おまえの秘密を知っている

千東風子

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おーわり!

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「で、申し開きを聞こうか?」

 フィネは程なくして、カールにクラウスの執務室まで来るようにと呼び出された。
 ダリウスから何か返事が来たのかと向かった先には、ダリウス本人がいた。魔法で転移してきたのだろう。つくづく魔法って便利だなとフィネは感心した。

 ダリウスはソファに背筋を伸ばして座り、両の拳を膝上で握り締め俯いていた。

「ダリウス?」

 ダリウスの様子がおかしい。執務室に入る前に聞こえたクラウスの「申し開き」とは何のことだろうか。

 執務室にはダリウスとクラウスだけだった。
 カールに続いてフィネとドロテアが入室すると、クラウスが事も無げにフィネに告げた。

「カードを送った犯人はダリウスだ」

 フィネはダリウスを見たが、ダリウスは俯いたまま微動だにしない。

「まあ……。ダリウス、あなた、私のどんな秘密を知っているというの?」

 ダリウスの拳がピクリと動いた。
 それだけで顔も上げず、黙ったままである。

「ダリウス?」

 クラウスが平坦な声で「ほれ、ちゃんと言え」と促した。

 フィネは俯いたままのダリウスの隣に座り、聞く体勢を取った。

 ダリウスは観念して話し出した。

「婚礼の準備で忙しいのは、分かっている。……でも、お茶会も無くなってしまった」

「ええ、来月には一緒に住むのですから」

 婚約後、ダリウスは学園在学中は週に一度の休みの度に、卒業してからは週に何度か……いや、ほぼ毎日仕事帰りにシェルテル家に寄り、フィネとお茶をしていた。
 それが、婚姻の準備が佳境に入り、式の打ち合わせや新居の話など、顔を合わせる機会は多くはあったが、二人の無言のお茶会は忙しさから無くなっていたのである。

 もじもじするダリウスに、フィネが顔を覗き込んだ。

「寂しかったのですか?」

 ダリウスがコクンと頷いた。

「それにしても、私の秘密を知っているって言って、何を期待したのですか? 私、ダリウスに隠していること……あんまりありませんけれど」

 何かはあるんだ。

 兄たちとドロテアの視線がフィネに刺さった。
 フィネは知らん顔をした。

「この間、ほんの少しでも顔が見たくて……夜に部屋の外、バルコニーにフクロウを飛ばしたんだ」

「まあ」

 要はフィネの部屋を魔法で覗き見ようとしたのである。しかも夜の私室を、である。
 クラウスとカールの気配が鋭くなった。
 フィネが視線だけで二人を止めた。
 ここで三人の言い合いになったら、話が進まない。

「そしたらフィネはまだ起きていて、裁縫かな? していたよ。遠目だったからよくは見えなかったけど……その顔が、その、」

 言い淀んだダリウスにフィネが続きを促した。

「私の顔が、なんですの?」

「……とても幸せそうに笑っていたんだ。気になって、だから、梟をもっと近付けたら」

「近付けたら?」

 ダリウスが震えだし、両手で顔を覆ってしまった。

「ダリウス、どうしたの?」

「フィネが」

「私が?」

「フフンガ」

「ふふんが?」

「ウフィウフィ」

「うふぃ……? 何かの呪文?」

 ブーーーーーーッ!!

 後ろに控えていたドロテアが吹き出した。

 クラウスとカールはあらぬ方向を見て身体を震わせていた。

 え、何この人たち。いきなり笑い出したのだけど。

 え。

 フィネはまさかと思い、ダリウスを見た。
 ダリウスは耳を真っ赤にして震えていた。
 笑いを堪えているのは一目瞭然だった。

 感情がないわけではないが、表情は常に『無』であるダリウス。そのダリウスが真っ赤な顔で笑いを堪えるという姿に、フィネは唖然とした。

 ドロテアがひぃひぃ言いながら説明した。

「フィネ様、は……ぶひッ。集中すると、鼻歌を……ぶはっ!!」

 ふふ~ん(息を吐く)
 が(息を吸う)
 うふぃうふぃ(笑う)

「……え、私が?」

「はい。しかも、刺繍だけではありません。絵を描いている時もその鼻歌が出ると、かなりの高確率で神の性質が現れまっす」

 まだひくひくしているドロテアが自信満々に言った。

「えっと、……私の神の性質は、皆の知るところだけど。ダリウスは知らなかったってこと?」

 ダリウスが「そこじゃないよ」と言いながら顔を上げた。
 その顔を見て、フィネは息をするのを忘れた。
 ダリウスはフィネを見て、蕩けるように笑っていた。

 コノヒト、ダレデスカ……?

