ヒナの国造り

市川 雄一郎

文字の大きさ
217 / 762
第10章・団結に向けて

二人の暗

しおりを挟む
しかし花井が心配しているのは二人の現状だけではないのである。

「実はあの今の担当のやつは過去にえげつない事件を何件も起こしている非常にタチの悪い人間で事件の被害者の大半が女性…………かなり危険な人物だからあまり関わらない方がいいよ。とはいえ二人の担当とあって心配しているよ。」

なんと担当の有皮(ゆうかわ)という人物は筋金入りの危険人物だったのだ。

「有皮は本名は勇川武暮(ゆうかわ・たけぼ)といい、表記を『勇川』から『有皮』に変えたという。さらに一緒にいる多部来勝之(たべいら・かつゆき)という男は有皮の右腕で俺が婿入りした頃に一度殺人罪で服役している。」

さらにもう一人も殺人前科があり、とんでもない危険な状況に二人はさらされていたのだ。

「私たちの担当は…………」

「殺人犯とかばかりじゃないの…………殺されたくないわ!!」

恐怖から雪とヒナは身体を震わせた。花井は二人を見てなだめたのである。

「だから3人目の担当は俺がなる。君達の出入りは二人に任せて行動は俺と一緒にしてもらう。」

花井は涼しい顔をしながら提案した。勿論二人はすぐに花井を信用できなかったが、有皮達犯罪コンビに比べれば十分マシだと判断して花井に助けを求めたのである。

「必ず二人は守る。たまに演技で襲うときもあるけどその時はよろしくね!!」

二人を表向き庇えば何をされるか分からないので普段はいつでも何かをしてやるつもりで行動し、いざ何かがあれば裏で守るというのだ。

「よろしくお願いします……」

雪とヒナは花井にお願いをしたのである。花井は了解し、この日の予定を二人に話すのである。

「今日はあれだ。運動の日だから身体を動かすぞ。」

とりあえずバッティングセンターなる場所にやって来たヒナと雪はバッティングをすることに。雪は花井が打ち方を説明をするが、ヒナは前から経験があるのでそのまま打ちまくるのである。

「松木七朗(まつき・しちろう)!!」

ヒナは振り子のような構えをして自身の世界で有名な『シチロー』こと松木七朗選手の物真似をしはじめたのである。

「誰?」

「俺も知らない……ごめん。」

ただし、雪も花井も当然ながらシチローのことを知るはずがなかった。完全に一人で別世界入りしたヒナは華奢な体格に似合わずホームランらしき打球を連発し、周りを驚かせた。

「さーて、歴代OB・煌晴定(こう・はるさだ)!!」

次は一本足打法なるものを見せてホームラン王の構えをしてはホームラン打球を連発!!

「竹井久喜(たけい・ひさき)!!」

どしっと構えてシチローと同時代に活躍した強打者の真似をしてやはりホームラン打球を打ちまくった。

「雪ちゃん、彼女は何者だい?」

「異世界の人ですよ!」

「え…………!?」

二人のやり取りを外にヒナは自分の世界に入り、気がつけば昼休みになっていたのである。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~

Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。 それでも、組織の理不尽には勝てなかった。 ——そして、使い潰されて死んだ。 目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。 強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、 因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。 武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。 だが、邪魔する上司も腐った組織もない。 今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。 石炭と化学による国力強化。 情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。 準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。 これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、 「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、 滅びの未来を書き換えようとする建国譚。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

自由を愛する妖精姫と、番にすべてを捧げた竜人王子〜すれ違いと絆の先に、恋を知る〜

来栖れいな
ファンタジー
妖精女王と精霊王の間に生まれた特別な存在――セレスティア。 自由を愛し、気ままに生きる彼女のもとに現れたのは、竜人族の王子・サイファルト。 「お前は俺の番だ」 番という名の誓いにすべてを捧げた彼は、王族の地位も未来も捨てて森に現れた。 一方のセレスティアは、まだ“番”の意味すら知らない。 執着と守護。すれ違いと絆。 ――これは、ひとりの妖精姫が“特別”に気づいていく物語。 甘さ控えめ、でも確かに溺愛。 異種族の距離を越えて紡がれる、成長と守護のファンタジー。

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

妻が通う邸の中に

月山 歩
恋愛
最近妻の様子がおかしい。昼間一人で出掛けているようだ。二人に子供はできなかったけれども、妻と愛し合っていると思っている。僕は妻を誰にも奪われたくない。だから僕は、妻の向かう先を調べることににした。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...