ヒナの国造り

第１４章・日常へ戻る時

キララと護と奇跡を託された医者⑦

ヒナ達がホテル入口で戦っている頃にロジ率いる団体(先程の表に名前が載っていた者も含め１００人近く)がロビーにいた。なお、ロビーにも護とジェルの戦いの声が聞こえてくるのである。

「いくぞっ！！ハイデルン！！“火炎の剣(ファイア・ブレイド)”っ！！」

「おっと！！」

護は炎に燃える剣(ハイデルンの種族のジョーラタイガーは炎を起こせる生物である)でジェルに斬りかかるもまたもや剣獣を盾にジェルは攻撃を防いだのである。

“シャキーン！！”

剣獣は熱さのあまり、くちもとの動きが苦しそうな感じであった。

「貴様っ！！またパートナーを盾に！！いい加減にしろっ！！」

その時、ロビーでロジと会話していたスコッチが苛立ちながら椅子から立ち上がったのである。

「ロジさん。」

「どうした？」

「外、黙らせてきます。」

「放っときな。」

「いや、我慢できません。仲間連れていきます！！」

「好きにしな。」

その時、先程竜太と顔合わせした玄竜と部下のケビンがスコッチと顔を合わせたのである。

「玄竜さん、あの争いはどちらが悪でしょうか？」

「詳しく見てないから分からないが両方とも制止してきな。」

「はい。」

すると仲間(部下)を３人呼び出したのである。

「おーい、出発するぞ『ヒカルド』『サイファー・ロンド』『テキイラ』の３人！！」

「旦那、行きますか！！」

「ああ、君達のサポートが必要だ！！この俺『スコッチ・ブライト』が外を黙らせてくる！！」

“おーっ！！”

そして外で護がジェルと大戦中に関わらず……

「お前達、静かにしろ！！」

スコッチはそういうと両手を鳥の羽のように動かすとヒナ達は咳をしはじめたのである。

“ハックション！！”

“ヘクション！！”

「どうだ……俺は花粉使いの能力者。俺の身体から花粉を発生させることが出来るのだ。」

するとスコッチの背中の襟をキララがつかんだのである。

「スコッチさん……でしたっけ？私、花粉が大の嫌いでしてこの場所で花粉を出すとは本当に不快でしてよ……」

キララの顔が笑顔ではあるが少しヤバイほどキレかかっていたのである。そしてキララはバットを“気”で作り出してスコッチの身体に向かって一本足打法のような形の左打ちでスイングしたのである。

「くらえ！！『キララの一本足(ワン・フット)』！！」

“カキーン！！”

「ホームランうぉーーーっ！！」

「スコッチさーんっ！！？」

部下３人は驚いたのである。そりゃそうだ……強い上司(？)が飛ばされたのだから。するとテキイラの背後にキララは現れたのである。護身用の銃をテキイラの頭に突きつけたのだ。

「だれかこの花粉まみれの空気を何とか出来ないの？」

「出来ます……僕の『空気洗浄(エア・クリーナー)』で出来ます……殺さないで……」

テキイラは解放されると手を天にかざしたのである。すると空気は綺麗になり、誰も咳をしなくなったのであった。

「ありがとう……」

「どうい……た……しまして……」

テキイラは怖さのあまり片言な喋りであった。