ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第16章・ステラガーデン編

ベアトリクスの優勢

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 この小伊霊とベアトリクスとの戦いを遠くから眺めている二人の男性がいた。一人は登山服を着てファー帽を被っており、もう一人は野球帽に防寒用のコートを着ていたのである。


 「あの女……何強気を見せてるんだい……」


 小伊霊を見下すような発言をした登山服の男性は『北家田ほけた真九良まくら』といい、野球帽の男性の『大岩おおいわきよし』はベアトリクスをこう評したのであった。


 「ほお……シャボン玉の能力か。あれはどうやって使うかなかなか思い付きにくいのだが彼女はうまく使いこなしているようですね。なかなかの熟練者かもしれない……」


 「確かに……しかし清よ……あの女(小伊霊)も大したこたあねえがあの“大声”の能力はうまく操れているようだぜ。」


 「ですねえ……あと真九良さん。そろそろ小伊霊を〆に行きませんか?今なら不意打ちで……」


 やり取りする二人だったが突然北家田は大岩に激怒したのである。


 「バカ野郎!!男が女に不意打ちをして何が楽しい!?そもそも相手が男だろうが女だろうが不意打ちをして勝とうとするお前の神経はどうなっとる!?」


 「す……すみません……」


 「いいか……正々堂々の戦いと言うのはな……ん、電話だ……はい、もしもし!!」


 北家田の携帯に電話がかかってきたため対応したら……


 「ん、大変な状況?そりゃいけねえ!!すぐ清も連れてきます!!」


 “ピッ!!”


 「清、帰るぞ!!」


 「え、まだ見ていかないんですか?」


 「バカ野郎!!そんなの見てる暇じゃないぞ!!それよりも……」



 …………一方のベアトリクス対小伊霊戦だがベアトリクスが優勢であった。


 「(あのシャボン玉攻撃……どうもなかなか強いみたいだな……シャボン玉は攻撃のイメージが浮かばない能力だがよく使いこなしているな……)」


 竜太はベアトリクスの戦いを評していたのであった。するとあるマイクロバスがやって来たのである。そのバスの助手席から女性が下りてきたのだが竜太はその女性の顔を見るなり驚いたのである。


 「ああ、お前っ!!…………誰だっけ?名前が思い出せん……」


 「記憶力悪っ!!たしか竜太さんでしたね……私は“道岸みちぎしきらら”です。」


 「大きなお世話や!!ああ……あの道岸…………ん~、道岸…………道岸…………ね。」


 「(忘れてる!!)」


 「色々とあって忘れたんだよ、悪りぃな!!!」


 少しイライラしていた竜太だがキララのことは一応思い出したようであった。ウイユのアジトで対峙し、アディーマの会議にも参加したというちゃんとした縁があるからだ。


 「くそっ!!邪魔者か!!覚えときなさい!!」


 キララ達が来た途端、なぜか小伊霊は逃走してしまったのであった。


 「何だったんだ……」


 竜太は呟いた。しかし戦いは元よりベアトリクスが優勢になっていた上にそもそも今戦うべき時ではないのである。
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