ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第5章・地獄の懸垂と古代都市の復活阻止と成分の正体

地域の未来をかけた戦い②

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しかし初日は何もなく、二日目を迎えることとなる。初日の活動を終えて支援者達と民宿で話し合いをするヒナと直露達はこれからの対策を練ることにしたのである。

「とにかく初日と二日はどたばたすることないから二日間は政策を訴えて水曜日辺りから相手候補者が活発的に動き出すだろうからその時辺りからとりあえず攻守を強化していけばいい。」

「じゃあまだ防具は不要じゃないの?」

「あくまで基準だからいつ何があるか分からない。とりあえず防具はいつでも必要だからね!!」

「そうだね。まあ何かあっても大丈夫だから用意するのもいいわね。」

話し合いはこの日は夜中の12時まで続いたのである。ただし、具体的な選挙活動は火曜日から本格的に始まるのでそれまではただの下見みたいなものである。直露が説明した。

「火曜日から選挙活動を開始するからそこからポスターや演説を少しずつ行っていきます。今日は一部の選挙エリアの下見や夜の『打ち合わせ』がメインです。とにかく明日から本格的にポスター配布を行いますので皆様方お力添えをお貸しください。よろしくお願いします!!」

直露の目付きは本物だ。一部には冷やかし系の候補者もいるとされているが初出馬ながら強い政策と故郷を守る姿勢はどう考えても冷やかしではないからだ。ヒナは少なからず直露の姿勢に尊敬の念を示していた。そしてヒナは直露の父にある質問をしたのである。

「明日はどこへ行くの?」

「明日はドーリンの少し向こうにあるトライギアという田舎町だよ。トライギアは直露が昔仕事をしていたことがある上に、日紙家の親族も多いから結構票は集まると思うよ。遠いけど着いたらとても空気の綺麗な場所だから疲れなど簡単に吹き飛ぶよ。」

「それなら行きたいわ!!」

打ち合わせは終わり、翌日は全員でトライギアを目指した。確かに時間はかかるのだがドーリンの山の短いトンネルを潜るとトライギアの町に到着したのである。農業が盛んで平和な雰囲気が漂っていたのである。しかし町の中にポスターがたくさん貼られているが大半が『日紙直伸』のものであった。直露は知り合いの高齢女性に声をかけたのである。

「おばあちゃん、久しぶり!!」

「直露ちゃん、久しぶりだね。」

「僕選挙出ることにしたんだ!!」

「頑張ってね……!」

ここまでは良かった。だが……

「でもあんたには投票しないよ。直伸さんにすることにしたんだよ。古代都市があればトライギアの観光客が増えるらしい。だから反対している内はすまないけどあんたを必ず支持しないよ。」

「そんな~古代都市は危ないんだよおばあちゃん!!これ復活したら火山が噴火してトライギアの町も焼けてしまう危険性があるんだよ!」

「そんなバカなことはない。直露ちゃんはおかしな連中に洗脳されているのかい?それなら残念だけど洗脳が解けない限りはやはり投票は直伸さんにするよ。」

結局女性の説得は出来ず、他の人に声をかけてもトライギアの町は古代都市復活を願う声が多く、全然聞いてもらえなかったのだ。

「直露くん、全然ダメだったね……」

「仕方ないよ。たぶんあいつ(直伸)が古代都市のことを色々吹き込んだんだろうね。洗脳されてないのにね。知り合いにまで断られて撃沈だよ……」

二日目も終わり、成果は出なかった。そして魔の水曜日がやって来たのである。
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