【完結】悪役を脱却したい白豚王子ですが、黒狼王子が見逃してくれません ~何故かめちゃくちゃ溺愛されてる!?~

胡蝶乃夢

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本編

18.ジェラート・アイス・クリーム

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 入場を知らせる声に、来賓客は一斉に立ち上がり、盛大な拍手で王族を出迎える。
 僕も立ち上がり、拍手をしながらスポットライトの当たる方へと目を向けた。

 凛とした美声が響き渡る。

『氷と光の聖霊よ、我が進むべき道を指し示せ。【氷上道標アイス・ロード】』

 光りの当たる場所に、一瞬にして巨大なクリスタルのような美しい氷像が現れる。
 氷像の美しさに見惚れれば、氷像は砕けて弾け眩い光りを放ちながら、その形を変えていき、何も無かった空中に輝く氷の道を作り上げて、王族席までを繋げる。
 その上を、しずしずと歩みを進める王族達の中、先頭を行くのが本日の主役。


 魔法使いの国(アイス・ランド王国)の国王。
 ジェラート・アイス・クリーム(32歳)。


 派手な演出にも負けないだけの存在感を放つ、この王国の国王陛下だ。
 風に靡く白銀の長い髪、氷雪を思わせる白銀の目、色素の薄い白い肌、細身の長身に長い手足、芸術品のような超絶美形、鷹揚な所作は極めて優雅。
 魔法使いの王と言うよりは、精霊やエルフを連想してしまう、人間離れした美貌は幻想的で神秘的な雰囲気でもある。

 来賓者達は国王の美貌に感嘆の溜息を吐いては、その容貌を褒め称える。

「……あぁ……なんて、お美しいのでしょうか……」
「……おぉ……素晴らしい……なんと、お美しい事か…………どんな高名な芸術家にも、このお美しさは表現する事はできないだろう……眼福の至りだ……」
「……あれこそが、正しく我らが魔法使いの王に相応しいお姿……本当に、お美しい……毎年、国王陛下の御尊顔を拝見できる事を、どれだけ待ち遠しく思っている事か……はぁ、感動に打ち震えてしまいます……」
「……国王陛下は勿論の事ですが、王族の方々も、なんとお美しい事か……まるで女神や天使のようなお美しさ……天上の園を垣間見ているようです……」

(確かに、ゲームでも思ったけど、王族は基本的に美男美女ばかりなんだよね。攻略対象者にもなるから、王族や要人が総じて美男美女なのは、当然と言えば当然な気もするけど……)

 国王の後に続いて歩みを進めるのは――


 由緒正しい血筋の王妃、ミルク・アイス・クリーム(30歳)。
 清楚でたおやかな美女。

 他国の王族から嫁いだ側妃、ココア・アイス・クリーム(29歳)。
 上品でしとやかな美女。

 王妃の子の第二王子、バニラ・アイス・クリーム(10歳)。
 品行方正で優しい美少年。

 側妃の子の第一王女、チョコレート・アイス・クリーム(9歳)。
 天真爛漫てんしんらんまんで愛らしい美少女。


 ――それはそれは、キラキラと光り輝く美しい王族の面々だ。

 王妃と側妃は同じく高貴な出自だった事もあり、お互いの立場を理解し尊重し合い関係は良好そのもので、その子供達は本物の兄妹のように仲が良かった。
 緊張している様子の妹王女を兄王子がエスコートしている。
 お互いに微笑み合い歩みを進める姿を目にして、僕は少し切ない気持ちになってしまう。

(僕も異母兄弟なのは一緒なのに、あの二人はあんなに仲が良いんだね……)
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