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第五章 人体再生

そして装置が動き出す3

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「うん、翁じい食べよう! 」
「えーえーそうしましょう、お腹ペコペコです」

「「いっただきまーす」」

 二人でそういうとまずは麦茶を飲んだ。
 喉がカラカラだったんだもの。

 ごくん!

「やっぱり美味しいー! これってお水が美味しいんだよね」
「はい」
「地下から汲み上げているの? 」
「違います」
「じゃあどこのお水? お屋敷にある水道の水もすっごい美味しいもの」

「月人が作ったお水を、地下のタンクに湧き出るようにしてもらっています、ずーっと昔からそうして貰っているんです」

「ええええええええ! そうなの」
 私は驚いた。

「はい、月人みんなの思いが地球にいる仲間の元に届けられているんです。
 そういえば先ほど、月のかぐやから通信が入りまして、今回の作業のデータ全てを送るように言われております、宜しいですか? 」

「かぐやが! 」
「はい」
「もちろんよ、よろしくお願いします」
「更に、月人に拡散して、必要ならば全ての人間と繋がれるようにセッティングしています」
「全てと繋がるってどういう事? 」

「かぐやが中心になって、月人十億人の頭脳を一つにするのです」

「えええええええええ! 」
「すっ凄い」
 翁じいがハンバーグを食べるのを辞めた。

「全員が鉄ちゃんの再生を願っています。快く承諾したそうです」

 みんな応援してくれてるんだ——

 頑張らなきゃ!

「かぐやにくれぐれも感謝を伝えてください」

  ※  ※  ※  ※

 ご飯を食べ終わると一気に睡魔が襲ってきて、ソファに横になって眠ってしまった。
 どのくらい寝ていたのだろう。

「月夜、月夜、風邪ひきますよベッドで眠りなさい」
 ママの声だ。
「うんママ、そうする」
 私は寝ぼけながらそう答えるとベッドに向かい布団に入った。
「鉄ちゃんも、すぐ傍におりますよ安心してお休みなさい」
「うん、鉄ちゃんお休み」
「おやすみー」
 鉄ちゃんの声が聞こえたような気がした、でも、閉じたまぶたは開かなかった。

 そのうち深い眠りについた。
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