「普段見ないフィネの様子が知れて嬉しかったんだ。それで、浮かれてしまって……職場で問い詰められて、こ、恋人の新たな一面というか、他の人が知らないことを知れて嬉しかったと言ったら……」

 無口、無感動、無表情が通常運転のダリウスが、ソワソワニヨニヨしながら思い出し笑いをするさまに、精鋭揃いの魔法省に激震が走った。
 直ちにダリウスに対して尋問……事情聴取が行われ、結果ただの惚気のろけであり、そのままの勢いで職員による恋バナへと移行した。
 勤務中だが、魔法省はいつも自由である。

 ダリウスはおっさんどものどうでもいい話を聞いては真剣にメモを取った。
 特に心に響いたのは妻もしくは恋人をどう呼んでいるか問題であった。

 名前(大多数)。
 おい(離婚調停中)。
 子どもがいる家庭では母敬称。マ……と言いかけた職員の名は名誉のために伏せておく。
 などなど、名前で呼ぶことが多い中、ダリウスのメモ帳に二重丸が付けられた呼び方があった。

 おまえ、である。妻からはあなた。

 更には、パートナーとより親密になるには秘密の共有が良いと、白ひげの魔法省長官がのたまった。些細なことで良い。二人だけが知る、二人だけの秘密が増えると、絆も増していくと。先日三回目の婚姻をした偉い人がそう言ったのである。

 ダリウスが感動してメモを書いていると、そのメモを覗いた同僚が、古代文字より難解なその字をどうにかしろと言い出した。婚姻誓約書に署名した時、汚い字は恥ずかしいぞ、と。

 ダリウスは衝撃を受けた。永遠に残すフィネとの婚姻誓約書に『恥ずかしさ』などあってはならない。

 今まで自分の字は皆と少々違うな……位の認識でいたダリウスは、猛然と字の練習を始めた。
 優秀さを遺憾なく発揮したダリウスは、教科書どおりの誰もが読みやすい汎用性の高い文字をあっと言う間に習得し、普通の字の免許皆伝を同僚から得た。むしろ、整い過ぎていて気持ち悪いと言われた。

 そして、満を持して『おまえの秘密を知っている』と、フィネにカードを送ったのであった。

「うん、待って。色々端折はしょり過ぎてて意味がよく分からないわ」

 フィネが真顔で聞いた。

「とりあえず、このカードは、ダリウスが送ってくれたのね?」

「うん」

「いつもは配達なのに、今回は魔法でって、どうしたの?」

「今日やっと同僚たちから『普通の字』だってお墨付きをもらったんだ。フィネが学園から帰宅する時間だったから、早く送りたくて」

「そう。でも、許可の無い魔法はダメよ? カールお兄様が驚いてしまうわ」

「分かった」

「結局、私の秘密って、その、鼻歌のことなの?」

「うん。とても気を抜いて笑うのが可愛くて」

 可愛い。
 言われたことのない言葉に、フィネは頬が紅潮したのが自分でも分かった。

「……今まで、そんなこと、言わなかったじゃない」

「ずっと、思っているよ。フィネが可愛くて大好き。……字の練習をしていて思ったんだ。書いたつもりでも、相手が読めなきゃ伝わらないんだって。気持ちも、思っていても言わなきゃ伝わらないんだって」

 ダリウスがフィネの手を握って、はにかんだ。

「おまえの秘密を知っている、よ? 僕だけの秘密じゃなかったけど……。僕は、この先もずっとフィネと二人だけの秘密を増やしていきたい。改めて言うよ、僕のフィネ。……僕の妻になってくれる?」






 おまえ→愛しい人
 秘密を知っている→二人だけの秘密→親密→超好き






「分かりづら……」

「ダリウスなりにまっすぐ言ったつもりなんだな……」

「解説されても理解は出来ない」

「カードが不審者からじゃなきゃ、どぅでもいい」

 フィネ、カール、クラウス、ドロテアの順である。

「ごめんね? 変な人からだと思った?」

 充分、変……。とは誰も声には出さなかった。

「じゃあ来月からは、ダリウスではなくて、あなた、って呼べば良いのね?」

 さらっと求婚の返事をするフィネも照れたようにはにかんだ。
 ぱあぁぁっと笑顔が咲いたダリウスがフィネを抱き締めた。

「名前も、やっぱり呼んで欲しいかも」

「ええ? じゃあ、あなたダリウス? ダリウスあなた?」

 困るフィネに呆れるドロテアが突っ込んだ。

「そういぅ事ではないと思いまぁす。フィネ様も大概だったぁ……」






 春が終わり、少し汗ばむ陽気の時季に、フィネとダリウスは婚姻した。
 挙式はレーナー家の領地で行われ、たくさんの人が参列し、領民たちも所々でお祝いをして町全体がお祭りと化していた。

