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本編
26.魔鉱石は危険な嗜好品
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少し遡り、ガトー王子一行に視点を移す。
ガトー王子達は本国の使命を終え、帰国しようと王宮から出て来た所だった。
想定していたよりも時間がかかった事に、護衛アーモンドと側近マカダミアがぼやく。
「それにしても、随分と長く足止めを食らったものだ」
「正式な使者である確認と贈物の検分でしたが、少々時間がかかり過ぎですね」
ガトー王子はマカダミアに時間を割いていた検分物について問う。
「贈物の宝飾品の中に魔鉱石が含まれていたという話だったか?」
「ええ、獣人である我々には魔力の有無は分かりませんからね。宝飾品の中に微力ながら魔力を帯びている宝石があるという事でした」
「ふむ、そうなのか」
「魔鉱石は最近では一部の魔法使い、特に上位貴族の者達が嗜好品として収集しているそうです」
嗜好品と聞いてアーモンドは驚き、訝しげな顔をして訊く。
「嗜好品? 魔鉱石など摂取して大丈夫なのか?」
「魔鉱石はまだ解明されてない点が多く何とも言い難いですが、体内に取り込むと魔力が増すとか、魔力の無い者も魔法を使えるようになるとか、眉唾物の噂話が流行っているそうで……実際にそれを信じて摂取した者が中毒症状を起こしたり、錯乱したり、廃人になるケースもあるとかで……到底、身体に良い物とは思えませんね」
肩を竦めて答えるマカダミアは、更に付け加えて言う。
「それを取り締まるのが大変だと宰相殿が零していました。そして、その対策に魔鉱石を研究する為、ショコラ・ランド王国で魔鉱石が採掘できるようなら取引がしたいとも、持ち掛けられました。この件は一度本国に持ち帰ると伝えましたが……」
物言いたげにマカダミアはガトー王子に目線を向けて言う。
「魔鉱石には毒性や依存性の高い物もあると聞きます。戦力を増したい状況下で、そのような噂が本国でも広まってしまえばどうなる事か……魔力が無く耐性の無い我々獣人には尚更、危険な代物でしかないでしょう。使い道を誤れば大変な事になってしまいます。なので、迂闊に国王陛下にお伝えできませんし、王国としての快諾もしかねるかと思うのです……」
「……毒か、そうだな……国王陛下には俺から進言しておこう」
ガトー王子が思案してそう答えると、マカダミアはほっとして胸を撫で下ろす。
今度はマカダミアがガトー王子とアーモンドに問い返す。
「私は検分の方に掛かり切りでしたが、アイス・ランド国王との謁見の方はいかがでした?」
ガトー王子とアーモンドはアイス・ランド王国の王族の面々を思い返す。
そして、ガトー王子は逡巡して真顔で呟いた。
「……恐ろしく整った尊顔だった……」
「アイス・ランド王国の王族は美男美女揃いと有名だったが、確かに壮絶な美貌だった。この国の他の貴族達とは違い、他国の王族として尊重する態度で終始にこやかに接されていたので好印象ではあった。私は王族らしい王族のように思ったぞ」
「……そうだな、確かにずっと微笑んでいたな……国王の張り付けたような微笑みが、俺には人形のように思えて、感情がまったく読めなかったが……相手に内心を悟らせないという点では、上位者として流石と言うべきなのか……」
「ほほう、ガトー殿下にまで悟らせないとは、見事としか言いようがないですな! 流石は王国の頂点に立つ者ともなると一枚も二枚も上手だ!! そして、いずれはガトー殿下もその域に達してしまうのですな!?」
「それはすごい、上位者として君臨するガトー殿下のお姿はさぞ素晴らしい事でしょう! この目にできる日が待ち遠しいですね、早く見たい!! 私はどこまででも御供しますからね!!!」
マカダミアが他国の王族に興味を示していたのが、いつの間にかガトー王子の話題に切り替わり、御供達は目を輝かせ尻尾をぶんぶんと振って、はしゃいでいる。
