騎士隊長と黒髪の青年

朔弥

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青空の下で

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 走りに戻るわ、と言い行きかけた莉人の腕をアシュレイは掴んだ。
「まだ話しは終わっていないぞ」
 人目につきにくい木々の中に引き戻され、莉人は焦りの色を見せる。
「な、何だよ、話しなら向こうで聞くって···」
 アシュレイは木の幹を背にした莉人の頭の左上辺りに腕をつき、逃さない近さでその顔に薄い笑みを浮べた。
「走る体力はないのだろ?だったら別の方法で体力をつけてやろう」
 そう言いながら莉人の脚の間に太腿を入り込ませ、強めに押しつけた。
 アシュレイの別の方法の意味に莉人は顔を引き攣らせる。
「んな所で···ちょっ···押しつけんな!」
 太腿で股関を刺激され、やめろと言いながらも莉人の半身は硬くなりつつあった。
「んんっ···」
 太腿でこすり上げられ、感じてしまった声が零れる。
 更に撫でられ半身に快楽が込み上げてくるが、ズボンの中ではこれ以上頭をもたげあげる事ができずに苦しい昂りをみせていた。
「どうする?やめるか?」
 躰の芯が疼き始めている事を知りながら、アシュレイは意地悪な笑みを浮かべ耳元で囁いた。
「くっ ───··」
 莉人は悔しそうな瞳を向けた。幾度となく抱かれている躰は次に訪れる快楽を知っている。


 ──── 疼きを鎮める方法も


 莉人は自分の中で羞恥と快楽の葛藤をしながら、絞り出すように言葉を口にした。
「···やめ···るな···」
 顔を赤らめながら言う莉人の表情に甘やかな色情を感じたアシュレイは、誘われるように彼の唇に口づけた。
 口を開けさせ、舌を押入れて口腔内をまさぐる。舌を捕らえると、絡ませながら情熱的なキスを繰り返す。
「んうっ···」
 互いの唾液が絡み合い、莉人の喉の奥へと流れ込む。莉人はそれをコクっと飲み込んだ。
「はぁ···あ···」
 アシュレイが唇が離すと、甘い吐息と共に彼を追うように赤い舌が唇から覗かせる。その舌に人差し指と中指の二本で触れる。
 莉人は差し込まれたアシュレイの指を咥え、舌を這わせて唾液で濡らしていく。
「ん··う···」
 唾液で濡れた唇に木々の隙間から零れる太陽の光があたり、快楽で潤んだ瞳で見つめてくる表情はなまめかしく色情を感じさせる。
 アシュレイは指を舐めさせたまま、莉人に後ろを向かせた。手早くズボンと下着をずらすと、舐めさせていた指を口から抜き、外気に晒された莉人の後孔に指で触れた。
 昨夜もアシュレイを咥えていた入口は、唾液で濡れた指を容易に飲み込んでいく。
「···ふ···うっ··はぁ···ぁ···」
 目の前にある木の幹に手をつき、浅い呼吸を繰り返しながら中を探られる動きをする度に湧き上がる快楽に声を殺し身悶える。
「は··ぁ···んぅ···アシュ··レイ···これ以上は··声が···」
 これ以上、強い快楽を与えられれば漏れ出す喘ぎ声を抑える自信はない。
「···抑えていてやるから安心しろ」
 そう耳元で囁かれ、骨ばった大きな手が莉人の口元を覆い、同時に指が引き抜かれ熱くたぎった欲望が押し当てられた。
「んうっ···」
 ビクンと震える莉人の中へゆっくりと自身を埋めていく。奥まで埋め込むと、緩やかに腰を動かした。
「んんっ···ぅうっ···」
 覆った指の隙間から莉人のくぐもった声が洩れる。
 下の服だけ乱され、後ろから口を手で塞がれ貫かれる度に抑えられた苦しい吐息が洩れる様はまるで無理矢理、犯されているような錯覚におちいる。
 途端にゾクリと欲情が駆け抜け、中を蹂躪するアシュレイの熱欲を締め上げた。
「くっ···」
 突然の締め付けにアシュレイから短く呻く声が洩れる。
「リヒト··そんなに締めつけるな···」
 我慢出来なくなりそうだ、とアシュレイは激しく腰を打ちつけた。
「リヒト···」
 興奮し、乱れた吐息に混じり名を囁かれる。
「んぅっ ──···んっ···んんっ ───っつ!」
 言いようのない快感が駆け巡り、背中をしならせながら白濁の液を飛び散らせた。幹にかかり、滴り落ちていく。
 イった余韻に浸る間もなく、より一層アシュレイに深く突き立てられ熱い精液が莉人の奥に注がれる。
「──── んんっ」



 ようやく口元を覆っていた手が外され、莉人は大きく呼吸をした。
「はぁ··はぁ·····ぁっ」
 ズルっと莉人の中から自身を引き抜くと、切ない吐息が洩れる。
「···大丈夫か?リヒト」
 乱れた服を整えてやりながら、アシュレイは問いかけた。
「······」
 いつもなら、文句の一つでも飛んでくるのだが、莉人は顔を赤らめたまま黙っている。
「?···どうした」
「·········無理」
 ボソッと呟いた言葉に、そんなに無理をさせてしまっただろうか、と心配そうに莉人の顔を覗き込んだ。
「もう少し休んでから行くか?」
 そう言ったアシュレイの襟元を掴みかかった莉人は、
「違げぇよ!!······だから··歩くと······」
と、怒鳴りつけるがその後はなんだか言いにくそうに言い淀む莉人に益々、アシュレイはどうしたのかと首を傾げる。
「······察しろよ!」
「だから、何をだ」
 少しも伝わらない苛立ちから、莉人はとうとう声を荒げて言った。
「テメェが出したやつが出てきそうで歩けねぇんだよ!!」
「───···それは··悪かった」
 怒鳴りつけられたアシュレイは唖然とした後、ククッと喉の奥で笑った。
「なら···抱きかかえていってやる」
 言うが早いか、軽々と抱え歩き出す。
 恥ずかしいが、これ以外に選択肢のない莉人は黙って大人しくしていた。
「心配しなくても、走っている途中で動けなくなる程バテたと言っても誰も疑わないぞ」
 ···それもどうかと思うが。
「もう少し体力をつける事だな、このまま部屋に戻ったらもう少し付き合ってやろうか?」
「は?···何言ってやがる···」
 夜も昼もなんて冗談じゃねえ、と睨みつけた。
 だが、アシュレイは不敵に笑い、囁いた。



 ───── 俺はしつこいらしいからな







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 毎日、更新しておりましたが、今後は不定期の更新となります(>_<)

       (2022.01.21) 
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