新大陸の冒険者支援課 ~新大陸での冒険は全て支援課にお任せ!? 受け入れから排除まであなたの冒険を助けます!~

ネコ軍団

文字の大きさ
202 / 304
第3章 灼熱の砂海を渡る一輪の花

第202話 取り残さない

しおりを挟む
 高速で飛行するクレアの目前には、巨大なシルバーリヴァイアサンの銀色の鱗に覆われた細長い体が上下に続いている。砂上船から飛び出した彼女は、シルバーリヴァイアサンに気づかれないように尾から頭へ向かって飛んでいる。
 視線を上に向けたクレア、二十メートルほど先にシルバーリヴァイアサンの頭部が迫っていた。彼女は右手をかけた、背中の大剣エフォールを勢いよく引き抜き両手で大剣を持って構えた。

「行きますよ」

 両手に持った大剣を強く握りしめるクレア、大剣がうっすらと白い光に包まれる。彼女の大剣から光の剣が伸びていた。速度をさらに上げたクレアはシルバーリヴァイアサンのらせん状に移動して顔の前へと飛び出した。

「キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」

 目前へと飛び出して来たクレアを見た、シルバーリヴァイアサンは大きな口を開けた。彼女に噛みつこうと素早く前に出るシルバーリヴァイアサンだった。クレアは大剣を構え視線をシルバーリヴァイアサン向けタイミングを計る。
 大きな口がクレアを飲み込もうと迫って来る。

「はああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 気合を入れたクレアは横か剣を振り抜いた。クレアの両手にズシリと重い感触がして、耳に激しく何かがぶつかる音が届く。光の剣で巨大化した彼女の大剣が、シルバーリヴァイアサンの横っ面にめり込んだ。

「キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」

 シルバーリヴァイアサンの鳴き声が響く。クレアは重くてしびれた両手に構わず大剣を振り抜いた。
 頬をはたかれたように顔を横に向けるシルバーリヴァイアサン、鱗が飛んだのか銀色の細かい光の粒が十数個飛んで行きキラキラと輝いている。クレアは剣を振り切った姿勢で止まる。シルバーリヴァイアサンは顔を横にしながら視線を横に動かしクレアへと向けた。シルバーリヴァイアサンの目が青く光りゆっくりと顔を戻そうとした。

「!!!!」

 シルバーリヴァイアサンの目がわずかに大きく開く。視線の先には銀色の髪をなびかせハルバードを縦に持ってクロースが居た。

「まだ終わりじゃありませんわよ」

 右手に持ったハルバードを天に掲げるクロース、空が青白い光が下りて来て大きな音が轟く。

「キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

 シルバーリヴァイアサンが青白い光に包まれた。クロースが空から雷を呼び寄せシルバーリヴァイアサンへと落としたのだ。シルバーリヴァイアサンの動きが止まり、目の青い光が消えていく肉が焦げたような臭いクロースの鼻に漂う。しかし…… すぐに目を覚ましたシルバーリヴァイアサンは瞳を青く光らせ大きく口を開けた。

「この!!!」

 シルバーリヴァイアサンの頭上にメルダが飛んで来た、彼女は弓を下に向け構え矢を放つ。鋭く伸びる矢がシルバーリヴァイアサンの頭上へと向かう。空気を切り裂き鋭く伸びた矢はシルバーリヴァイアサンの頭へ命中した。

「やっぱり私じゃ…… えっ!?」

 下を向き失望したようにつぶやくメルダだった。彼女の矢はシルバーリヴァイアサンに命中したが、硬いうろこにあっさりと弾かれダメージを与えられなかった。メルダの視界に黒い影が素早くシルバーリヴァイアサンの頭上に移動するのが見え彼女は驚きの表情を浮かべた。

「はあああああああああああああああ!!!」
「グキーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー……」

 口を開けクロースに噛みつこうとした、シルバーリヴァイアサンの頭上からクレアの大剣が振り下ろされた。大剣が頭にめり込み開けていた口が上から押された衝撃で強制的に閉じられた。
 ふらつき頭から落ちそうになったシルバーリヴァイアサンだが、すぐに目を光らせ振る向いた。

「キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

 大きく口を開いたシルバーリヴァイアサンの口から光線が発射される。青い直径数十センチの細長い光線がクレアへと伸びていく。クレアは素早く横に飛んで光線をかわした。

「キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」

 シルバーリヴァイアサンは光線を発射した状態で顔を振り回した。光線を口から生えた剣のようにして彼女を斬りつけようと追い回す。

「ここは一旦…… !!!」

 クロースはシルバーリヴァイアサンの剣に巻き込まれないように動きながら離れようとした。しかし、何かに気づきハルバードをしまって猛スピードで飛んで行く。

「クソ…… また私だけ」

 止まったままメルダは悔しそうに弓を手を強く握っている。

「危ないですわよ!!」
「えっ!?」

 クロースが飛んで来て叫びながらメルダの手を強く引っ張った。振り下ろされた光線がメルダの横を通りすぎていった。クロースはメルダを引っ張って飛びシルバーリヴァイアサンから離れる。

