金剛石男と月夜姫 〜えーっ! マジで私が姫さまなの!!!〜

あかぎ さわと

文字の大きさ
96 / 113
第四章 帝との約束

3つの鍵4

しおりを挟む
 綺麗に折りたためられたシルクのようなその羽衣は、柔らかく私を迎えてくれた。

 ——これが二つ目の《鍵》

 間違いない、思った通りだ。

 かぐや姫の末裔ならこれで空を飛べる筈。
 私は箱から『天の羽衣』を取り出すと首から下げた。
 中心がふわりと弧を描くように空に浮かびあがり、体が包まれた。
 私は一つ目の箱を抱えると、目を閉じて集中した。
 もう、水は腰まで浸かった。

 できる、絶対飛べる。

 かぐや姫、私に力を下さい、月夜はあなたの末裔です!

「お待ちしてました。一緒に空へ向かいましょう」——かぐや姫の声だ! 確かに聞こえた!

 そして私は空に向かって浮かんだ。
 出口の穴の中を月に向かって浮かんだ。

 ドドドー!

 一気に水かさが増すと、洞窟の小部屋が完全に浸水した。

 ほっ。

 安堵しながら地上へと向かう、だが、問題は《三つ目の鍵》だ。
 これからどうなるのだろう? まさか《鍵》は二つ? そんな事はない筈だ記憶に間違いはない。

 鍵は三つだ!

 そして地上へ出た。
 皇居の中庭らしい。
 足元の穴が一瞬で閉じる、お屋敷と一緒だ。

 どれが《鍵》なんだ。

 不思議に思っていると、天の羽衣の浮力がなくなった。

「きゃあああああ」

 どん!

 その場に尻餅を着いた。

 と、何十人もの警官隊が取り囲んでいた。

 皇宮警察だ! 光を見つけて集まったんだ。

「捕えろ! 」

 隊長が叫ぶと私は手足が動かなくなった。
 取り押さえられた。

 しまった!

「お前は何者だ! どうやって光る穴から出て来たんだ! それよりなんで庭が光って穴が開いたんだ? 」
 隊長が戸惑いながらそう言った。

「………」

「そして閉まっちゃった。なんだこれ、なんだこれ! いったい全体どういう仕組みだ??? 」

「………」

「おい、説明して貰おうか、コソ泥め」
 威嚇するように言った。

「………」

 どうしよう………

「一体その箱はなんだ! 何を持っている? 何を盗んだんだ????? 」

「………」

「答えられないなら留置所まで来てもらうぞ、どうするかは檻の中で考えな、連れて行け! 」

『了解』
 手足を持つ警官隊が力を入れる。

 ああ、駄目だ!

 と、その時だった。

「お待ちなさい」

 どこまでも届くような透き通った声が聞こえた。
 高貴で落ち着いた口調だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

氷の精霊と忘れられた王国 〜追放された青年、消えた約束を探して〜

fuwamofu
ファンタジー
かつて「英雄」と讃えられた青年アレンは、仲間の裏切りによって王国を追放された。 雪原の果てで出会ったのは、心を閉ざした氷の精霊・リィナ。 絶望の底で交わした契約が、やがて滅びかけた王国の運命を変えていく――。 氷と炎、愛と憎しみ、真実と嘘が交錯する異世界再生ファンタジー。 彼はなぜ忘れられ、なぜ再び立ち上がるのか。 世界の記憶が凍りつく時、ひとつの約束だけが、彼らを導く。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

追放令嬢ですが、契約竜の“もふもふ”に溺愛されてます(元婚約者にはもう用はありません)

さら
恋愛
婚約者に裏切られ、伯爵家から追放された令嬢リゼ。行く宛のない彼女が森で出会ったのは、巨大な灰銀の竜アークライトだった。 「契約を結べ。我が妻として」 突然の求婚と共に交わされた契約は、竜の加護と溺愛をもたらすものだった! もふもふな竜の毛並みに抱きしめられ、誰よりも大切にされる毎日。しかも竜は国最強の守護者で、リゼを害そうとする者は容赦なく蹴散らされる。 やがて彼女は、竜の妻として王国を救う存在へ——。 もう元婚約者や意地悪な義家族に振り返る必要なんてない。 竜と共に歩む未来は、誰にも奪えないのだから。 これは追放された令嬢が、契約竜に溺愛されながら幸せと真の居場所を見つける物語。

追放された悪役令嬢ですが、前世の知識で辺境を最強の農業特区にしてみせます!〜毒で人間不信の王子を美味しい野菜で餌付け中〜

黒崎隼人
恋愛
前世で農学部だった記憶を持つ侯爵令嬢ルシアナ。 彼女は王太子からいわれのない罪で婚約破棄され、辺境の地へと追放されてしまいます。 しかし、ドレスを汚すことを禁じられていた彼女にとって、自由に土いじりができる辺境はまさに夢のような天国でした! 前世の知識を活かして荒れ地を開墾し、美味しい野菜を次々と育てていくルシアナ。 ある日、彼女の自慢の畑の前で、一人の美しい青年が行き倒れていました。 彼の名はアルト。隣国の王子でありながら、政争で毒を盛られたトラウマから食事ができなくなっていたのです。 ルシアナが差し出したもぎたての甘酸っぱいトマトが、彼の凍りついた心を優しく溶かしていき……。 王都の食糧難もなんのその、最強の農業特区を作り上げるルシアナと、彼女を溺愛する王子が織りなす、温かくて美味しいスローライフ・ラブストーリー、ここに開幕です!

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

王家に生まれたエリーザはまだ幼い頃に城の前に捨てられた。が、その結果こうして幸せになれたのかもしれない。

四季
恋愛
王家に生まれたエリーザはまだ幼い頃に城の前に捨てられた。

処理中です...