肉体と知識に少しづつ影響していましたが、全ての封印が完全に解かれるその時こそ、十四歳、月夜姫! 」
「は、はい」
「姫さまの今のお年でございます」
「わ、私の年齢? 」
「はい」
「なーんにも変わった事がないけど」

「いえ、かぐや語のかぐや文字を読んだ瞬間、封印は、封印はその瞬間に完全に解かれます」

「ま、マジですか」

「マジでございます。さあ地下200メートルへと参りましょう」

 そう言ってサラリと椅子を立った翁じいに、私もついて行った。

 この話が本当だとすると、私は後16年しか生きられない事になる、そんなの嫌だな。
 こうなったら真実を確かめるしかない。
 私は右手に浮かんでいる三日月のお印を確認した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

悪役皇子、ざまぁされたので反省する ~ 馬鹿は死ななきゃ治らないって… 一度、死んだからな、同じ轍(てつ)は踏まんよ ~

shiba
ファンタジー
魂だけの存在となり、邯鄲(かんたん)の夢にて 無名の英雄 愛を知らぬ商人 気狂いの賢者など 様々な英霊達の人生を追体験した凡愚な皇子は自身の無能さを痛感する。 それゆえに悪徳貴族の嫡男に生まれ変わった後、謎の強迫観念に背中を押されるまま 幼い頃から努力を積み上げていた彼は、図らずも超越者への道を歩み出す。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
 女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!  HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。  跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。 「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」  最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!

処理中です...