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雪の落し物
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ランニングを終え、息を整えながら玄関を開けようとしたとき
コンッ
何か足に当たった。
それを手に取ると、ハッキリと刀の鍔だと分かった。
「なんでこんなもんがここに……ハッグシュイッ!早く家に入ろう」
とりあえず、鍔をポケットに押し込み、家に入る。
しまった、こんな事なら出る前に暖房つけときゃ良かったな。
居間に入り、エアコンとテレビの電源を付ける。
『続いてのニュースです、脳科学、精神学で有名な浅葱雄大氏が新たな論文を発表しアメリカの大学で大きな話題をよんでいます。』
親父じゃねぇかっ!
あまりの驚きにテレビを二度見してしまった。
『先週に発表された【精神と魂の歪みから発生した世界滅亡の種】という主題の論文ですが、あまりにも空想的な話だという批判が殺到し、名だたる著名人などが非難の声を上げています』
また変わった主題の論文だな…
アメリカまで行って何してるんだか…
ポケットに手を突っ込むと鍔に手が当たる。
ん?暖かい…
ポケットから鍔を取り出して、改めて触ってみる。
まるで、この鍔がカイロみたいに暖かいのだ。
「なんだこれ?」
まぁ、なんだ、自分のものでは無いし、後で交番にでも持ってくか
ピンポーンピンポーン
「ゆーちゃん?おはよー」
チャイムの後に少し間延びした女の声
あぁ、幼馴染の伊藤琴美が来たのか。
とゆうかもうそんな時間か!?
時計をバッとみる
6時15分
いつもより少し早いな。
少し駆け足で玄関に向かい扉をあける。
「琴美、おはよう。今日は早いな」
学校の制服に身を包んだ少し身長の低い黒髪ロングの女の子
「ゆーちゃんおはよー、ちょっと早めに目が覚めちゃった」
そう言いながら微笑む。
「まぁ、なんだ頼む」
いつも朝ごはんとお昼のお弁当を作りに来てくれる。
「ううん、いいんだよー」
そう言いながら家に上がる
キッチンに向かい、エプロンをつける
毎日平日の日課になっているんだろう。
何となく両親がいない、この家で二人きりのこの時間はちょっとした幸せを感じる。
「今から朝ごはんバッパッと作っちゃうから、学校行く準備したらー?」
そうだな。少し早いけど、着替えてくるか。
「あぁ、分かった」
自分の部屋に戻り壁にかけてある制服を手に取る。
ズボンを脱いだ時、ゴトッという音でまた思い出す。
あぁ、交番に寄らなくちゃな。
制服に着替え、ウィンドブレイカーから鍔を取り出し制服の上着に突っ込む。
マフラーとかも持ってくか。
カバンとマフラー、手袋を持ち部屋を後にする。
「そいやさ、今日ランニングから家に帰ってきたら、玄関にこんなもんが落ちててさ」
そう言って料理をしている琴美に鍔を見せる
「刀の持つとこの上にあるやつ?」
「そうそう、んでさ、学校行く前に交番に寄っていきたいんだけど」
「いいよー、今日は早めに準備出来そうだしね」
そう言いながら、手は止めない琴美を見るとやっぱりすげぇなって思うよ
「あっ、そうだー!ご飯食べた後でいいから数学の宿題後でみせてー、やってはあるけど全然わかんなかった」
家事と運動は出来るくせに、勉強は全然だからなぁ…
「あぁ、いいぜ。いつものな」
そう笑いながら返した
因みに、俺は勉強に関してはそこそこ出来なくはない。
テストなら上位10番以内には入れる
運動もそこそこ出来るが、なんせ、帰宅部なんでな。
「ゆーちゃん、朝ごはん出来たよー」
「おぉ、ありがとう」