「なにをボサッとしているんですか。ここは戦場ですわよ」
「べっ別に…… あっありがとう」

 振り向いてクロースがメルダに声かけ注意をする。メルダは頬を赤くしてクロースから顔を背ける。クロースはメルダから手をはなすと、次に彼女の弓へと手を伸ばしてつかんだ。

「それをお貸しなさいな!」
「えっ!? なにするの!!!」
「任せてくださいまし」
「もう……」

 弓を引っ張ってメルダから取り上げるクロースだった。不意をつかれ弓を取り上げられたメルダは不満気にクロースに声を上げた。クロースはメルダにウィンクしてほほ笑む。不服だったがメルダはクロースの顔を見て頬を赤くし渋々納得する。

「はああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 メルダの弓を掴んだクロースが声をあげた。彼女の腕が青白いく光ると同時に弓も同じように光りだした。光った自分の弓を見たクロースが声を上げる。

「なっなにをしたの?」
「私の稲妻の力を込めたんですわ! さぁ! これでクレアを助けてください」

 クロースはメルダに弓を差し出し返す。メルダは弓を受け取りまじまじと見つめる。青く白い光に包まれた自身の弓を不思議そうに見つめる。どこか優しい光に包まれた自身の弓にメルダの頬が自然とほころぶ。

「稲妻の力…… よし!!!」

 メルダは力強くうなずくと矢筒に手を伸ばし矢をつがえた。弓を構えると矢が弓と同じように青白く光り出す。メルダはシルバーリヴァイアサンへ弓を向けた。クロースとメルダの下でクレアは光線をかわしながら飛んでいた。

「ふぅ…… そこ!!!!!!!」

 弓を構え小さく息を吐いて止めたメルダが目をかっと見開いて叫ぶと同時に矢をはなった。青白い光をまとったメルダの矢は一直線にシルバーリヴァイアサンへと向かって行った。
 矢はシルバーリヴァイアサンの首辺りに命中した。先ほどは弾かれた矢だったが今度は突き刺さり強い光を放った。

「キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」

 シルバーリヴァイアサンの体が青白い光に包まれ苦しそうな声をあげた。動きが止まった

「やった!!」

 拳を突き上げ声をあげるメルダだった。横に居たクロースが彼女の肩に手を置いた。

「メルダ…… あなたは一人じゃありませんわ。わたくしもオリビアもキティルもあなたの仲間ですわよ。もう少し頼ってくださいまし」
「えっ!?」

 クロースの言葉に恥ずかしそうに頬を赤くするメルダだった。少し間を置いて彼女は頬を真っ赤にして顔を背けた。

「えぇ…… せいぜい利用さえてもらうわ」
「ふふふ」

 顔をあげ赤い頬のまま得意げな顔でうなずくメルダにクロースは優しくほほ笑むのだった。
 二人の下では動きが止まったシルバーリヴァイアサンとの距離をクレアが詰めていた。

「とりゃああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
「キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

 クレアから光の大剣がシルバーリヴァイアサンの頭を横から叩いた。大きな音がしてクレアの両手が衝撃によりしびれて彼女は顔をしかめる。大きく顔を横にしたシルバーリヴァイアサンは目の光を失い静かに落ちていく。

「ふぅ…… さぁ! グレン君! 頼みましたよ!!!」

 落ちていくシルバーリヴァイアサンを見ながら、クレアは大剣を肩に担ぎ視線を下に向け叫ぶ。彼女から数十メートル下でグレンが静かにシルバーリヴァイアサンを見つめていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

神眼の鑑定師~女勇者に追放されてからの成り上がり~大地の精霊に気に入られてアイテム作りで無双します

すもも太郎
ファンタジー
 伝説級勇者パーティーを首になったニースは、ギルドからも放逐されて傷心の旅に出る。  その途中で大地の精霊と運命の邂逅を果たし、精霊に認められて加護を得る。  出会った友人たちと共に成り上がり、いつの日にか国家の運命を変えるほどの傑物となって行く。  そんなニースの大活躍を知った元のパーティーが追いかけてくるが、彼らはみじめに落ちぶれて行きあっという間に立場が逆転してしまう。  大精霊の力を得た鑑定師の神眼で、透視してモンスター軍団や敵国を翻弄したり、創り出した究極のアイテムで一般兵が超人化したりします。  今にも踏み潰されそうな弱小国が超大国に打ち勝っていくサクセスストーリーです。  ※ハッピーエンドです

魔眼の剣士、少女を育てる為冒険者を辞めるも暴れてバズり散らかした挙句少女の高校入学で号泣する~30代剣士は世界に1人のトリプルジョブに至る~

ぐうのすけ
ファンタジー
赤目達也(アカメタツヤ)は少女を育てる為に冒険者を辞めた。 そして時が流れ少女が高校の寮に住む事になり冒険者に復帰した。 30代になった達也は更なる力を手に入れておりバズり散らかす。 カクヨムで先行投稿中 タイトル名が少し違います。 魔眼の剣士、少女を育てる為冒険者を辞めるも暴れてバズり散らかした挙句少女の高校入学で号泣する~30代剣士は黒魔法と白魔法を覚え世界にただ1人のトリプルジョブに至る~ https://kakuyomu.jp/works/16818093076031328255

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

処理中です...