ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第9章・世界の歪み

悪魔に身を売った男①

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梅原の竜太への治療を見ているとヒナはある男性が悪魔の様な目付きをしているのを見てしまったのである。

「…………クズめ…………」

梅原の元にその男は近付いた。

「北白浜(きたしらはま)一族の計画は竜太の暗殺。それを阻止しようとする貴様を許すまじ……」

その声の主は家値荷広貞である。番粉と共に冷静な表情をしていた男である。だが番粉は元から感情を出せない性格であり、家値荷こそ竜太の死を願っていたのだ。

「俺の特殊能力で殺すことに成功したはずなのに……15年前の恨みを晴らし、北白浜計画を完了させるはずだったのだが……許しがたい事態となった。」

石井は怒りを露にした。

「貴様か!!貴様が竜太を……なぜだ!?」 

「20の時になる。あの時にこいつがいらないことをしでかしてくれたんや。」

「何の話だ?」

「この男が俺の車を爆破して重大資料が焼失したばかりか、当時の妻をなくしてしまった…………この怒りは未だ忘れない…………」

「あれは……竜太のしたことじゃないはずだろ!!」

「俺達はずっと竜太の責任だと追及してきた。だからいつまでも何か話が変われどこの男の責任になるだろう。」

「お前こそ“ギの戯れ言”をいつまで信じるつもりだ!!竜太はずっと貴様を信頼していた……その信頼していた男に殺されるなんて何という絶望的なことだ!!」

「…………石井さん、まだ終わっていませんよ。」

石井と家値荷の争いに梅原は竜太の無事を強調した。すると家値荷は梅原に銃口を向けたのである。

「助けさせないっ!!」

すると家値荷の銃が氷付けになった。ヒナは凍らせたのだ。

「ダメっ!!撃たせないわ!!」

ヒナは梅原を守ったのである。家値荷はヒナを睨み付けた。だがヒナの対抗した睨みに家値荷はビビって黙り込んだのである。

「貴様……能力者だったのか……」

「ええ。最近だけど能力を得たの。あなたには負ける気がしない……というよりしてはいけないわ。あなたのような人間に気持ちで負けたら本当に負けるから……」

ヒナは強気を見せて言う。石井はその言葉を聞き、頷いた。

「竜太は絶対やつのいうことはしていない。他のやつの行為を彼のせいにしているだけだ。」

「それを証明させましょう!!」

ヒナは石井の思いを理解したからこそ証明させようとしたのである。竜太は事件を起こしてきていたが人の命を奪う様なことはしていない。だからこそ家値荷のいう嘘を追及しなければならないのである。尚、家値荷は警備隊に連行されたのであった。そして梅原は表情が緩んでいた。どうやら竜太がかなりの危険から遠ざかっているのだという。
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