世界想像史重要読本全集

あめだま

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「操作」の新しい仮説を解説してみた

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 魔力というものは、この世界の大気と同じ量、またそれ以上とされている。だが、それ以上の研究が成されていない。存在だけが認知されている、謎多き「概念」である。だが、人間はこの不思議な「概念」を利用し、「操作」という術を使用する事に成功した。この「操作」についても、研究が進んでおらず、謎多き技術として、今もなお数少ない研究者の頭を悩ませている。
 しかし最近、「操作」について新たな仮説がたてられた。今まで考えられていた説とは、全くもって別物である。こちらは、魔力の「性質」に着目した説である。魔力というものは普段、大気の様に、世界に均一に広がっている。ただ大気と違い、その発生源が手の届く場所にある。現在はかなり減少してしまったが、魔力を生成できる物体は、この世に幾つか存在する。
 そもそもなぜ魔力の発生源ができたのか。それは、この世界が生まれる前から魔力が存在していたからだ。この世に初めて生まれた物質は、年月を重ねていくにつれて、魔力を帯びる様になった。そして、どうにかして魔力を発生できる存在となった。発生源は私も見た事が無いが、熱く熱を放っている物もあれば、冷たく凍りついている物もあるらしい。
 さて、私が新しい説の解説を忘れてしまう前に話に戻ろう。この説を説明するのに重要な部分はここなのだ。長年魔力という不思議な存在にさらされた発生源は、熱を放ったり、冷たく凍りついたりしている。また、古代の物質や動物は、魔力を体に体積させる事ができたという話は聞いた事があるだろう。魔力があまりにもその物質に体積し過ぎたために、その発生源の物体は、性質を変えたのだろう。つまり、魔力は体積すなわち圧縮させることにより、「操作」という不思議な現象が起きていると推測される。これが、新しい仮説の全貌である。
 以前まで提唱されていた説では、ここまで詳細なメカニカルを説明できなかった。しかし、今回の説にも弱みがある。それは、古代から存在する物質が魔力を蓄積させることは証明されたが、我々生物がなぜ魔力を蓄積させることができなくなったのかを証明する事ができないからだ。物質はどうにかすれば、とてつもなく長い年月、魔力にさらすことができるかもしれない。しかし、動物や我々人型生物にはタイムリミットが存在する。その生物が息を引き取れば、魔力を蓄積できるかどうかも分からない。また、今この時代に「操作」を行えるものは一体何者なのかを説明することも不可能だ。その者は、何世紀もの年月を過ごしてきている訳ではないし、今まで数多くの「操作」ができる者が、老衰によって倒れている。
 今回の説も、またなんとも言えない説であった。この問題の答えが出るのは、当分先の話になりそうだ。今後も何か新しい説が提唱されることがあれば、今回のように解説しようと思う。それまではぜひ、この解説を読んで、自分なりの説を考察してみてほしい。

前回:「操作」自作してみた
次回:魔力の発生源に赴いてみた(作成中)

                                     著:自称「操作」研究家

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みんなの感想(1件)

リア
2024.05.02 リア

(  ̄▽ ̄)スゲェェェ
設定が細かいですね……

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