恋愛知らずな生き様

市川 雄一郎

文字の大きさ
54 / 54
④夏の林間キャンプ編

本吉の影

しおりを挟む
 しかし歌に酷いことをしたのは誰だろうか?秀太は皆を集めて質問をする。


 「とにかく誰だろう?歌さんは誰か見てないかな?」


 「ごめんだけど、見てない。」


 「でもどうして給食室の中に・・・?」


 「目が覚めたらいつの間にか中にいたの。」


 「・・・目が覚めたら?」


 ところが話を聞いていた丸目は、不思議そうな表情を浮かべた。


 「どうされましたか?丸目さん。」


 「いや、給食室だけど鍵がないと開けられないんだよね。」


 「そういや、そうでしたね。誰か借りたんでしょうか?」


 「いや、誰も給食室の鍵までは借りてないはずだよ。僕も役場から借りたものを一応握谷さんから確認したからね。」


 給食室の鍵を借りてないと確認をしてくれていた丸目の話を聞く秀太。その時、カイトの顔が青くなっていたのだ。


 「まさか・・・あいつ・・・か!?」


 「あいつ?」


 「秀太、あいつだよ。本吉!!もしかしたら俺の気付かない内に、このキャンプの情報を掴んでいたかも知れないんだ!」


 「まさか・・・それはないだろ。まあ本吉って名前は聞いたことあるんやけど、誰かあまり詳しくは分からないねんけど。」


 「まあ、秀太と本吉あいつは働く部門が違うからな。あいつはロクでもないやつや。特に女性の参加者には何するか分からへん。」


 「そんなヤバイやつなんか?」


 「見た目で騙されたらアカンで。あいつは本当に危険なやつ。だからあいつがいない所で皆を誘ったんだ。」


 営業担当の本吉とは部門の違う秀太はカイトから話を聞く。その話を聞いていた松浦が口を開いた。


 「握谷さん、そういえば僕も聞いたことがあります。」


 「本当ですか?松浦さん。」


 「ええ、彼は少し問題のある人物で参加は好ましくないとされているのをある人・・・から聞いてます。」


 そして西谷も言う。


 「俺の知人が本吉に何かされたと噂だが、聞いたことがあります。握谷さん、もしキャンプのことを知られていたら大変ですよ。」


 皆の話を聞いた喜八郎は不安そうな表情を見せた。


 「どうする?このキャンプ・・・」


 「もちろん続ける!もしやつがキャンプを滅茶苦茶にしようなら、こっちも戦う覚悟はあるさ!」


 喜八郎のキャンプ続行かどうかの問いに、本吉が妨害するなら抵抗するつもりと答えたカイト。


 「怖いね、秀ちゃん。」


 「大丈夫だよ、唱子さん。俺が守るからね。」


 「(あ!私の秀ちゃんに・・・!!ガルルルル!!)」


 怖くなって秀太に寄り添う唱子。その彼女に対して優しく声を掛ける秀太。しかしそれを見ていた歌は面白くないからか、唱子に対して獣のような表情で睨み付けていたのだ。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように

柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」 笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。 夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。 幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。 王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく… なお、スピンオフもございます。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

処理中です...