お盆に乗せられた朝食
白米、味噌汁、焼き鮭、キャベツの酢漬け
バランスのいい朝にはピッタリのご飯。
「「いただきます」」
「これ」
そう言ってノートを渡す。今日の数学の宿題が書かれたノートだ。
「ありがとー、ちゃっちゃとやっちゃうね」
そう言ってノートを写している間に俺は皿でも洗っておこう。
………
さて、交番寄って、学校行くか。
そう言って玄関を開ける
「よっ!琴美ちゃんおはよう!」
そこには金髪でピアスの悪友が立っていた。
「おい、山本、なんでここにいんだよ」
こいつは山本毅、俺の唯一の悪友だ。
学校では女の子に言い寄っては叩かれてる。
ただ顔はいい。ただ女癖がクソすぎる。
「とゆうか、俺の家まで来て俺には挨拶なしの琴美だけ挨拶とかどんだけなんだよ」
「悠也おはよ」
「言われたから言いました的なやめろよな」
琴美は後ろで笑ってる。
それに釣られて俺らも笑ってしまう。
「そいや、山本、交番に行くぞ」
「はぁ!?俺まだ捕まる事やってないぞ!」
大袈裟に反応する山本
まだってどうゆうことなんだ。予定でもあるんだろうか
「いや、お前の事じゃないぞ、これが今朝玄関に落ちててな。」
そう言ってポケットから鍔を取り出す。
「ほー、こりゃあ…」
大袈裟に反応していた山本が一変して悩んでいるような、困ったような顔になった
「なんだよ、気持ちわりぃな、山本がそんな顔するなんて」
「琴美ちゃん、前見せてもらった懐中時計見せてくれる?」
「え?これの事?」
そう言ってカバンから銀色と金色で翼の装飾がされている、明らかに高そうって懐中時計を取り出した。
「そうそう、それそれ。」
そう言って、琴美の手から懐中時計を受け取り、俺の渡した鍔と一緒に見比べる。
「んだよ、急に前に琴美が拾った懐中時計なんか見て」
そいや、琴美も3ヶ月前ぐらいに拾ったって言ってたっけか。
けど、交番に持っていったけど何故かまた拾ったって言ってたな…
「悠也、これ持っとけ。交番に持っていっても、また拾うことになるから」
???
「なんで分かるんだよ」
「さぁな。それは今週末にでも教えてやるよ。」
どうゆうことなんだ?
まぁ、今週末っても明後日で今週末なんだけどな…
「分かった、明後日だな」
「おう、まぁ、その日まで待ってろ」
そう言いながら、琴美と俺に物を返す。
変な奴…
コンッ
何か足に当たった。
それを手に取ると、ハッキリと刀の鍔だと分かった。
「なんでこんなもんがここに……ハッグシュイッ!早く家に入ろう」
とりあえず、鍔をポケットに押し込み、家に入る。
しまった、こんな事なら出る前に暖房つけときゃ良かったな。
居間に入り、エアコンとテレビの電源を付ける。
『続いてのニュースです、脳科学、精神学で有名な浅葱雄大氏が新たな論文を発表しアメリカの大学で大きな話題をよんでいます。』
親父じゃねぇかっ!
あまりの驚きにテレビを二度見してしまった。
『先週に発表された【精神と魂の歪みから発生した世界滅亡の種】という主題の論文ですが、あまりにも空想的な話だという批判が殺到し、名だたる著名人などが非難の声を上げています』
また変わった主題の論文だな…
アメリカまで行って何してるんだか…
ポケットに手を突っ込むと鍔に手が当たる。
ん?暖かい…
ポケットから鍔を取り出して、改めて触ってみる。
まるで、この鍔がカイロみたいに暖かいのだ。
「なんだこれ?」
まぁ、なんだ、自分のものでは無いし、後で交番にでも持ってくか
ピンポーンピンポーン
「ゆーちゃん?おはよー」
チャイムの後に少し間延びした女の声
あぁ、幼馴染の伊藤琴美が来たのか。
とゆうかもうそんな時間か!?
