NACHIGO～猫耳娘・菜苺の異世界アドベンチャー～

【第一章】猫耳娘・菜苺の冒険開幕

怒りのヘンプー

　菜苺に対して怒りをあらわにする男に向かってシュリケは手裏剣を二つ飛ばす。すると手裏剣は男から逸れたが動きを止めて菜苺を襲わせないことに成功した。


　「菜苺、大丈夫だよ！！おい、僕が相手だっ！！」


　「お前、やり手のようだな。確かにお前は忍者のような化け物だ！」


　「いや、化け物は余計。」


　「シュリケ君、ナイスプレー！！このままこの男を私達で制止しよう！！」


　「勿論ですとも！！」


　するとヘンプーは懐から竹トンボを７本も取り出して内の一本の持つ部分を擦るようにしてそれを男に投げたのである。


　「くらえ！！竹トンボロケット！！」


　すると竹トンボはなぜか炎を纏まとって男にぶつかると男の身体が少し燃えたのである。


　「あちちちちちち！！」


　「ふふ、これが私の技だ。【竹トンボロケット】は飛ばすと炎を纏い、相手にダメージを与えるんだ！！」


　「へ、やるじゃねえか！！俺の話を聞いてくれないで攻撃までしてくるとは・・・！！」


　するとヘンプーは目の色を変えて顔を赤くして言う。


　「ふざけるな！！貴様はそうしてたくさんの人間を襲った！！突然話しかけて油断をすれば殺害して品物を奪う！！貴様のようなやつを私は絶対許さない！！」


　「ヘンプーさん！？」


　「ヘンプー様！？」


　「私は、貴様を倒す！！！！」


　なぜか怒りを見せたヘンプー・・・理由は分からないがなぜか・・・？勿論シュリケも菜苺もヘンプーの怒りの理由を知るはずがなく、その変貌ぶりを黙って見ているしかなかったのだ。


　「貴様、吠えるだけは一人前だな！！」


　「貴様こそ私に勝ってからそう言うんだな！！」


　ヘンプーの怒りのボルテージはかなり高まっていた。もはや菜苺もシュリケも制止できないほど・・・暴走しているようだ。


　「ヘンプーさんがあそこまで怒りをあらわにするとは・・・！！」


　するとヘンプーは菜苺達に話しかけてきたのである。


　「すまない、冷静になった。どうやらあの男は私が知っている人物で過去に因縁がある者だったんだ。」


　「因縁がある？ヘンプーさんと？」


　「そうだ、シュリケ君。私は彼に対して長年の恨みを持っている。だから彼を倒してやる！！」


　「ふん、貴様に俺が倒せるかな？」


　「やるしかないよっ！！」


　怒りを見せるヘンプーの姿を見て彼の力が高まっているように菜苺は見ていて感じていた。