ガトー王子はそんな御供達に半目になり、白けた視線を送る。
「……何故、俺の話になった……何の話だ? ……」
ガトー王子達は本国の使命を終え、帰国しようと王宮から出て来た所だった。
想定していたよりも時間がかかった事に、護衛アーモンドと側近マカダミアがぼやく。
「それにしても、随分と長く足止めを食らったものだ」
「正式な使者である確認と贈物の検分でしたが、少々時間がかかり過ぎですね」
ガトー王子はマカダミアに時間を割いていた検分物について問う。
「贈物の宝飾品の中に魔鉱石が含まれていたという話だったか?」
「ええ、獣人である我々には魔力の有無は分かりませんからね。宝飾品の中に微力ながら魔力を帯びている宝石があるという事でした」
「ふむ、そうなのか」
「魔鉱石は最近では一部の魔法使い、特に上位貴族の者達が嗜好品として収集しているそうです」
嗜好品と聞いてアーモンドは驚き、訝しげな顔をして訊く。
「嗜好品? 魔鉱石など摂取して大丈夫なのか?」
「魔鉱石はまだ解明されてない点が多く何とも言い難いですが、体内に取り込むと魔力が増すとか、魔力の無い者も魔法を使えるようになるとか、眉唾物の噂話が流行っているそうで……実際にそれを信じて摂取した者が中毒症状を起こしたり、錯乱したり、廃人になるケースもあるとかで……到底、身体に良い物とは思えませんね」
肩を竦めて答えるマカダミアは、更に付け加えて言う。
「それを取り締まるのが大変だと宰相殿が零していました。そして、その対策に魔鉱石を研究する為、ショコラ・ランド王国で魔鉱石が採掘できるようなら取引がしたいとも、持ち掛けられました。この件は一度本国に持ち帰ると伝えましたが……」
物言いたげにマカダミアはガトー王子に目線を向けて言う。
「魔鉱石には毒性や依存性の高い物もあると聞きます。戦力を増したい状況下で、そのような噂が本国でも広まってしまえばどうなる事か……魔力が無く耐性の無い我々獣人には尚更、危険な代物でしかないでしょう。使い道を誤れば大変な事になってしまいます。なので、迂闊に国王陛下にお伝えできませんし、王国としての快諾もしかねるかと思うのです……」
「……毒か、そうだな……国王陛下には俺から進言しておこう」
ガトー王子が思案してそう答えると、マカダミアはほっとして胸を撫で下ろす。
今度はマカダミアがガトー王子とアーモンドに問い返す。
「私は検分の方に掛かり切りでしたが、アイス・ランド国王との謁見の方はいかがでした?」
ガトー王子とアーモンドはアイス・ランド王国の王族の面々を思い返す。
そして、ガトー王子は逡巡して真顔で呟いた。
「……恐ろしく整った尊顔だった……」
「アイス・ランド王国の王族は美男美女揃いと有名だったが、確かに壮絶な美貌だった。この国の他の貴族達とは違い、他国の王族として尊重する態度で終始にこやかに接されていたので好印象ではあった。私は王族らしい王族のように思ったぞ」
「……そうだな、確かにずっと微笑んでいたな……国王の張り付けたような微笑みが、俺には人形のように思えて、感情がまったく読めなかったが……相手に内心を悟らせないという点では、上位者として流石と言うべきなのか……」
「ほほう、ガトー殿下にまで悟らせないとは、見事としか言いようがないですな! 流石は王国の頂点に立つ者ともなると一枚も二枚も上手だ!! そして、いずれはガトー殿下もその域に達してしまうのですな!?」
「それはすごい、上位者として君臨するガトー殿下のお姿はさぞ素晴らしい事でしょう! この目にできる日が待ち遠しいですね、早く見たい!! 私はどこまででも御供しますからね!!!」
マカダミアが他国の王族に興味を示していたのが、いつの間にかガトー王子の話題に切り替わり、御供達は目を輝かせ尻尾をぶんぶんと振って、はしゃいでいる。
ガトー王子はそんな御供達に半目になり、白けた視線を送る。
「……何故、俺の話になった……何の話だ? ……」
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