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【第一章】猫耳娘・菜苺の冒険開幕

冒険作家・ヘンプーとの出会い。

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 キノコの形の家に住む男性は菜苺とシュリケに自己紹介をする。


 「私はこの家に住む冒険作家の【ヘンプー・トライホン】という。君達は何者かね?」


 「わ、私は繁田・・・菜苺といいます。ポッ!」


 「僕は少し離れた村からきましたシュリケと言います。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。」


 礼儀正しく謝るシュリケのそばで両手で押さえたほほを赤らめてやけにデレデレしている菜苺の姿を見てヘンプーは呆れた表情をしていた。


 「ねえ、シュリケ君。彼女は一体・・・」


 「いや、僕にも何だか分からないんです。」


 すると菜苺はヘンプーの方を向いてすごく目を輝かせていたのであった。


 「私には分かるんです!!ヘンプーさん!!私・・・私・・・どうやら運命の人はヘンプーさんのようです!!」


 「え・・・!?」


 少し顔が青ざめるヘンプーにどう反応すればいいか分からずにいるシュリケ・・・菜苺はどうやら恋のモードに入ったようだ。


 「ヘンプーさん、家をかじってごめんなさい!!作者(市川)に弁償させますので!!」


 「いや、そこまでしなくていいよ。これくらい自分の日曜大工で直せるからね。」


 「大工!!?す、素晴らしいわ!!器用な男性なんですね!?」


 「(器用な男性がタイプなのか菜苺は・・・?)」


 ヘンプーが日曜大工をしているのを知るとさらに目を輝かせる菜苺にシュリケは心の中で突っ込みながらも少し引き気味であった。


 「や~!!私、日曜大工が出来る男性をあまり見たことがないんですよ~!!」


 「ま、まぁ~、冒険ずっとしていたからねアハハ・・・」


 「私にも教えてください!!日曜大工を!!」


 「菜苺?僕と忍術の修行をするんじゃないの?日曜大工の勉強は修行のない日にしたらいいんじゃない?」


 「シュリケ君が私を勝手に誘ってきたんでしょ!!一人で修行しててよ!!」


 「勝手に・・・え・・・!?一緒にしようと・・・ええ~・・・!?」


 シュリケは菜苺のその一言にショックを受けたのか正座しながらうなだれてしまったのであった。するとそれを見て気の毒に思ったのかヘンプーは言う。


 「あ、もし良かったら私は今日空いてるから一緒に修行か何かするなら参加するよ。」


 「え!?ヘンプー様と修行!?うれしいわ!!」


 「あ、はい!よろしくお願いします!」


 修行を一緒にしようと言うヘンプーに対して菜苺は更に目を輝かせてシュリケも立ち上がってやる気を見せたのである。こうしてバランスのとれない?3人で忍術の修行を始めるのであった。
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