ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第6章・ヒナの旅立ち

雪と竜太と日奈凛と⑥

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味噌汁を飲み干した雪は疲労が強い状態ではあったが体調や命に問題はなく、今を休めば治ると自分で判断したのである。

「雪ちゃん、何があったのか教えてくれない?」

ヒナが語りかけるが雪は無言であった。よほど言いたくないのか疲れでしゃべるのが辛いのか……いずれにせよ良い気分ではないことが分かる。

「ヒナさん……私って悪い子かな……?」

「ううん、そんなことないわよ。」

「俺なんかもっと悪いやつや。事件やトラブルを起こしてきて情けない男やで!雪ちゃんだっけ?生きていたら辛いことなんかたくさんあるんやで。だからってくじけちゃダメじゃ!自分を悪くいうのもあかんで!」

「竜太さんの言う通りよ。あなたは悪い人間じゃないから気にしなくても良いわよ。」

「……ヒナさん…………竜太さん……ありがとう……」

雪は苦しさをこらえていたからか大粒の涙を流し、それを見ていたサトキはハンカチを渡したのである。

「雪ちゃん、はい!嫌なことは喋らなくていいから……もし気持ちが落ち着いたら言ってくれればいいからね!!」

そうサトキが言うと雪は頷いた。

「サトキさん、ありがとう。」

その時、竜太はオフィスを出ていきどころかへ走っていったのである。

「竜太さん?」

「どこへ行くんだろ?」

竜太の行動が気になるヒナも追いかけてていくことにし、雪も出ようとしたがサトキが諭したのである。

「雪ちゃん、二人は大丈夫だから。」

「…………分かりました……待ちますね。」


ラビリンシングタウンの高速道路のライトが輝き、ネオンが夜の街の中を彩る光景が見える夜中。竜太はある会社の前に到着し、ヒナもすぐに竜太の元に追い付いたのである。

「竜太さん!」

「ヒナちゃん、追い付いたんか?」

「この会社は……?」

「さっき箱を届けに来た流通会社や!!ここに届け人の情報があるはずや!!」

会社はビルで入口は完全封鎖されている。しかも監視カメラもある……のだが、ある人物を呼び出せば侵入が出来るという。

「俺の親戚や、彼に頼めば侵入できる!!」

そして竜太は電話をかけて誰かを呼び出し少し待つとある男性が現れたのである。

「こんにちは竜太さん、僕は親戚の東住吉京介(ひがしすみよし・きょうすけ)です。」

「親戚。」

「(あら……物静かそうで可愛らしい……!)」

「?」

「いや、何でもないわ……」

竜太はヒナの様子が気になったが、とにかくそれを追求する前にまずは雪を拐っていた人物の特定である。これから真実なる答えを見いだすための戦いが始まる……!!
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