時計をバッとみる
6時15分
いつもより少し早いな。
少し駆け足で玄関に向かい扉をあける。
「琴美、おはよう。今日は早いな」
学校の制服に身を包んだ少し身長の低い黒髪ロングの女の子
「ゆーちゃんおはよー、ちょっと早めに目が覚めちゃった」
そう言いながら微笑む。
「まぁ、なんだ頼む」
いつも朝ごはんとお昼のお弁当を作りに来てくれる。
「ううん、いいんだよー」
そう言いながら家に上がる
キッチンに向かい、エプロンをつける
毎日平日の日課になっているんだろう。
何となく両親がいない、この家で二人きりのこの時間はちょっとした幸せを感じる。
「今から朝ごはんバッパッと作っちゃうから、学校行く準備したらー?」
そうだな。少し早いけど、着替えてくるか。
「あぁ、分かった」
自分の部屋に戻り壁にかけてある制服を手に取る。
ズボンを脱いだ時、ゴトッという音でまた思い出す。
あぁ、交番に寄らなくちゃな。
制服に着替え、ウィンドブレイカーから鍔を取り出し制服の上着に突っ込む。
マフラーとかも持ってくか。
カバンとマフラー、手袋を持ち部屋を後にする。
「そいやさ、今日ランニングから家に帰ってきたら、玄関にこんなもんが落ちててさ」
そう言って料理をしている琴美に鍔を見せる
「刀の持つとこの上にあるやつ?」
「そうそう、んでさ、学校行く前に交番に寄っていきたいんだけど」
「いいよー、今日は早めに準備出来そうだしね」
そう言いながら、手は止めない琴美を見るとやっぱりすげぇなって思うよ
「あっ、そうだー!ご飯食べた後でいいから数学の宿題後でみせてー、やってはあるけど全然わかんなかった」
家事と運動は出来るくせに、勉強は全然だからなぁ…
「あぁ、いいぜ。いつものな」
そう笑いながら返した
因みに、俺は勉強に関してはそこそこ出来なくはない。
テストなら上位10番以内には入れる
運動もそこそこ出来るが、なんせ、帰宅部なんでな。
「ゆーちゃん、朝ごはん出来たよー」
「おぉ、ありがとう」
お盆に乗せられた朝食
白米、味噌汁、焼き鮭、キャベツの酢漬け
バランスのいい朝にはピッタリのご飯。
「「いただきます」」
「これ」
そう言ってノートを渡す。今日の数学の宿題が書かれたノートだ。
「ありがとー、ちゃっちゃとやっちゃうね」
そう言ってノートを写している間に俺は皿でも洗っておこう。
………
さて、交番寄って、学校行くか。
そう言って玄関を開ける
「よっ!琴美ちゃんおはよう!」
そこには金髪でピアスの悪友が立っていた。
「おい、山本、なんでここにいんだよ」
こいつは山本毅、俺の唯一の悪友だ。
学校では女の子に言い寄っては叩かれてる。
ただ顔はいい。ただ女癖がクソすぎる。
「とゆうか、俺の家まで来て俺には挨拶なしの琴美だけ挨拶とかどんだけなんだよ」
「悠也おはよ」
「言われたから言いました的なやめろよな」
琴美は後ろで笑ってる。
それに釣られて俺らも笑ってしまう。
「そいや、山本、交番に行くぞ」
「はぁ!?俺まだ捕まる事やってないぞ!」
大袈裟に反応する山本
まだってどうゆうことなんだ。予定でもあるんだろうか
「いや、お前の事じゃないぞ、これが今朝玄関に落ちててな。」
そう言ってポケットから鍔を取り出す。
「ほー、こりゃあ…」
大袈裟に反応していた山本が一変して悩んでいるような、困ったような顔になった
「なんだよ、気持ちわりぃな、山本がそんな顔するなんて」
「琴美ちゃん、前見せてもらった懐中時計見せてくれる?」
「え?これの事?」
そう言ってカバンから銀色と金色で翼の装飾がされている、明らかに高そうって懐中時計を取り出した。
「そうそう、それそれ。」
そう言って、琴美の手から懐中時計を受け取り、俺の渡した鍔と一緒に見比べる。
「んだよ、急に前に琴美が拾った懐中時計なんか見て」
そいや、琴美も3ヶ月前ぐらいに拾ったって言ってたっけか。
けど、交番に持っていったけど何故かまた拾ったって言ってたな…
「悠也、これ持っとけ。交番に持っていっても、また拾うことになるから」
???
「なんで分かるんだよ」
「さぁな。それは今週末にでも教えてやるよ。」
どうゆうことなんだ?
まぁ、今週末っても明後日で今週末なんだけどな…
「分かった、明後日だな」
「おう、まぁ、その日まで待ってろ」
そう言いながら、琴美と俺に物を返す。
変な奴…
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