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第14章・日常へ戻る時
金色の龍②
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その時、アディーマから少し離れたカラードバンにあるWの組織の一員である出雲(スパーク)の店には四人の男女がいた。
●『疾風(はやて)』本名・セドルン
●『稲穂(いなほ)』本名・コテツ
●『四季島(しきしま)』本名・ハナ
※女性・『稲穂』の姉
●『阿蘇』本名・キンシャサ
四人は何か物音が聞こえたのか出雲を呼んで外に出ると金色の龍が空を舞っていたのである。
「あ……あの龍は……」
四季島は呟いた。すると稲穂は四季島に言った。
「姉ちゃん、あれだよ。冒険家で商人の『テラッチ』が書いた物語の龍だよ……!!」
「あんた、私達はロージーパインの出身なのに何でそんな話を知ってるの?」
「俺は『万国(ばんこく)図書館』でその本を読んだんだよ。」
「だからなのね……確かジェルさんはこの辺だったわね出雲?」
「ああ、確か彼はキノザックだから知ってない方がおかしい。」
出雲が四季島にした話によるとどうやらジェルはキノザック出身だという。勿論出雲も幼い頃にテラッチの本は一読していた。
「あの本には『テラッチ』をはじめ、『デュロン』『フクリマ』『フォッグ』『ザード』『バディ』などの英雄軍団の話が書かれているが彼らもまたあの龍を見たというようだ。」
「へえ……あの龍が……」
出雲の話を聞いて呟いた疾風はあることを思い出した。
「あの龍は能力なのだろうか?テラッチの本によると能力なのか本物の龍なのかは詳しくわからないそうだ。だが俺は出身の『サホロン』である言い伝えを聞いたことがある。」
「え?疾風さんは北の『サホロン』ですか?」
「そうだ。『サホロン』だよ。稲穂は知らなかったか。」
「初耳です。」
「そうか……そんなことより金色の龍についてはこのような言い伝えがある。」
『龍の生まれた地はこの世界の何処かにある“全世界の穴(オールホール)”と呼ばれた『クレーター』とされる。クレーターは世界の終着地点にあると言われているがそこに辿り着いたものはいないとも言われている。』
「疾風さん……クレーターってまさか……」
「あの伝説の地だよ、稲穂。そして比較的最近だがクレーターに関するある歌を聞いたこともある。」
♪黒い世界の終着点
♪丸くて大きなその穴は
♪元は火を噴く穴だった
♪遠い地にて存在し
♪岩石周りを囲んでは
♪ん~、と旅人悩ませる
♪万国の知恵が眠る穴
♪歴史を司るところ……
「という歌だった。」
「え……クレーターってそんなすごい場所なんですか?」
「分からない。何とも言えないがもしかしたら太古の昔は容易く行けたのかもしれない。」
その話に阿蘇が割り込んできた。阿蘇と疾風の会話に他の3人は交ざれずにいた。
「そこに我々の先祖達が何か歴史に関わるものを隠した……?」
「それも分からない。ただ“岩石周りを囲んでは……”の部分から岩石が行方を阻んでいるように見える……」
「そのテラッチという方は行けたのだろうか?」
「行けてないだろう。“行ったと書いてないから”な。だが、文章の中に『英雄の一人『フォッグ』は“大きな世界の穴”に近付くことができた。あと一歩だったが“ある物を欠かしており”穴へと向かえずにいた。』とテラッチは語っている。」
「複雑な話だな。」
「まあクレーターにはそう簡単に誰も近寄れないのさ。」
「疾風……素晴らしい知識だ。」
「ありがとうな、阿蘇。そして皆もありがとう。」
疾風は穏やかな表情で皆に感謝を伝えた。金色の龍の正体は分からない。だがその時、将志とジェルの戦いはまだ続いていたのである。
●『疾風(はやて)』本名・セドルン
●『稲穂(いなほ)』本名・コテツ
●『四季島(しきしま)』本名・ハナ
※女性・『稲穂』の姉
●『阿蘇』本名・キンシャサ
四人は何か物音が聞こえたのか出雲を呼んで外に出ると金色の龍が空を舞っていたのである。
「あ……あの龍は……」
四季島は呟いた。すると稲穂は四季島に言った。
「姉ちゃん、あれだよ。冒険家で商人の『テラッチ』が書いた物語の龍だよ……!!」
「あんた、私達はロージーパインの出身なのに何でそんな話を知ってるの?」
「俺は『万国(ばんこく)図書館』でその本を読んだんだよ。」
「だからなのね……確かジェルさんはこの辺だったわね出雲?」
「ああ、確か彼はキノザックだから知ってない方がおかしい。」
出雲が四季島にした話によるとどうやらジェルはキノザック出身だという。勿論出雲も幼い頃にテラッチの本は一読していた。
「あの本には『テラッチ』をはじめ、『デュロン』『フクリマ』『フォッグ』『ザード』『バディ』などの英雄軍団の話が書かれているが彼らもまたあの龍を見たというようだ。」
「へえ……あの龍が……」
出雲の話を聞いて呟いた疾風はあることを思い出した。
「あの龍は能力なのだろうか?テラッチの本によると能力なのか本物の龍なのかは詳しくわからないそうだ。だが俺は出身の『サホロン』である言い伝えを聞いたことがある。」
「え?疾風さんは北の『サホロン』ですか?」
「そうだ。『サホロン』だよ。稲穂は知らなかったか。」
「初耳です。」
「そうか……そんなことより金色の龍についてはこのような言い伝えがある。」
『龍の生まれた地はこの世界の何処かにある“全世界の穴(オールホール)”と呼ばれた『クレーター』とされる。クレーターは世界の終着地点にあると言われているがそこに辿り着いたものはいないとも言われている。』
「疾風さん……クレーターってまさか……」
「あの伝説の地だよ、稲穂。そして比較的最近だがクレーターに関するある歌を聞いたこともある。」
♪黒い世界の終着点
♪丸くて大きなその穴は
♪元は火を噴く穴だった
♪遠い地にて存在し
♪岩石周りを囲んでは
♪ん~、と旅人悩ませる
♪万国の知恵が眠る穴
♪歴史を司るところ……
「という歌だった。」
「え……クレーターってそんなすごい場所なんですか?」
「分からない。何とも言えないがもしかしたら太古の昔は容易く行けたのかもしれない。」
その話に阿蘇が割り込んできた。阿蘇と疾風の会話に他の3人は交ざれずにいた。
「そこに我々の先祖達が何か歴史に関わるものを隠した……?」
「それも分からない。ただ“岩石周りを囲んでは……”の部分から岩石が行方を阻んでいるように見える……」
「そのテラッチという方は行けたのだろうか?」
「行けてないだろう。“行ったと書いてないから”な。だが、文章の中に『英雄の一人『フォッグ』は“大きな世界の穴”に近付くことができた。あと一歩だったが“ある物を欠かしており”穴へと向かえずにいた。』とテラッチは語っている。」
「複雑な話だな。」
「まあクレーターにはそう簡単に誰も近寄れないのさ。」
「疾風……素晴らしい知識だ。」
「ありがとうな、阿蘇。そして皆もありがとう。」
疾風は穏やかな表情で皆に感謝を伝えた。金色の龍の正体は分からない。だがその時、将志とジェルの戦いはまだ続いていたのである。
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