 フィネの婚礼衣装には、糸の質感を変えた大小のジャスミンの花が縫い取られており、衣装と同じく白の刺繍でありながら光の当たり方でまるで宝石のように輝いて花嫁を飾っていた。

 号泣し過ぎて顔の原形を留めていないシェルテル伯爵がフィネの腕を引き、やがてダリウスへと愛娘を渡した瞬間。

 ブワッ!!

 フィネの衣装の刺繍が一斉に膨れ上がり飛び出して行った。

 幾百もの花が膨れ上がっては千切れ、また膨れ上がっては……を繰り返した。

 まるで白い花びらが風に舞うようだった。
 辺り一面に白い花が一斉に咲き誇ったかのような、それはとても美しい光景で、ダリウスは息が詰まった。

 幼い頃に、綺麗だなと思った白い花。
 自分の存在を恐ろしいと思った白い花。

 ……なんて美しい白い花。

 過去の辛い記憶よりも今日の幸せな記憶となるだろう白い花。

「……参った」

 ダリウスは左手でフィネの手を取りながら、右手で顔を覆った。

 十四歳でフィネに一目惚れをして、シェルテル家に押しかけて、毎日フィネを想って花を贈った。
 十五歳で婚約をして、二十一歳で今日を迎えた。
 やっと迎えた。
 自分はフィネをどんどんどんどん好きになる一方だが、フィネは、自分に対しては多少の好意はあったとしても、婚姻については生理的に嫌悪感がないからまあいっかくらいに思っていると、思っていた。
 それでもいい。ずっと側にいる。いつかは穏やかにでも相愛になれればいい。なってみせると、そう思っていたのに。

 フィネの神の性質でドレスから飛び出したジャスミンの花たちは会場をも飛び出し、町いっぱいに広がっていった。

 今まで見たことのない規模の闊歩である。
 フィネの神の性質は、その心が込められた時に発現し、その大きさはフィネの想いに比例する。

 これではまるで……僕のフィネは僕を……。

「驚いたかしら? 私、ずっとあなたを愛していたのよ? 言わないと伝わらないって、本当ね……。隠しているつもりはなかったけど、心に秘めていたことも秘密になるのかしらね。なら、これで私の秘密はおしまいよ」

 全身全霊、持てる全てでダリウスに愛を告げたフィネに、ダリウスは噛み付くような口付けをした。

 皆、ドヤァと闊歩する白い花たちに気を取られ、誓いの前に口付けをする二人を咎める者は誰もいなかった。






 後に、フィネの絵たちは、レーナー領では『フフンガ様』と呼ばれ、長く長く親しまれることになる。
 婚礼の日、領内を闊歩した白い花たちは皆「フフンガ」「ふふんが」「ウフィウフィ」「うふぃうふぃ」と鼻歌を歌いながら闊歩した。
 今まで絵たちが分裂して増殖することも、話したり音を出したり、ましてや鼻歌を歌うこともなかったことである。

「少し気持ちを込め過ぎたかしらね……」

 そう苦笑いするフィネは、大きくなったお腹を幸せそうに撫で、『絵獣かいじゅう』でも『フフンガ』でも、幸せだから何でもいっかと、開き直るのであった。


おしまい












【おまけ】
 カールとドロテアの婚姻が決まって。

フィ「ドロテア! おめでとう!」

ドロ「フィネ様! やってやりましたよぅ!」

フィ「(やって……?)なんて言ってカールお兄様に求婚したの?」

ドロ「言って……?」

「「……」」

 ドロテアの肉食性がバレた瞬間だった。

 ちなみに、賭けで大分儲けたフィネは、ドロテアたちの婚姻式の夜に着る二人の夜着にこっそり番のドラゴンを刺繍しておいた。奮発した金糸で。
(ドロテアのドレスの刺繍図案をカールに全力で断られた腹いせではないとフィネは言う)

 カールとドロテアの婚姻式の夜、シェルテル伯爵家はビカビカ光る何かの出現で、混乱に包まれたとか笑いに包まれたとか。
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