170 / 762
第8章・まさかの新展開
ヒナの特殊能力①
しおりを挟む
目を覚ましたヒナは竜太に特殊能力(リミットアビリティ)の発動の仕方を聞いたのである。
「それは構わないが、ヒナちゃんは特殊能力とかあったっけ?」
頷(うなず)いたのはいいが、竜太は未だに特殊能力が無いはずだと思っている。ヒナは肝心なことを知らずにいたのであった。
「(技のこと聞いてなかったわ……)」
そのため、ヒナは能力を使えるとか以前に何の技かすら分かっていないので発動出来るかも分からない……
「いや、竜太さん。彼女の力を分析しましょうか?」
突然松浦が所持していたサングラスらしきものを装着して彼女のデータを分析しはじめたのである。
「ある……みたいだけど発動してないからデータがまだ出てこない。どうやって取得したの?」
「暗闇の世界で羽久さんという方に授かったのです…………技とかは聞いてないです。」
「夢か…………?でも羽久さんは亡くなられているから能力がどうなるかの問題があるわな……」
大東は打ち合わせみたいな話し合いをしているヒナたちに苛立ちはじめたのである。
「早くして!!早くしなけりゃ今から先制攻撃するよ!!」
そういうと大東はヒナに向かって隠し持っていた剣で切りかかったのである。ヒナは右手をかざして切られる覚悟をしたのである。
「ヒナちゃーん!!」
竜太が叫ぶとその瞬間、ヒナの右手の先に氷のようなシールドが出来ており、大東の剣がへし折れていたのである。
「あ……あのおっさん、こんな能力を授けてたのか……」
大東は剣を折られた苛立ちと葬ったはずの男の能力が甦ったという現実に対面したショックの気持ちが混ざり、怒りの感情としていた。
回想に戻る。タンク廃炉を訴えた少年が羽久の元に訪ねて質問をしていた。
「羽久のお兄ちゃん、タンクのエネルギーを塞ぐといってたけどどうやって塞ぐのー?」
すると羽久は近所の火災をチラッと目にしたのでそこの方向に右手をかざして氷のような白い気を発して火災の家を凍らせて少年に言ったのである。
「こうやって止めるんだ。僕がするからいつも塞ぐと言えるんだ。だから君も僕を応援してほしいんだ。」
「うん!応援するよ!!」
少年の頭を羽久は優しい笑顔で撫でると火災の家の主と家族をはじめとする近隣の人々が彼に感謝を伝えにやって来たのである。最後に羽久は言った。
「僕が死んでも僕の遺志を告げると判断した人にこの能力を授けたい。『氷の壁(アイスブロック)』は危険を回避するための能力であり、鍛え方次第では多様な活用が出来るから……」
回想は終わる。ヒナは氷のシールドを見ながら涙を浮かべていた。
「(羽久さん……本当にありがとうございます……)」
念願の能力を授かったヒナは大東の方を睨み付けた。その顔はかつて竜太を睨み付けたものより迫力があり、竜太はその威圧感に言葉を出せなかったのである。
「それは構わないが、ヒナちゃんは特殊能力とかあったっけ?」
頷(うなず)いたのはいいが、竜太は未だに特殊能力が無いはずだと思っている。ヒナは肝心なことを知らずにいたのであった。
「(技のこと聞いてなかったわ……)」
そのため、ヒナは能力を使えるとか以前に何の技かすら分かっていないので発動出来るかも分からない……
「いや、竜太さん。彼女の力を分析しましょうか?」
突然松浦が所持していたサングラスらしきものを装着して彼女のデータを分析しはじめたのである。
「ある……みたいだけど発動してないからデータがまだ出てこない。どうやって取得したの?」
「暗闇の世界で羽久さんという方に授かったのです…………技とかは聞いてないです。」
「夢か…………?でも羽久さんは亡くなられているから能力がどうなるかの問題があるわな……」
大東は打ち合わせみたいな話し合いをしているヒナたちに苛立ちはじめたのである。
「早くして!!早くしなけりゃ今から先制攻撃するよ!!」
そういうと大東はヒナに向かって隠し持っていた剣で切りかかったのである。ヒナは右手をかざして切られる覚悟をしたのである。
「ヒナちゃーん!!」
竜太が叫ぶとその瞬間、ヒナの右手の先に氷のようなシールドが出来ており、大東の剣がへし折れていたのである。
「あ……あのおっさん、こんな能力を授けてたのか……」
大東は剣を折られた苛立ちと葬ったはずの男の能力が甦ったという現実に対面したショックの気持ちが混ざり、怒りの感情としていた。
回想に戻る。タンク廃炉を訴えた少年が羽久の元に訪ねて質問をしていた。
「羽久のお兄ちゃん、タンクのエネルギーを塞ぐといってたけどどうやって塞ぐのー?」
すると羽久は近所の火災をチラッと目にしたのでそこの方向に右手をかざして氷のような白い気を発して火災の家を凍らせて少年に言ったのである。
「こうやって止めるんだ。僕がするからいつも塞ぐと言えるんだ。だから君も僕を応援してほしいんだ。」
「うん!応援するよ!!」
少年の頭を羽久は優しい笑顔で撫でると火災の家の主と家族をはじめとする近隣の人々が彼に感謝を伝えにやって来たのである。最後に羽久は言った。
「僕が死んでも僕の遺志を告げると判断した人にこの能力を授けたい。『氷の壁(アイスブロック)』は危険を回避するための能力であり、鍛え方次第では多様な活用が出来るから……」
回想は終わる。ヒナは氷のシールドを見ながら涙を浮かべていた。
「(羽久さん……本当にありがとうございます……)」
念願の能力を授かったヒナは大東の方を睨み付けた。その顔はかつて竜太を睨み付けたものより迫力があり、竜太はその威圧感に言葉を出せなかったのである。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる