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第二章 勇者ああああとバレンタインの魔女
2-3 彼氏いない仲間
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お皿にはカレーの乗ったハンバーグとライス。さらにはキャベツとラディッシュが細かくカットされたサラダ。
メインを後から食べる派の私は、先にサラダにフレンチドレッシングをかけて頬張る。
「んんっ、ほいひーれふ」
あまりの空腹にお口いっぱいに放り込んでしまったため、発音がおかしくなってしまった。
直ぐに、がっつきすぎた自分が恥ずかしくなり顔が赤くなる。
先ほどは意識がもうろうとしていて外観を見ることは叶わなかったが、内観は木材で作られた面白い形の装飾が施されている洋風のレストランとなっている。
もしかしてこの装飾すべてに魔法的な意味があるのか、なんて頭の隅で思いながら食事に集中する。
「んっぱぁ、それにしても、空腹って最高のスパイスなんですね! 癖になっちゃうかも……」
「倒れるくらいだもんね~。もしかしてお金がないの? 旅人?」
「それです! 私旅してるんです!」
会話が弾む中でも私の手は止まらない。最早、勝手に手が動いてるかのようであり、相当お腹が減っていたのだということを我ながら思い知る。
不意に外から聞こえた音へと目を向ける。
店の外はちょうど大通りに面しており、ちょうど目の前で祭りのパレードのようなものが行われていた。その行進している人たちは、何かを言いながら進んでいる。
「リア充はいねえが~、リア充はいねえが~」
「あの、もしかしてあの祭りはバッドウィッチ伝説の?」
「ええそう。まあ、あの魔女に模した人たちは、最終的にやられ役になるんだけどね。でも夕方まではリア充どもをいたぶってくれるから許してあげるわ」
まるでこの街を仕切っているかのような横暴な言動を放つ彼女。
名をヒリアというらしい。その姿から魔女なのかと思っているが、そう聞いた返答は曖昧でよくわからない。
話によると、この祭りはウィッチ街にて数百年前に起こったといわれる事件のバッドウィッチ伝説をモチーフにした祭りであるという。午前中から悪魔の仮面をつけた者たちが街を徘徊し、二十代くらいの若い人を見つけると背後から脅かしに来るという。
しかも、この祭りはバレンタインと並行して行われるため、街でデートしている若いカップルはその悪魔役の人たちの恰好の餌食となってしまうのだ。
それでヒリアさんはこんなにも喜んでいるらしい。
「でも気が合う人が見つかって良かったー。彼氏いない者同士、仲良くしましょ!」
「え、ええ。はい……」
ヒリアさんはなんだか男女交際について強い拘りがある様だが、まだ私には分からない世界のようだ。
メインのハンバーグも平らげ、お腹いっぱいになったところでヒリアさんが立ち上がった。
「よし! お会計済ませてくるねー」
「え! 申し訳ないですし、私が払います!」
「いいってことよ! 私たち同志でしょ?」
なんだかあまりに活発な彼女の仕草に気圧されてしまい、つい奢ってもらってしまった。
会計を待って先ほどと同じ席に座っていると、会計を済ませたヒリアさんが戻ってきた。
彼女は窓から街の様子を一望し、その後に私に相談を持ち掛けてきた。
「ねえ、なんだか街も騒がしいし、いったん私の家に行きましょうよ」
「いいんですか?」
「うん! 貴女のことは、もっともてなしたいしね」
私は彼女の提案に乗り、感謝を告げる。
ヒリアさんは明るい笑顔を浮かべながら私の手をつかむ。
「さあ、行きましょ?」
彼女に手を引かれるままに、私はレストランを飛び出したのであった。
メインを後から食べる派の私は、先にサラダにフレンチドレッシングをかけて頬張る。
「んんっ、ほいひーれふ」
あまりの空腹にお口いっぱいに放り込んでしまったため、発音がおかしくなってしまった。
直ぐに、がっつきすぎた自分が恥ずかしくなり顔が赤くなる。
先ほどは意識がもうろうとしていて外観を見ることは叶わなかったが、内観は木材で作られた面白い形の装飾が施されている洋風のレストランとなっている。
もしかしてこの装飾すべてに魔法的な意味があるのか、なんて頭の隅で思いながら食事に集中する。
「んっぱぁ、それにしても、空腹って最高のスパイスなんですね! 癖になっちゃうかも……」
「倒れるくらいだもんね~。もしかしてお金がないの? 旅人?」
「それです! 私旅してるんです!」
会話が弾む中でも私の手は止まらない。最早、勝手に手が動いてるかのようであり、相当お腹が減っていたのだということを我ながら思い知る。
不意に外から聞こえた音へと目を向ける。
店の外はちょうど大通りに面しており、ちょうど目の前で祭りのパレードのようなものが行われていた。その行進している人たちは、何かを言いながら進んでいる。
「リア充はいねえが~、リア充はいねえが~」
「あの、もしかしてあの祭りはバッドウィッチ伝説の?」
「ええそう。まあ、あの魔女に模した人たちは、最終的にやられ役になるんだけどね。でも夕方まではリア充どもをいたぶってくれるから許してあげるわ」
まるでこの街を仕切っているかのような横暴な言動を放つ彼女。
名をヒリアというらしい。その姿から魔女なのかと思っているが、そう聞いた返答は曖昧でよくわからない。
話によると、この祭りはウィッチ街にて数百年前に起こったといわれる事件のバッドウィッチ伝説をモチーフにした祭りであるという。午前中から悪魔の仮面をつけた者たちが街を徘徊し、二十代くらいの若い人を見つけると背後から脅かしに来るという。
しかも、この祭りはバレンタインと並行して行われるため、街でデートしている若いカップルはその悪魔役の人たちの恰好の餌食となってしまうのだ。
それでヒリアさんはこんなにも喜んでいるらしい。
「でも気が合う人が見つかって良かったー。彼氏いない者同士、仲良くしましょ!」
「え、ええ。はい……」
ヒリアさんはなんだか男女交際について強い拘りがある様だが、まだ私には分からない世界のようだ。
メインのハンバーグも平らげ、お腹いっぱいになったところでヒリアさんが立ち上がった。
「よし! お会計済ませてくるねー」
「え! 申し訳ないですし、私が払います!」
「いいってことよ! 私たち同志でしょ?」
なんだかあまりに活発な彼女の仕草に気圧されてしまい、つい奢ってもらってしまった。
会計を待って先ほどと同じ席に座っていると、会計を済ませたヒリアさんが戻ってきた。
彼女は窓から街の様子を一望し、その後に私に相談を持ち掛けてきた。
「ねえ、なんだか街も騒がしいし、いったん私の家に行きましょうよ」
「いいんですか?」
「うん! 貴女のことは、もっともてなしたいしね」
私は彼女の提案に乗り、感謝を告げる。
ヒリアさんは明るい笑顔を浮かべながら私の手をつかむ。
「さあ、行きましょ?」
彼女に手を引かれるままに、私はレストランを飛び出したのであった。
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