ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第9章・世界の歪み

謎の祭壇③

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ヒナは契りを交わされそうになるのを抵抗した。

「やめてください!」

「何が『やめてください!』だ!!同じ一族の血を引くのだから契りを交わすのは当然だ!!あと君はそのゆかりから私の将来の婚約者になってほしいのだから私のいうことを聞きなさい!!」

「あなた、家族はいないのですか!?」

「いるよ、勿論。だけど君が婚約してくれたら正室としてやるから!!」

「やめてください!!なおさら関わりたくないです!!」

“ドンドン”

「誰だ?」

祭壇の扉を叩く音。その扉を開けた喜渡楽は驚いたのである。

「お……お前……」

「あなた…………帰ってくるのが遅いじゃないの?今日はあなたの好きな玉子炒め(スクランブルエッグ)があるのに可愛い子と何してるのかしら……」

喜渡楽と同い年にしては若々しくて綺麗な女性が喜渡楽を睨み付けていた。

「お…………お前…………突然に…………」

「何が『突然に…………』よ!!子供の世話もしないでブラブラしてばかりで稼げるからって何を浮かれてんのよ!!あんたそれでも一家の柱なの!?」

「いやあ…………遊んでたんじゃなくて…………話をしていたのよね…………」

「へえ……話を?この『せりふデジタルタンク(ボイスレコーダー)』に入った話は“全て会話”か!?」

“カチャッ”

『何が『やめてください!』だ!!同じ一族の血を引くのだから契りを交わすのは当然だ!!あと君はそのゆかりから私の将来の婚約者になってほしいのだから私のいうことを聞きなさい!!』

『あなた、家族はいないのですか!?』

『いるよ、勿論。だけど君が婚約してくれたら正室としてやるから!!』

「………………ああ…………」

喜渡楽は焦り始めたのである。

「あなた……食事だけは先に済まさせてあげるから少し話をしましょうね…………」

どうやら女性は喜渡楽の夫人のようである。しかしセリフデジタルタンクに収録をしていた会話を聞いていたからか恐ろしい形相であった。

「君、助けて…………」

「ごめんなさい。むやみに他人の家庭に首を突っ込むなと父(尚徳)に言われているので…………」

「そんな…………」

妻に連行されるように喜渡楽は帰っていったがヒナに助けを求めるもヒナはあっさり断ったのである。どうやら喜渡楽の妻は恐妻のようである。

「悪いことは…………してはいけないようね。」

ヒナは喜渡楽の様子を見てそう感じたのであった。
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