[完結]愛しい君に花束を〜イケメン社長は、薄幸な少年を溺愛したい〜

りさあゆ

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   1、蓮


朝焼けが染まるなか、街の通りの一軒の花屋のシャッターが、ガラガラガラと音が鳴る。
店の中に入り店内の、照明をつける。

「おはよう~。今日も綺麗に咲いてるね」
店内の花を愛でながら、挨拶をする。
それから、水を変えたり、水上げの為に茎を切り、掃除をする。

しばらくして、店の前に車が止まった。

「おはよう!蓮。今日はいい花が入ったんだ!下ろすの手伝ってくれ。」

叔父さんだ!
「おはよう!叔父さん!今、手伝うね。」

車から、花の入った段ボールを店の中まで運ぶ。
早速、段ボールを開けてみる。
「うわぁ!今日も綺麗な花が入荷出来たねあ!この花好き!わぁ!これも、色々アレンジ出来そう!ねぇねぇ叔父さん。今日は花束の注文はある?」

僕は、段ボールから花を出しながら、頭の中で、色々なアレンジのパターンを考える

「あ、あるぞ!そうだ、蓮。配達お願い出来るか?ここから歩いて行ける所だ。」
「もちろん!えっと、花束でいい?予算はどのくらい?」
「ちょいまって、えーと、一万円だな。」
「了解!」
「あっ!蓮、薔薇を多めに!だって。」
「はぁ~い。それじゃあ、ここ片付けてから、作るから昼前には配達に行くね。」
「よろしくな。」

叔父さんは、僕の頭をクシャってして、優しく撫でてくれた。

そんな時の叔父さんが顔は、笑顔なんだけど、どこか悲しそうなのは、僕の気のせいかな?



「よしっ!いいんじゃない?いいね!叔父さぁーん!出来たよ?見て?」
僕が作った花束を叔父さんに確認してもらう。
「ん、おぉ!いいね!蓮、また腕上げたなぁ!少し、予算オーバーか?」
「あ、バレた。でもさ、この花束。結婚記念日で、旦那さんが奥さんに贈るんでしょう?だからね、少しだけサービス!」
「ふふっ、いいよ。優しい蓮らしいな。」

そんな事ないよ。
僕は、笑顔で
「それじゃ、配達行って来ます!」
花束を大事に抱えて、店から出た。



無事に配達も終わり、ホッとしていた。
「喜んでもらえて良かったぁ~。ふふっ奥さん、泣きながら喜んでたな。旦那さんから贈られて凄い嬉しかったんだろうな。」
僕も、嬉しくて気分良く店に帰ろうと歩いていて、何気なく公園で遊ぶ子供達を見てると、公園の中にある大きな木の下で、うずくまっている人がいた。
「ん?なんか様子が変?」
僕は、ゆっくりとそちらに向かって歩き出した。

「やっぱり、何か具合が悪そう?」

僕は、その人に恐る恐る声をかけた。

「あ、あの?大丈夫ですか?」
その人は、帽子を被っていて、顔はよく分からないが、手でお腹を押さえているのでお腹が痛いのかな?と思い、
「あの、救急車呼びましょうか?」
と、携帯電話をポケットから出して、連絡しようとすると、その人が僕の腕を掴んだので、僕は反射的にその手を降り払った。
「あ、すまない。」
「い、いえ、こちらこそすみません。」
「俺は、大丈夫……だから。」
その人は、そう言うけど、全然大丈夫に見えない。どうしよう。
このまま、ほっとけないし、、、
そうだ!
「あ、あの、僕の働いてるお店が、すぐそこなんです。もし、良かったら休憩して行きませんか?お茶くらい出しますよ?」
と、笑顔で聞いてみた。
「い、いいのか?」
「はい!大丈夫ですよ。是非!歩けそうですか?」
「あ、あぁなんとか。」

その人がゆっくり立ち上がる。
うわぁ!凄く背が高い人だな!!
190センチくらいあるよね?
帽子を深く被ってるから、顔はよく見えない。
モデルさん?芸能人の人?
まぁ、僕には関係ないから、とりあえず店まで案内するか。

僕はその人を案内しながら、店に戻って来た。

「叔父さぁーん!奥の部屋使うね!」
「お、蓮おかえり。ん?その人は?」
「なんか、具合が悪いらしくて、ちょっとうちで休んだら良くなるかと思って案内してあげたの。」
その人は、叔父さんに軽く頭を下げた。
「あぁ、そうか、ゆっくりして行って下さいね。蓮、お茶でも出してあげて。」
「うん、どうぞ。」

店の奥にある部屋に案内した。

「今、お茶を入れるので、ゆっくりして下さいね。あ!横になった方がいいんじゃないですか?」
「い、いや、大丈夫だ。すまない。」
「いえいえ。何か、いる物ありますか?」
その人は、まだお腹を押さえているから、もしかしてと、聞いてみる。
「いや、大丈夫だ。」
ふふっ、大丈夫じゃないのに。
「あの、もしかして、お腹が空いてるんじゃないですか?それなら!ちょうどいいかな?僕も今からお昼ご飯なんです。良かったら食べていきませんか?」
「えっ!いや、悪いから、、、」
「ふふふ、大丈夫。悪くないですよ。僕が作りますから。」
「えっ?君が?」
「はい。だから食べて下さいね!」
僕は、返事を待たずにキッチンに行く。

そして、僕は冷蔵庫を開け、炊飯器を確認して、料理を作り始めた。
「よし!出来た!!」
僕は、オムライスとスープとサラダを作りその人の所へ持って行った。

「お待たせしました。良かったら食べて下さいね。無理しなくていいですからね。」
その人の前にお盆に乗ったオムライスを置いた。

「ありがとう。……あ、オムライス…久しぶり…だな…いただきます…」

パクリと一口食べると、その人は
「う、うまい……」
もの凄い勢いで食べ始めた。

僕は、にっこりしなが、そぉ~と部屋から出て、店に戻った。
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