ヒナの国造り

市川 雄一郎

文字の大きさ
249 / 762
第10章・団結に向けて

事故と覚醒②

しおりを挟む
生きなくちゃいけない……二人は生きるために物や金を取ることにしたのである。

事実フォレストタウン等のウィンガタウン周辺地域で事件が連発していたのである。

『知ってるか……ドトータウンの会津警備隊長が殺害されたらしいぞ……』

『犯人は二人組らしいぞ……!!』

路上で噂の声が聞こえる……しかし西住吉家の無くなった環境では二人は普通にしていれば生きられない……本当は手をかけたくないが、相手の攻撃次第で抵抗して殺してしまうことも度々あった。そうしていくうちに殺人に抵抗がなくなり、狂気を持つ人間が増えていたのである……

「君達……よければワシの仲間にならないか?」

ある人物が和也・雅也に声をかけてきた。この人物は井遠克也(いおん・かつや)といいトンネル工事業を営む男性だった。次々事件を起こす二人の正体を知り、このまま手をかける人間にならないために更正の機会を与えようとしたのである。

「…………僕達は既に血に染まったくずだ……そんな人間と関わっては……」

「いい……お前たちはワシの息子と同い年だ。だから……だから……お前たちの苦しむ姿を見たくない……」

その言葉を聞いた和也・雅也は克也の気持ちを受け入れたのである。そしてひ弱になりつつあった二人を助けて食事を与えたのである。


一年後…………

ある日のドーリンのトンネル工事現場。

「荒船さん!!工事範囲はここからここで……」

「がってんしょうち!!」

ヒナの世界でいう重機に乗る男性に和也は指示をしていた。和也と雅也は若くて仕事熱心とあって若くしてグループのリーダーとなったのである。礼儀正しい性格と部下の負担を大きくさせないよう動く姿勢は大人の部下達からも強い信頼を得たのである。幸い事件を起こしたことが世間に知られていないというのもあってメディアでも取り上げられる職人として地元では有名となっていたのである。

「ワシは二人が可愛いんじゃよ!」

暖かい目でみつめる井遠も地元の故郷で事故を理由に父親を亡くした。だからこそ同じ環境にある二人がいとおしくて仕方ないのだ。だがなぜ克也が二人の犯行を知っていたのかは未だに謎である。


回想から一旦現在に戻る。

「どうしても…………あの人とならずっと頑張れたのだと思う。もし“やつ”がいなければこのような人生にはなっていなかった…………」

和也の怒りに松浦が聞く。

「やつとは誰なんだ?」

「やつか……それはな……」


再び回想に戻り、事故から一年半後のある日。二人は現場に行き、夕方に職場に戻ってきたのであった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

自由を愛する妖精姫と、番にすべてを捧げた竜人王子〜すれ違いと絆の先に、恋を知る〜

来栖れいな
ファンタジー
妖精女王と精霊王の間に生まれた特別な存在――セレスティア。 自由を愛し、気ままに生きる彼女のもとに現れたのは、竜人族の王子・サイファルト。 「お前は俺の番だ」 番という名の誓いにすべてを捧げた彼は、王族の地位も未来も捨てて森に現れた。 一方のセレスティアは、まだ“番”の意味すら知らない。 執着と守護。すれ違いと絆。 ――これは、ひとりの妖精姫が“特別”に気づいていく物語。 甘さ控えめ、でも確かに溺愛。 異種族の距離を越えて紡がれる、成長と守護のファンタジー。

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

処理中です...